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RA-EQUIPMENTS (1998年当時)

//SYNTHESIZER//

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KORG : T3EX (master keyboard)
92年にM1から買い換えてからずっと愛用。鍵盤の質もしっかりして(これ結構大事)良いので末永くマスターキーボードとしても。90年から2~3年はM1またはT3だけで曲を作っていた(16音ポリ、8トラックが厳しかったが)。結局そのT3だけで作った曲の一つがFrogmanの最初のコンピに収録されることになった。最初にM1を買った時はマルチティンバーで曲を作れることに感動した。それまでMTRを繋げてピンポンとかやっていた頃と比べて雲泥の差(作業行程、音質等)であった。T3はフロッピー内蔵なのでシーケンスデータや音色をセーブ出来る点がM1から買い換えた理由。最近のモジュールもフロッピーをつけてくれれば全然便利なのだが…。音色はM1プラス100といった感じで、その追加された分がなかなか充実。特にエレピはフェンダーローズやウーリッツァーの感触(似ているからいいとかの観点ではなく)に近く、今だに他のPCM系には見られない音でよく使う。次の01/wではもうすべて違う音になっていたので、さらに買い換えることはなかった。editはレゾナンスがない時点で何も望めないといった感じだが、PCM音源は最初に入っている音色で勝負が決まるので、そういった意味では凄く気に入っている。この手の中では音も細くなく、存在感はあるので何かと使ってしまう。エフェクターも大変使いやすい。問題はEXの部分だが、何が通常のT3と違うかというと、PCMを新たに読み込める(容量は1MB)という点。僕が買ったライブラリは[TB-303+TR-606]、[LINN+SIMMONS]、[PROPHET-5 Bass]等。サンプラーからも転送出来なくはないが、今では特に必要のない機能。同社T1、T2との違いは鍵盤仕様だけで音は同じ。

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ROLAND : SC-88
これはスタンダードMIDIファイルを鳴らしたいとかそういう用途じゃないことは確かだ。T3ばっかというのも何なので価格が安く、使えるものが欲しかったので発売してすぐ買ったと思う。本当にこれは価格の割に沢山音が入っていてお得な感じ。GM音源の中で唯一許せるクオリティだろう(当時の上位機種JVとほぼ変わらない。JVがショボ過ぎると言った方がいいか⁈)。生楽器系のパートを主にT3と使い分けたり(例:T3でエレピ、SCでピアノ等)する。全体的に音が細いのが難だが、editが流石にROLANDといった感じでレゾナンス、エンベロープ他大変やりやすい。シンセ系音色も多様なのでeditすればかなり使い勝手は自由。T3と違って各ティンバーにエフェクト設定が出来るのが大変便利。MIDIでフィルターやレゾナンスを操作出来るのも嬉しかった。これで気分はアナログシンセ。コントロールデータを入れれば思うように開閉してくれる。「Again」でこの手法(他にパンニングのランダムやエフェクトオンオフ等)をかなり多用した。当然フロッピーがついてないのでいちいち設定をMIDIでdata_dumpしないとイケナイのが面倒。ステレオアウトしかないのも残念。SC-88proが出た時に買い換えを検討したが、新しく追加された音が全然面白くなかったので購入には至らなかった。

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E-MU : Ultra Proteus
それでもT3とSC-88に少々マンネリを感じたので新しいものではないが、便利かなと思って(VintageKeysも考えたが、どうも名ばかりで音色がイマイチだった)、「FA」制作前に購入。これは定番Proteusのベスト版みたいなもの。マルチエフェクターも内蔵。editは1Uだからしょうがないのかもしれないが、かなりやりにくい且つやる気を失せる。なのでプリセット音色しか使わない感じだが、SCみたいに細くはないもの、好みの音は少ない。アメリカって感じ。SC程度のeditが出来ればかなり使えるのだが…。時々生楽器系の割振りで使うとか味付け程度。結局PCM系はファクトリー音色が気に入らないと使い勝手はかなり限られる。「FA」では買ったばかりだったので結構使ったが、「circuit’72」では1音色しか使わなかった。根本的にデジタルシンセの限界を感じた。ちなみにこれを買う直前に円安になって楽器店では価格が上がってしまったが、偶然ヨドバシカメラでは以前の値段からの割引価格になっていたので、そこで購入。基本的にこんなことがなければヨドバシで楽器を買うことはないだろう。

