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霊感ない人と比べたら誰だって霊感はある

7月から始まった遠野市立博物館の『遠野物語と呪術』気になるよね。

思い出したように書くけど、というか、思い出して書いてるんですけど、そういえば春に遠野行ってたんですよ。
遠野は、遠野物語にまとめられたように、伝承が残る土地です。ガイドツアーに参加して、かっぱ、座敷わらしなどの、話も聞けました。

おしら様

その中におしら様という伝承があります。おしら様は、養蚕や狩りの神で、御神体は、桑の木で作った馬と娘の一対の人形であることが多いそうです。

で、背景にあるストーリーは結構ヘビーなんですよね。

ある農家に娘がおり、家の飼い馬と仲が良く、ついには夫婦になってしまった。娘の父親は怒り、馬を殺して木に吊り下げた。娘は馬の死を知り、すがりついて泣いた。すると父はさらに怒り、馬の首をはねた。すかさず娘が馬の首に飛び乗ると、そのまま空へ昇り、おしら様となったのだという

柳田國男「遠野物語拾遺」『遠野物語』(増補版)郷土研究社、1935年、179-188頁

遠野の伝承館という資料館に、冒頭写真の おしら様 の実物があり観光客が願い事を書いた貫頭衣、要するに人形の着物をおしら様に着せられるようになってました。これって願掛けですよね。七夕や絵馬のバリアントとみなせるのかな。

霊感は「畏怖する」感覚だ

観光客で願掛けしてる人はあまりいなくて、10人か20人に1人くらいかなあといった印象。貫頭衣に書かれたお願い事は、健康や幸福に関わる事柄が主だったように思います。自分も願い事はせずに出てきました。おしら様の背景に沿うよう真剣な願いを持ってなかったから。もっと簡単に言うと怖かったから。

この”場”で真剣味のない願いを告げたら、どう跳ね返って自分に当たるかわからない。

そういう”跳弾”が起こりそうな"場"を感じる力を「霊感」と呼ぶのだろうな。なんていうんだろう、真っ直ぐなものしか許可されない空間というのがある、気がする。

霊感のない人もいる

ただ、願い事を眺めると「全世界の女にモテたい!」や「5兆円欲しい」と言ったような ”茶目っ気お願い” も見かけた。

霊感が本当にない人もいるように見える。
そういう人と比べれば、自分みたいな、ない人でもあるらしい。








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