まだ絵のない絵本【なまえ】
【なまえ】
あなたの名前を決めたときママとパパはうれしかった。
ぼくわたしはうまれたよーっていっぱい泣いてたね。
ママパパは嬉しさと安心感でいっぱい。
そしてあなたがおじいちゃん、おばあちゃんになってもママたちが決めたなまえをよばれるんだ。
なんだか嬉しくて誇らしい気分になるね。
あなたがベッドで寝ているときそのちいさなちいさな手のひらにパパの指を握らせて大きな力を感じたことが今も忘れられない。
あなたが夜泣くたびにママはね、眠たい目をこすりながら毎日起きて大変だったんだよ。
パパは全く起きれなくて怒られたけどね。
あなたは覚えてないだろうけど抱っこをして散歩にいくとあなたはおおきい雲やちょうちょをゆびさしてあーあーってお話ししてくれたね。
ごはんのときはいつもテーブルと床がべちゃべちゃ。
わるさとイヤイヤ期でママはくたくた。
でもねあなたを抱きしめるといつも幸せな気持ちになる。
あなたにはね、素敵ななまえがあるんだよ。
笑っている時、泣いている時、怒っている時どんなときでもあなたのなまえをよぶ。
いつしか大きく成長したあなたを抱っこすることができなくなった。
家族との時間がいつしか友達との時間に変わっていった。
そんな時もあなたの名前をよぶんだよ。
あの時生まれたときのこと、そしてあなたのなまえを決めたこと。
ママパパにとってこれほどにない最高のプレゼントなんだ。
いっぱい笑っている時もあなたが泣いている時はそばにいるから。
危ない時はしっかり守ってあげるからね。
だからどうか。
パパはあなたを見ている。
だけどあなたにはパパの姿は見えていない。
そしてパパの記憶もない。
わかってる。わかってるけど。
でもね。それでいいんだ。
たったひとつだけ
【笑って笑っていっぱいいっぱい幸せを感じてね】
ちいさかったあの頃のあなたの手が、今は大きくて、力強くておともだちを幸せにすることができるヒーローの手なんだ。
パパは今もなまえを呼んでいるからね。
親が子どもたちに。
親がぼくたちに。
ぼくたちが周りの人たちやパートナーに。
願いや想いや意味がある僕たちの【なまえ】を今まで何回呼んでくれたのか。
実はこれほど幸せなことはないんじゃないかと思う。
この絵本はある日に天国に行ってしまったパパが家族や子どもたちをいつも見守りながらこれまでのストーリーを話している。
その声は届かないけど名前の大きな意味。
子ども達を抱きしめて名前を呼んだときに色々な気持ちから涙が出てきた。
子ども達にはバレないように。
そしてこれを読んでくださった方。
子どもを抱きしめてください。そしてなまえを呼んでください。
パートナー、親、友達には名前を呼んで感謝の言葉を伝えてくださいね。
きっとみんなが喜んでくれます。
必ず。
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