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CLAVIA : Nord Rack
モジュール(ラックマウント)の方を購入。久々にシンセらしいシンセというか、どうしてこういう発想が日本の楽器メーカーで出来ないのか。意表をつくスウェーデン製。ルックスばっちり(2ではダサくなった)。ヒット商品と言えるだろう。何故なら以降日本の楽器メーカーが急にツマミ系シンセを出し始めたからである。シンセなんてツマミがいいに決まっている。本当にアホだ。何故もっと早くやらない。遅い、遅すぎる。JUNO-106が流行っていた頃にサッサと出しておけばいいのに、本当に決断が鈍い。日本の楽器メーカーのバカさ加減を見事に突きつけた商品であった。で、これは「FA」制作前に買ったのでそこで多用。「circuit’72」では少々。結局PCM系に比べれば原点回帰であることは間違いないが、所詮はバーチャル、音が細いのは否めない。ムチャクチャないじり方をしても本当のアナログみたいにムチャな音にはならないのも面白味に欠ける。それに4音ポリでは使い道が限られる。ユーザー音色も40しか入れられないのも痛い。だからフロッピーをつけろってことだ。カードとかじゃなくて。ちなみに同社ではシンセドラム(ddrum)も出していたが、需要がないのだろう、日本には輸出されていない。再生YMOライヴで試作品を逸早く使ってはいたが…。

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ROLAND : SH-101 (with KENTON : PRO SOLO)
83年、最初に買ったシンセ(アナログモノ、オートアルペジオ、シーケンサー付)。これを買った理由はズバリ、当時一番安かったから(5万円)。最初は勿論これしか持ってないわけで、わけもわからずいじり回したのは言うまでない。MTRがまだ手軽に手に入らない時代で、ダブルカセットでピンポンしながら全パート(最初のクリック以外は全部手弾き)をこれで作るというのが自宅録音の始まりだった。しかし後々評価されることになろうとは夢にも思わなかった。自分の中では完全に一度終わった楽器だったが…。「circuit’72」で再びサンプリングするまで10年程自分でも使うことは殆どなかった。アナログ再評価は数年前からあったが、同期出来ないという理由だけで使うのをためらっていた。最近ようやく、PRO_SOLOを繋げて同期してみたりしている。やはり本物のアナログってのはいい。これがポリフォニックだったら本当に素晴しい(なので同時期のJUNO-106の中古がもてはやされたが、音自体はSHの方がいいような気も)。音色的にはROLANDの最後のアナログモノなので、それ以前のアナログ群と比べると音がカラフルというか今のシンセにも割と馴染める感じ(極端に太いわけではないので)がgood。勿論余裕があればその他沢山のアナログシンセが欲しいのは言うまでもない。シンセってのは結局アナログのことだという認識を改めて。そして現在のシステムに対応すべくポリフォニックでMIDI対応だったら言うことない。ボディは赤、青、グレイとあるが、所有するのは最も一般的なグレイ。あとオプションでショルダーのためのベンド付ホルダーがあったが、興味はなかった。

