短編小説🍸映画BARローマの休日(7)
きずなで夕食を済ませた後、お目当てのローマの休日へ向かった。歩いて3分という近さだ。外から店内を覗き見ると、ちょうどマスターのとっきーがこちらを見ていた。
ドアを開けて店に入る。
「いらっしゃいませ。今月はよく来てくださって嬉しいです。」
とっきーの一言に少し照れる。
「この時間は2人っきりになれるからいいよね。」
と彼女がこそっと耳打ちしてくる。恥ずかしいからやめてほしい。とっきーもいるというのに…。
「消毒だけ、まだ念の為お願いします。」
と、とっきーが指差したのは、映画スターウォーズに出てくるトゥームスリーパーの形をした映画BARらしい消毒の機械だ。
「ほんと、とっきーってオタクだよね。」
と彼女が笑いながら消毒液を手に噴射する。
「そんなオタクなBARにお2人だって通ってるんだから、同じですよ。」
ととっきーも軽口を叩く。こんなやり取りがホッとさせる。何度来ても良いBARだ。
「さて、ビールを。」
と何気なく頼むと、彼女が、またそれか!と大笑いした。
(8)へつづく。
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