入鄽垂手(序)〔禅の古典〕
十牛図の第十図を「入鄽垂手(にってんすいしゅ)」と言います。
以下はこの入鄽垂手の書き下し文と、その意訳です。
十牛図はいずれの図も、序(じょ)と頌(じゅ)の二段構成です。
そのうちの序のみを訳しました。
そこでここに残します。
入鄽垂手 序柴門(さいもん)独り掩(おお)うて、千聖も知らず。
玄関の柴の門を閉じた人のように、この世のどんな"聖"も知らない人がいる。
爺に逢うては爺相応、婆に逢うては婆相応、子供に逢うては子供相応。
爺に会って爺にならう、婆に会って婆にな