//SAMPLER//

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ENSONIQ : ASR-10
T3の1台だけで曲を作っていた頃、そのうち買うであろうサンプラーを何にしようか、かなり迷った記憶がある。AKAIかROLANDかENSONIQか。実はこれが初めてのサンプラーではなかった。80年代にAKAIの国産初のサンプラーS612を買ったのだが、これは既に処分(98/2/28日記参照)。というわけでAKAIは最初からいい印象がなかったので、いくら皆が使っているからといって(豊富なライブラリにも興味なし)買う気はしなかったし、メモリは標準で2MB。増設は目に見えていた(当時はメモリが高値だった)。ROLANDは確かS760が出たばかりで安価でいいと思ったが、何か音が細そうという気がしたのと1Uなのでeditがやりずらいかもしれないとの危惧があった(勿論メモリも2MB)。ENSONIQはマルチエフェクター搭載(しかも同社のDP/4同等とか)なのが目を引いた。しかし互換性がない(AKAIが主流のため、人とファイル交換が出来ない)。結局決め手となったのはメモリが標準で16MB(これ以上増設出来ず)になったこと。サンレコ等を読んでいても殆ど登場しない機種だが、自分にとっては重要。まず操作が非常に簡単(AKAI比)。AKAIのおけるsingleモードがないため(multiモードもない)、サンプリング(秒数設定もいらず)して鳴らしたい鍵盤の位置を弾けば、もうアサイン(既に音階もつくのでprogram設定もいらず。マルチであれば、ただそれを同じ鍵盤内で繰り返せばよい)。editしたいサンプル設定もその音を弾けば勝手に合わせてくれる(波形に名前をつけることは一切ない、番号で処理)、モードの垣根がないので曲を鳴らしながらのedit(強引だがloadも)も可能、等々上げたらきりがない。エフェクター(ダイナミックス系含む)も強力で、内蔵エフェクターをかけたリサンプリングも勿論OK。操作性から言えばこれ以上のサンプラーはないだろう。しかしそれ同様に問題点(普及しない理由)もある。まずディスプレイがLED(昔の電卓のような)。これ自体はコントラストを調整する必要がないし、AKAIみたいに長年使用すると薄くなることもないので確実に明るくて良い。のだが、結局波形表示が出来ない。トリミングは数値表示で(基本は耳で聴くしかない。別にそれはそれで本来悪いことじゃないのだが)。あとReCycle!等がSCSI未対応(OMS使用でMIDI転送は可能。やはり遅いが…)、ティンバーが8つ(自分は大体1trをリズム音源に限らずマルチサンプルにするので殆ど8trも使わないが)しかない。それにレゾナンスとEQがない(フィルターはあり)。以上の不備を考慮しても曲を作る時のスピード(データ管理含む)から言ってENSONIQがメインであることは変わらない。色々な面で劣るかもしれないが、全部の機能を使わないと音楽が出来ないわけでもないし、自分なりの使い方で問題なければ、そんなに卑下することもないだろう。誰にでもオススメ出来るわけではないが、こういう簡単なサンプラーもあるということで。ASR-10RのRとは何のことはない、ラックマウントであるということ。あとシーケンサーが実はついている。ステップ入力が出来ないので全く必要がなく理解不能だが、ライヴ等で人によっては賢い使い方が出来るかも。

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AKAI : S3000XL (with MESA)
というわけで、結局買うことになってしまった。ReCycle!を使いたいがために。まさにSCSI転送のためだけに買った。これでSoundEdit他波形編集ソフトもOK。AIFF書類が身近になる。結局システムは想像以上に使いにくく、マスターするのを放棄した。ReCycle!でsampleを転送してmultiを組む位しか覚えていない。内部の操作でいいと思ったところは一つもない(丸いノブよりスライダーの方がいい)。sample、multi、singleモードの3つに分かれている必然性が自分には理解不能。これを大勢の人が問題なく使用していると思うと不思議だ。鍵盤にマルチアサインしたあるsampleをeditするのにいちいち本体で検索しないといけない(当然名前を任意につけとかなければいけない)のはかなり問題だろう。一応、オプションのエフェクトボードを追加。既にお判りの通り、所有する機材の殆どがマルチエフェクター搭載。各々のエフェクターを駆使して出来るだけミキサーまでの劣下を防ぎたいのである。単純に機材の数だけエフェクトの種類も増える。パッチベイも今のところ考えていない。サンプラーも違えば音も違うということでENSONIQのバタ臭い感じに比べればかなり癖がなくクリアである。勿論これはこれで加工しやすい音質なので、メインにしても悪くないが、あまりに使いにくい。MESAはすべての作業を行うには重いので内部sampleをMACに転送する時しか使わない。「circuit’72」ではMACからAKAIに転送したsampleをわざわざ全部ENSONIQに移した(サンプリングして)。現在はしょうがなく2つのサンプラーを用途により使い分けている状態。

