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量子力学的ロシアンルーレット

ライトな量子力学の話。

リボルバーに最大装弾数の半分を装填し、あなたは1度自分に向けて引き金を引く。このときの生存確率は?


”猫は1/2生きている” という表現をブラックボックス中の猫についていうのがシュレディンガーの猫なのだけど、これは『観測者問題』ってやつでSF風にいえば、箱を開けてみるまでは”生と死は収束しない” というようなものでした。

では、改めて、観測者問題だということを踏まえて問題です。

リボルバーに最大装弾数の半分を装填し、あなたは1度自分に向けて引き金を引く。このときの生存確率は?

(・・・このリボルバーの逸話、どっかで聞いたんですが元ネタ知ってる人いたらご連絡ください)

わかった?



1/2(50%)と答えた方!!

すばらしい!不正解!
まんまとありがとうございます!でもそういうところ好きだぜ!チュッ!(リボルバーがこめかみを撃ち抜いた音)

これね正解の生存確率は「1」(100%)なんだって。

えーーー。納得行かない!僕も行かないですよ!
行かないけど、解説は面白いんだこれが。

6連装のリボルバーのレンコン穴の3つに装弾し、残りの3つにはひき肉でもお詰めいただいてる前提で考えてみましょう。撃鉄がどの穴を叩くかはランダムだけれども、詰まってるものが観測者に向かって飛び出す。ここまではリアルな世界と考え方は同じです。

ここで量子力学の話を持ち出すんですね。引き金を引く瞬間には、それぞれのレンコンの穴を叩く6つの可能性が重ね合わさっている。つまり3/6あなたは生きている。じゃあ1/2じゃんかと思ったらミステイク!

引き金を引くあなたこそ観測者なので、銃弾が発射される3つの可能性世界は引き金を引いた瞬間に死ぬ!あなたとともに世界が消える!つまり観測者が消えて観測されないんです。つまりあなたが引き金を引いたあと行く世界は、ひき肉をぶちまけてる世界しか残らないんです。今日はハンバーグだ!

当然、周りの人にとってはその人が観測者だからね。鉛の弾かひき肉が発射されるかは1/2であなたの生死も1/2です。つまり観測者の数だけ世界があってそれぞれ分岐していくわけです。


最後に余談中の余談ですが、この話ちょっと「赤い洗面器の男」の話に似てるよね。自分だけは観測できない世界、自分だけ知れないものがある。と、あ、赤い洗面器の男の話 を知らない人にかいつまんで説明すると、

細い路地で、向こうから水のたっぷり入った真っ赤な洗面器を頭にのせた男の人がゆっくり歩いてきて、なんだろうと思って勇気を出して聞いたんですよ「なんで頭に洗面器をのせているんですか?」そうしたら男はこう言ったんです


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