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短編小説🍸映画BARローマの休日(17)最終話

気付けば夜10時を過ぎていた。いつの間にか店はいっぱいになっており、はるかの姿はなかった。僕の目の前には、いつ頼んだか分からない青いカクテルが置かれていた。

「はるかさんなら、もう帰られましたよ。」

マスターのとっきーに優しく声をかけられた。不覚にも、少し眠ってしまっていたようだ。恥ずかしい限りである。

まどろみの中、ぼーっと彼女のことを思い出す。

ゆき、いやはるかとは3度も関係を持ったが、まるで雲のような摑みどころのない女だった。結局、あのことは許す、という意味なのだろうか、最後までわからなかった。

カクテルをすすりながら物思いにふけっていると、とっきーが話しかけてきた。

「はるかさんからお手紙を預かっています。」

渡されたのは、紅の豚が描かれた小さなカードだった。そこにはキレイな女性らしい文字でこう書かれていた。

〚映画BARローマの休日でまた会いましょう〛

読み終えた時、とっきーがクスッと笑った気がした。




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読んでいただきありがとうございました!
これにて短編小説🍸映画BARローマの休日はおしまいとなります。
この小説は、実際に岡山の奉還町にある映画BARローマの休日を応援するために書き上げました。
小説内に出てくるカクテルも一部実在しますので、是非頼んでみてください!
それでは皆様、本当にありがとうございました!

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