//DRUM MACHINE//

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E-MU : SP1200
やっぱこれしかないでしょうってことで。今さら買っても遅いとか本当にいいのか?とか散々迷った挙句に他に頼れる物がなかったので。86~7年辺りに制作された12bitのドラムマシーン。簡単に言うとこれでサンプリングしただけで他にはない個性的な音になるということである。その音質を得たいがために購入。マシーン自体の機能は割とどうでもいいのであった。しかしこれだけのために買うにはあまりにも高い(そしてデカイ)。渋谷の某店で新古品(この意味がよくわからないが)と称して他の店より(反則的に?)ちょっと安かったので何とか買えたようなもの。12bitものは他にもないわけではないが、多分これでしか出ない音になるのは間違いない。サンプリングタイムは計10秒(1サンプル最高2.5秒)なので当然ASR-10に移して使用。メモリ拡張とかあったら言うことなし。というより、このままの基盤で現在のシステムに対応出来るような機種が出たら完璧だろう。おそらく有りえないだろうが。言うまでもなく「circuit’72」はこれによって完成された。

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ROLAND : TR-808
おそらく89~90年辺りに中古で購入。時期的に909や303と共に脚光を浴びた直前。ということで別に流行りとかじゃなくて、往年の名器として何か欲しかっただけであった。衝動買いに近い。当然MIDIがついていないので、単体で走らせて(ヤオヤにはこういう表現がふさわしい)遊ぶだけ。やはり音がよいので、これだけでいつまでも聴いていられる良さは確かにある。で、一通り使い方をマスターしたら適当に鎮座させるしかなかった。外観の状態があまりよろしくないため売りには出せずに。「Again」の時にサンプリングした記憶があるが…。発見と言えば、試しにSH-101と同期させた時、MIDIの同期具合とは違う何かを感じた。電圧がビシビシ来る感じで、MIDIよりもジャストというか確かな手応えというか、とにかく良かった。それだけでノリが出る感じ。一時流行った303+606のセッティングでも同様だったのだろう。やはり909もそうだろうけど、本体で走らせないと意味ないと思ってしまった。サンプリングでは魅力半減である。同期ってのは結局アナログのことだという認識を改めて。自分自身、ヤオヤの音色を現在使う必要があるかどうか迷うとこだが、MIDI同期が出来るようになれば、SH-101同様存在感が増すかもしれない。

//HARD DISK RECORDER//

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AKAI : DPS12
とりあえずMACでHDRをやるにはCPUが物足りないとの危惧で保留…でちょっと早まった。ヒット商品ROLANDのVS-880はどうもルックス的に頂けなさ過ぎるし、zipだと容量的に絶対足りないことはわかりきっていたのでイマイチだと思っていた所、AKAIが挑んできた。12tr、jaz内蔵で。8trより多いし(速攻ROLANDも黙っちゃいないって感じで16trを出したが)、jazだとzipの10倍(1GB)でしかも内蔵となれば別途でドライヴを買う必要もない。条件を満たしたというわけで購入したが、HDRと言えども使い勝手は昔のMTRと変わらなく(基本は)面倒であった。実はオールインワン以来、同期して且つトラック数を考えてレコーダーに録音というのは避けてきたのである。「Again」「FA」「circuit’72」はすべてレコーダーというのを一切使用していない。各々の機器を繋いで音色を割り当てエフェクトも設定して(よってエフェクト搭載を好む)シーケンスを組み、ポン出しで完成型が演奏される手法(勿論この手法が常に完璧とは思っていないが)をとってきたので、ここへ来てまた昔のMTRのやり方に戻った気がしてイヤーになった。勿論それは買う前からわかることだが、HDR編集のためなら止むを得ないと思った。が、そのHDR編集もこのDPS12では面倒だということがわかった。というのも同時にMACで波形編集することを覚えてしまって、後には戻れなくなったため。所詮マウス操作には勝てないのである。これでHDRはMACでやるしかないなと覚悟を決めた次第。で、DPS12は置き去りになったわけだが、デジタル入出力やミキサー部分は機能として使える余地を残している。jazは1GBで1枚¥13000位する。リムーバブルとしては最高のメディアだが、普及しないので値は下がらず…。

