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2015年5月の記事一覧
最後の噴水がひとを二倍悲しませる池の周囲を歩く
私の道ではない道は無数にあったが私の道はなかったので、どうせ違う方向に帰るとしてもその人を待つべきではないかと思っていた。ともに歩くわけではなく、追うでもなく別れるでもない。離れるわけでも近づくわけでもない。告げられないときにある愛のように進まない道だけが私に残されていた。
ほんの数時間がいつでも一日のすべてだった本を開いた。その本に耳を澄ますと、ある罪深い精神に復讐しているかのような叫びがこだ