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読んだ本のこと

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子供の頃苦手だった「読書感想文」のリヴェンジです。
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2021年11月の記事一覧

マハじゃない、美術ミステリー

マハじゃない、美術ミステリー

 実は原田マハ以外の美術ものも一作読んでいました。それがたいそう面白かったのです。ケリー・ジョーンズ著『七番目のユニコーン』(訳:松井みどり)です。原題もそのまま <The Seventh Unicorn> です。

6枚の「一角獣と貴婦人」 おそらく(特に中世の)美術に詳しい人なら、「七番目のユニコーン」という題名を見ただけで「はは~ん」と小説のテーマが読めてしまうんじゃないかと心配しました。そ

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読んではいけない

読んではいけない

 万が一、今この記事を読んでいて「私も原田マハ読んでみようかな~」と思っている「マハ未経験者」がいたら、いやもしいたらですよ、この「いちまいの絵~生きているうちに見るべき名画~」から読んではいけません。

ありがちな題名 昨今「生きてるうちに(または死ぬまでに)○○すべき○○」というタイトルが乱発されています。「見るべき絶景」「観るべき映画」「食べるべきピッツァ(?)」「入るべき温泉」等々なんでも

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楽園から地獄へ

楽園から地獄へ

「楽園のカンヴァス」に続いて「暗幕のゲルニカ」を読みました。美術の素人が原田マハにハマっています。

章の日付はちゃんと頭に入れて 「楽園のカンヴァス」と同様、過去と現在が交互に登場しながら物語が進行し、最後にはつながっていきます。そして過去と現在、その両方に生きて登場する人物が一人だけいるのも「楽園…」と同じです。(正確には「楽園…」の方は三つの時代で構成されています)

 主人公は今回も日本人

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