NANA MIZUKI LIVE HEROES 2023 BLADE MODE 感想

『RADWIMPSのファンで前前前世が1番好きなやつなんていないから』
四千頭身の漫才のこのツッコミが秀逸で好きなんです。なんらかのファン歴が長い人なら心当たりがあると思うが、誰しも自分の推し曲があるのに所謂人気曲や定番曲ばかりフューチャーされて少しうんざりしてしまう、なんて経験があるんじゃなかろうか。

今回のBLADE MODEはまさしくそれで、ライブを盛り上げる激アツシンフォギア曲ばかり集めたら流石に胃もたれするのでは?という心配は少なからずあった。しかし先に結論だけ言ってしまうと、結局チーム水樹にしてやられる訳なのだが。

開幕のシンフォギア曲3連発は11月のシンフォギアライブを彷彿とさせた。あの時も傑物だと思ったが、今回も最初から圧巻だった。FINAL COMMANDERはまるで昨今流行りの2番最強打者論。私はExterminateを頭か本編ラストと予想していたのだが、3曲目に置いたことで更にライブを加速させたと思う。

ところがなんとここからシンフォギアとはしばらくお別れとなる。嘆きの華やHeart-shaped chantは完全に想定外でつい昂ぶってしまう。
チェリボコーナーやチームヨーダ紹介を挟みつつライブは進む。今回からチェリーボーイズに参加となったシタランティーノこと設楽さんだが、また新しい力が色々な音を生み出してくれたなと感じた。音楽にあまり詳しくないのでボロが出ないように多くは語らないが、所々でこんなアレンジが!?と思う箇所があった。

ライブは進みブリッジムービーを挟んで圧巻のフライングから本編最後のMCへと向かう。そうそうこういうのが聞きたかったんだよ、と思いながら自分の中で欲望が溜まっていくことにはまだ気付かない。それが爆発したのはMC明けのVitalizationのイントロだった。

BLADE MODEと聞いてきたのだから当然ブチ上がりたい欲求があった。それが長い時間かけて溜まっていたのだから高まらないはずがない。正直そこからの4曲は記憶がない。途中革命デュアリズムを挟んだのもずるかった。声を出せないフラストレーションは両足とペンライトに込めた。気付けばMCも挟まず舞台をはけた奈々さんの姿があった。とりあえず1回燃え尽きた僕が絞り出せたのは一言だけ。
『ズルいわ…』

アンコール最初の2曲は2日間共通だった。今回のテーマではライブ定番の応援曲は採用しづらかったかも知れないが、納得の選曲だった。特にPOP MASTERの『誰もが歴史刻むただ一つの存在 SUPER STAR』という歌詞は奈々さんの最後のMCを思い出すと刺さり過ぎて辛い。

ラス前のCrystal Letterも予想外だった。今更だが『私は笑えるから笑ってくれませんか』って歌詞やばくないですか?オタクが漏れ出ましたがWILD ARMSやってないので出直してきます。

本編ラストでSynchrogazerが使われた後、アンラスはGet Up!Shout!じゃないかと予想していた。主人公が剣を使うし、曲のパワーとしても文句なしだな、と。しかし結局のところ見誤っていたのだ、Glorious Breakの底力を。
壮大な前奏の中花道を歩く奈々さん。以前搭乗していたGALAXY7はそこにいないが、本人の存在感だけでそれ以上だ。その姿はまさしくHERO、いや彼女の表現を借りるのならば周りで心の声援を送っている名もなき我々こそがHEROたらしめているのだ。そんな妄想に浸る贅沢な1分間の後に歌われたこの曲は最高の2日間を締めくくるに相応しいものだった。

最終的には定番曲の力に圧殺された訳だが、それもこれもチーム水樹の表現力があったこそ。だからこの人のライブには何度でも来たいと思う。明日を生きる理由になるのだ。夏のツアーはどうやってこの大きすぎる期待を上回ってくれるのだろうか。また半年間頑張って生きていきたい。

P.S.ここに来て状況も大きく変わってきたので、今度こそ久々に大声を出したいですね〜待ってろ夏ツアー!


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