//EFFECTOR//

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ZOOM : Studio1204
単体でエフェクターというのはこれだけ。既に説明の通り、殆どエフェクター内蔵のものばかりで必要なかったので。各機器の内蔵エフェクターも意外にバカに出来なく、単体で出ているものより優れている点(ディレイタイムが長く設定出来る等)が多い。大抵はそれで足りてしまうものだが、これを買った理由はボコーダー機能にひかれて。結果ボコーダー機能はよくわからない感じ。いわゆるって効果は出ないように思う。安価なのでしょうがないが。しかし通常のエフェクトはチープという意味で良く言えばアナログ的な感触を出していて、「circuit’72」ではSH-101にかけてみた。モノで。そういう手軽な感じで使っている。あとたまにクラブでライヴをやる際にちょっと必要かなと思って買ったみた理由もあるが…。ちなみに「Again」ではmixdownの際に人からSONYのHR-MP5を借りたが、これがなかなか使いやすく、結構多用した。が、自分で購入には至らず。

//MIXER//

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YAMAHA : ProMix 01
Again」がリリースされた当初に購入したので、当然「Again」では使っていない。「FA」から使用。何でデジタルミキサーにしたかというと、デジタル出力から直でDAT(DATマスターをベストな状態で録音するため)に繋ぎたかったのと曲ごとのシーンメモリが出来るという点(複数の曲をとっかえひっかえ作業したいため)、それにマルチエフェクター2系統+コンプ3系統にひかれた。自宅録音で使えるようなタイプでは当時これ位しかなかったので迷う余地はなかった。当然MIDIによるオートメイションミキシングも可能だが、説明書を読んですぐ諦めた。デジタル出力の利点はやはり大きく、ミキサー上のピークとDAT上のピークが一致しているので、録音時のレベル調整が不要。これだけで相当楽になった。音も当然余計なノイズなど生じずクリア。DATのレベル調整は面倒で、オーバーする度にmargin resetを押さなければならなかったが、デジタルで繋ぐとメーターは最高の位置で止まったまま。後は音が割れるまで上げられる。エフェクターとコンプが別系統なのも基本的なことなのだが、価格の割に大変有難いことだった。EQがつまみではない点は使いずらいし、ミュートやソロボタンが普通についていないのでミキサーとしての使い勝手はアナログの方がいいことは事実。あとシーンメモリの数だけユーザーエフェクトを設定出来ないのが痛い。デジタル出力がコアキシャルで入力はなし。HDRやADATには対応出来ない感じ。今までのシステムでは使い勝手が良かったが、近々HDRに移行するにあたって残念ながら引退を宣告せねばならないだろう。

