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「君」と一緒に、今から世界旅行する方法(1/3)

「君」という漢字を分解すると「コロナ」になる、というのは有名な話だ。

今回は、そんなコロナ君と一緒に、家族で世界旅行した時のことを。

はじまりは、おじゃんで

自粛要請、緊急事態宣言といった物々しい言葉が行き交うこのご時世。我が家も例に漏れず、待ちに待った家族旅行は泣く泣くキャンセルすることに。

富士山が大好きな母が調べに調べを重ね、やっと見つけた最高のホテル。「みんなで旅行なんていつぶりだろうね〜〜!楽しみだね〜!!」とはしゃいでいた私たちの旅は、コロナの猛威により、あえなくおじゃんとなったのでした。

半世紀生きた、母の誕生日に

そんな中、コロナでも変わらず仕事を頑張る母の、50歳の誕生日がやってくる。

旅行も行けなくなっちゃったし、今年は節目の年だから盛大に祝いたいよなあ、どうしようかねえ・・と妹たち(次女&三女)と考えていましたが。

はっきり言います。

サプライズのネタ、尽きちゃってますねん!!!!

昔から、誕生日には「起きたら部屋の飾り付けしてある!」とか「アルバムつくる!」とかノリノリでやっちゃう家なので、ある程度のネタは既出。もちろんそれでも喜んでくれるとは思うんだけど、せっかく時間もあることだし、感動で泣かせるくらいしてやろうじゃないか。

いろいろ考えましたが、行けなくなった旅行を復活させるのが一番嬉しいんじゃないかと思い、この線で進めることに。

にしし・・と頬をゆるませながらの計画は順調そのもの。ついにその日がやってきます。

そうして私たち3姉妹は、大好きな母と、コロナによる”制限”も引き連れて、サプライズ世界旅行へと旅立つのでありました。

旅の手帖0: 宅急便がやってくる

午後2時:「ピンポーン」

何か荷物が届いた。宅配業者の格好をした次女だ。母が荷物を受け取りに行くのが自然になるような絶妙なタイミング。滑り出しはうまくいった!

箱の中には「旅のしおり」「バスタオル」
状況は読み込めてないけど何だか嬉しそうな母に、こっちがウルッとしながらも

(ふふ・・こっからが本番だ)

とテセウスの船でいうミキオ顔負けの心情で、次の作戦を始めます。

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旅の手帖1: ディズニーランドは夢の叶う場所

実はこの日の朝、世界旅行の計画がバレないように、ダミーを仕掛けていました。「朝起きたらリビング装飾してある」「おめでとう〜〜!と仰々しく祝う」などをしておくことで、本サプライズの成功度はグッと上がります。

その努力が功を成し、母はサッパリ意味わかんない、というような顔で次の展開を待っていました。しめしめ。

最初の指令は「次女とキャラメルポップコーン作っておいて」(次の準備の時間稼ぎ)

キャラメルポップコーンといえば何を思い出しますか。はい、満場一致でディズニーランド。というわけで、嗅覚から夢の国にお連れしました。

なぜ夢の国なのか。というのも、三女が所属する中学の吹奏楽部が、ディズニーで演奏できる予定だったのです(コロナがなければ)。発表会と名の付くものの類は、ほぼ必ず見にきてくれている母は酷く悲しみました。じゃあ、今回の目的地にディズニーは外せないよね!となった次第です。

実は次女も、三女と同じ吹奏楽部出身でディズニー演奏経験者でした。部活の衣装も2人分あるし、youたち演奏しちゃいなよ!というのがこの夢の国でのメインサプライズ。

そのダミーとして(またかよ)、制作したのが「モアナ と伝説の海」の完コピムービー。我が家ではモアナ と呼ばれることのある私と、マウイ感あふれる次女と、その他大勢を全て三女が引き受け、主要3曲の映像完コピしました。音も後付け、サウンドエフェクトやロゴなどもきっちり埋め込み、我が家の家宝となるくらい(?)の超大作が出来上がりました。(演技のクオリティはご愛嬌、パッションは屋良。)

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少なくとも内輪では腹抱えて笑える作品ができたので、ポップコーン片手に上映。その隙に妹たちは衣装に着替えます。

しっかり笑っていただいたところで、見覚えのある衣装に身を包んだ2人が華麗に登場。母は驚きを隠せない様子。今日のために次女が編曲した「A Whole New World」をトロンボーンとバリトンサックスで吹き鳴らします。いやあ、圧巻。二曲目はあの氷結のCMのやつ。

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ぱっと母を見ると、もう大号泣(笑)ありがとう、やりがいがあるよ。

演奏が終わったらサクっと退場するはずが、4回もアンコールをいただき、ディズニーランドは大満喫しましたとさ。

旅の手帖2: 常夏の島・ハワイ

ディズニーキャラクターのカチューシャを外して、ありったけのディズニーグッズで飾り付けたこども部屋を後にし、次に向かったのは常夏の島・ワイハー。(という設定の寝室)

私が大学でフラをやっていたのもあり、ハワイアンソングがよくかかる我が家。特に母はハワイの雰囲気が大好きで、疲れた体を癒すのにはぴったりだ!とハワイを次の目的地にしました。メニューは、たっぷりのハワイアンソングとアロママッサージ。

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ここで大活躍したのが三女です。演奏が終わってすぐに寝室でアロマを焚き、ダンボールや豆乳パックで作ったヤシの木を飾り、専用リゾートを用意してくれていました。

ちなみに最初に渡した旅のしおりには、目的地ごとにチケットが挟まれていて、チケットを見せれば次の場所に行けるという仕組み。実はそれも全て三女の所業!ハワイはもちろん、海外パスポート付きでした。

そんなこだわりの詰まった世界旅行の2つ目の目的地・ハワイで、私がアロマティシャンを気取りながらマッサージをします。母はさっきまでの時間をずーっと噛み締めていて、不覚にも私が泣いてしまいそうになりましたが、その間にも、次女と三女はまた次の作戦に取り掛かっているのでした。


次回予告

思いがけず文字量が多くなってしまったので、くだらない内容にも関わらず記事を分けます。すみませんw

(次回以降の見出しはこちら)

旅の手帖3: 山梨でイチゴ狩りと温泉を
旅の手帖4: クリエイティブな熱海
旅の手帖5: フレンチのコースを召し上がれ
旅の手帖6: 帰るまでが遠足
旅の手帖7: Home sweet home
君たちとなら、どこへでもいけそうな気がする。



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