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SOUND CRAFT : Spirit Folio 18.2si
Pro Mix以前に使用。ヒット商品のMACKIEは予算の都合で買えず。「Again」はこれで制作。キーボードミキサーといった方が無難だろう。主にステレオ入力8系統、モノ(マイク入力可)が2系統といった構成。EQの効きだけはMACKIEに勝った気がしたが、音が若干細い印象。またミュートやソロボタンがついていないので、テクノやダブのプロダクションには向いていない。現在では10万を切ったミキサーでもミュートやソロがついているのが当り前だが、当時はなかった。こういう経緯もあってループを組んでミキサーで構成を作る等のやり方は通常殆どやらず。シーケンサーの方ですべてそのような効果さえもプログラムしてしまうやり方が今だに基本。別にそういうやり方を否定しているわけではないが、後々に記録出来るものではないので、どうもそれはそれとしてという考えに。自分が気ままにミキシングした過程のすべてがそのまま曲データとして記録出来るようなシステムがあればどんどんやっていきたいのだが。Pro Mix購入後に役目が終わったが、本体が恐ろしく軽く、持ち運びには便利なのでライヴ等のシステムで必要あらばという感じで一応処分はしていない。

//MIDI INTERFACE//

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MARK OF THE UNICORN : MIDI Express
Again」の時はまだmacmanだった。これはマルチではなく、繋いだ楽器すべてのchが共通。1in3out。共通なのをいいことにT3とSCを混ぜた音色をよく作って使っていた(ミュートしないと必然的に両方鳴る)。で、macmanだとch数が限られてくるのでいくら何でも買い換え。金を惜しんでMIDI TimePieceではなく1ランク下のExpressを購入。当時はこのどっちかを(MOTUユーザーなら)選ぶ状態。今は安くてしかも同等以上のものがある。しょうがないが。4in6out。要は楽器の数に対して足りるか足りないかだが、各々すべてin&outに繋ぐ必要がなければ問題ないだろう。足りない時はどれかをthruに繋いでしまえばいい。たまにマスター鍵盤からの入力が効かない時があって、そういう時はpanicを押しながら電源を入れ直している。

//COMPUTER = Macintosh//

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APPLE : Power Macintosh 7600/200
PowerMAC6300/120から98年5月に買い換え。いずれはHDRのためにPCIボード付のを買わないといけないとのことで。あと7600の音声入出力と映像入力にひかれて。最悪、G3のボードに取り替えられるという点も大きかったが、実際にはG3をそのまま買い換えた方がいいだろう。ということでG3の速さを知ってしまえば、この604e/200も特に意味ない。しかし6300を使っているよりは全然マシである。で、現在主に使っている音楽ソフトがOS8に対応してないものばかりなのも困った問題。メモリは96MB。もはや物足りない。とりあえずこれでHDRを始める予定ではある。で、G3を買えるのはいつの日か…。

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APPLE : ColorClassicII
94年頃に最初に買ったMAC。勿論最初からMACしか目に入ってない。当時出たばかりで一番安いとのことで購入。古き良き形のMACとしては最後のモデルだろう。音楽で使うことしか考えてなかったため、Performerを買うまでは殆ど何もしなかったといってもいい。「Again」はこれで作った。で、8MBで160HDでも全然足りた。漢字TALK7.1。その後インターネットをやるために6300に買い換え。現在、メールソフトは入れられるので非常用として押入にしまってある。これに付属のキーボードは色つき林檎マークのもの。現在でもこれを喜んで使用(「かな」「英数」とか書いてなくて配列もよい)。

//SOFT WARE//

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MARK OF THE UNICORN : Performer5.04J
最初に買った時は4.いくつかなんかで白黒だったが、既に5(カラー)にupされるとのことだったので、急いで使う必要もなかったし、それを待った。そしてupされたはいいが、日本語マニュアルが出るまで半年位(今では考えられないかも)かかった。だからその時はMacintoshを横目にT3のシーケンサーでサンプラーを同期させていた。今だったらマニュアルも何も関係ないが、如何せん初めてだったので(結局熟読はしなかったが)。Performerの使い始めに作ったのはSUNSHOWERのremix等。それからずっとPerformerに慣れ親しんでいるので他のソフトを検討したことはない。OMS対応のソフトが多いので不利な気もするが、他のは見てもひかれないのでしょうがない。5.5にヴァージョンアップされてからディスプレイが変わりうざったくなった。青いブロックでも個人的には問題なかったのだが。で、以前5.04のままである。せめて古いモードにも切り替えが出来ればいいのだが。あと5.5になってから極度に重くなった。必要のない機能が増えただけ。今後はHDRのためにDigitalPerformerを使う予定だが、5.04の軽さも惜しい。

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MACROMEDIA : SoundEdit 16 version2
AKAIサンプラーを購入してから漸く本格的に使い始めた。「circuit’72」で使っているが、その時はversion1でちょっと使いにくかった。MP3以降はversion2になって(必要のないAppleScriptを入れないと起動しないのがネックだが)俄然メインに。とにかく何でも来い状態で、あるゆる音をこれでeditしている。使いやすい。PEAKはちょっと重すぎるし、操作性も気に喰わなく使っていない。波形をマウスでeditはこれから始めたが、これをやってしまうとDPS12のような機材では何もしたくなくなる。基本的にはAKAIからSCSI転送したsampleをAIFFにして、これで加工してから必要あらばReCycle!へ行く流れ。CDR制作の際にも非常に役立つ、現在無くてはならない存在。

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STEINBERG : ReCycle!1.6
話題のソフト。最初はこんなのいらねーよとか思っていたが…(自力で切っていたから)。使うようになったのはごく最近。「circuit’72」でも殆どbreakbeatsのtempoを調べる位だったか。所詮メインのENSONIQには転送出来ないし、AKAIとセットという印象(特に切る用途でなくてもprogramを勝手に作ってくれるのでとにかく転送)なのでそんなに重要って感じでもない。あれば勿論便利だが、結局オートでは切りたいとこで切れなかったりするので、AKAIのためと個人的には言わざるを得ない。breakbeatsを細かく切ってそのままループさせることは絶対になく、ただネタを鍵盤にほおり込むだけのために切る。

//MONITOR SPEAKER//

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TEAC : S-500
何のことはない、ただのステレオに繋いであるスピーカー。当方予算の都合で別途に機材用のアンプとモニタは所持していない。勿論将来的にはそれも組まないとならないわけだが…。ミキサーのステレオ出力(アナログ)をアンプの’LINE’に繋ぐか、ProMixからはDATにデジタルで直(DATを録音スタンバイの状態にして聴く)というスタイルに。特にこのメーカーのこのスピーカーというこだわりで選んだものではないが、普段からCD他すべての音源をこれで聴いているので、音楽制作時も既成のCDと同じクオリティで聴こえるようにミキシングを施すというのが基本。モニタといえばYAMAHAのNS-10Mとかが有名だが、自分の印象ではああいうのは分離が良すぎて、かえって音作りが甘くなるという懸念もある。レンジ面で今のスピーカーでは限界があるのは確かだが、仮にNS-10Mやさらにグレイドの高いスピーカーで調整しても最終的に通常の人が聴くのはそんなにいいモニタじゃなかったりするから、とりあえずだが、現在使っているようなモニタでレンジを出していくのも悪くはない。かえってそんなモニタでグレイドの高いものを作った日にはNS-10Mで聴くともっとよく聴こえる…はずだ。

//AUDIO DECK//

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SONY : DTC-57ES (DAT)
とりあえず欠かせないデジタルオーディオ機器を2つ。購入したのは周りではウオークマンタイプが多かったが、中古でたまたま見つけたデッキタイプを。まだ44.1kHzアナログ録音が出来ない仕様(後々これがマスター制作の際、痛いとこになるのだが)のもの。最初はカセット音源をダビングしたりCDを録音してたりしていた。が、度重なるデジタルエラーのおかげで「貴方の音源を一生大事に出来ます」というフレコミも全く通用しないと気付く。カセットだとせいぜい音がこもるとかその程度の劣下だが、DATの場合はエラーになると音が飛んだりピーガーとかいった音が生じて聴けるものではなくなってしまう。テープ頭に30秒以上無録音部分を作った方がいいとか湿気やカビに弱い等、非常にデリケートなメディアだ。巻きもどし等の操作もカセットより速いとは言え、使い勝手はMDが出た瞬間に改めて所詮はカセットと思い知らされる。「Again」の時はミキサーがアナログだったので48kHzアナログでマスター制作。44.1kHzデジタル(或いはアナログ)で録音しておけばマスタリング時にコンヴァートする必要がないので、そこに悔いが残った。そして、ProMix導入でデジタル録音が可能になってもProMixはcoaxial(48kHz)なので、「FA」も結局コンヴァートを要した。気にする程のことではないとの話もあるが。MDを買ってからはProMixから入力するために使うか(D/Aコンヴァータの役目)、74分以上の録音(ラジオなど)が必要な時等、使用する必然性が極度に狭まる。肝心のマスター制作もCD-Rの登場によって、その役目も終わろうとしている。DATは今では何の利点(業務用途を除いて)があるのかわからん。ビデオのベータ同様業務用機器となったか。普通の人にはアピール度があまりにない。

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SONY : MDS-JE700 (MD)
最初に登場した時はかなり眉ツバもので、DATより音の悪いものを何故出すのか(独自の圧縮方式をとっていて同じ44.1kHzといえども、そのレンジはDATより劣る)不快だった。が、音がMDより良いのと74分以上録音という以外に何の取り柄もなくなった不憫なDATに対して編集が出来る点は何よりも捨て難い魅力であった。カセット以来、途中に入れた曲の削除や入れ替えなど、長年の夢がついに実現出来たという感じ。これなら普通の人にもアピール度が高い。DATやカセットに比べて明らかに出来ることが増え、理想的な使い勝手である。録音もポーズを解除した瞬間に音が入り、曲間0秒も作成可能。実に自由度が高い。現在もとりあえず録音したい音源等を録音するのに非常に重宝している。部分的に幾らでも編集出来てしまうのでとりあえず録りが出来るのである。これでDATと同じレンジだったら言うことないが…。とは言っても実際に使うまで懸念していた音質も嫌いではなかった。この圧縮具合は何か新鮮だったのである。DATはDATなりのクセがあるわけで専門的なことを考えなければ好みの問題である。「circuit’72」のマスターは以上の点を踏まえてMDで制作することを試みた。曲間等もすべて編集でやってしまえばよいと。しかしMDのままではプレス工場には持っていけないので、CD-R等にしなければならない。当然デジタル同士なのでMDのindex(=ID)がそのままコピーされると思ったが、実は違った。当方の民生機で消したはずのIDが業務用でかけると残っていたりとか(DATでも同様の問題が起こる)でちゃんとコピーは出来なかった。結局、マスタリングスタジオを通さないプレス用マスター作りは業務用機器を購入するか、CD-Rを導入するしかないことが判明した。本機器はoptical入力が2(CD, DPS12)で出力が1(DAT)、coaxial入力(DAT)が1つ。各々のデジタル録音は完璧に。

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LOGITEC : LCW-748 (CD-R)
DAT、MDときたデジタル旅行の最後(?)はCD-Rである。オーディオ機器としてのCD-Rレコーダも出ているが、やはり音源そのものの編集もしたいのでSCSIで繋ぐコンピュータ用を購入。自分の音楽制作にも勿論役立つし、単にリスナーとしても用途は数限りない。DAT、MDとも信用出来なければ最後は何でもCDにしてしまえという時代。今まで所有のカセット、CD、MD、DAT等の音源をCD化可能。レンタルしてきたCDを丸ごと或いは好きな曲だけCDに。CD化されてないアナログレコードもCDに。とにかくカセットだのDATだのMDだのいらないわけである。何でもCDにしてしまえばよい。74分でよければ…。MDやDATよりCDの方がはるかにどこでも聴けるわけだし、1枚200円位とメディアも最も安いから人にあげるのも惜しくない。もうこれをやらない手はないだろう。とのことで、著作権問題も解決、メーカーもいよいよ本格的に動き出した。

記:1998年9月8日

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