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わたしの本棚

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わたしが読んできた本の感想をまとめています。週1〜2回の更新です📚本好きの方、小説をよく読まれる方、ぜひ覗いてみてください♪
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#朝井リョウ

読書|何者

何年か前の就職活動の記憶がヒリヒリを思い出される。あの頃の胸の痛みは、まだまだ健在だ。 就職活動を控えた5名が集まるアパートの一室は、同志のように見えて、全員自分の胸の内は隠しているような緊迫感がありました。 ここぞとばかりに経歴を熱く語る理香や、個性で就職活動からはみ出そうとする隆良は、確かに痛く感じるものがあります。 特に、失敗を自分のものと認めたくないがために、人には夢語りを気持ちよくする隆良は、見ていてモヤモヤする部分が。 ぐはっ。自分にも朝井リョウの言葉が刺

読書|何様

「何者」を読了したのは何年前だろう。すっかり内容を忘れてしまったのに、今回「何様」を手に取りました。 「何者」の前提知識が薄れていても十分楽しめました。全6章立てで、毎晩2章ずつ朝井リョウさんの世界に飛び込みます。3日間連続、頭を使う夢を見ていたので、色々と考えさせられる読書体験をしていたんだと思いました。 私が一番心に響いた章は「むしゃくしゃしてやったと言ってみたかった」です。 やんちゃな妹と正反対の正美は、親からもご近所さんからもいい子ね〜と笑顔を向けられていました

読書|武道館

何度もアイドルを推してきました。小学生時代の°C-uteから始まり、嵐や乃木坂46、King & Princeとその時その時で愛情たっぷり応援しています。 朝井リョウさんの描くアイドルは、いろんな性格の子を網羅しているように感じました。歌や踊りがとにかく大好きな子。アイドルであることに誇り高い子。今の自分のポジションに冷静かつ客観的な子。 架空な登場人物だけど、私の目に映っているテレビのあの子かもしれない、そんな感覚で読み進めていました。 本書の中心である「NEXT Y

読書|死にがいを求めて生きているの

読書の時間は、その世界に没頭できるから大好きです。 自分じゃ考えもつかないストーリーに、身近にいないようでいるような人々が住んでいて、その生活の一部を覗き見てる気分になります。 「死にがいを求めて生きているの」 中学の頃、私は吹奏楽部に所属していました。3年生で部長だった私は、ホール練習や外の本番のたびに行われる楽器の運搬をとても頑張っていたんですね。 運搬が早い学校は、音楽も上手い! なんて顧問の先生に煽てられていた覚えがあります。吹奏楽部あるあるなのかな? 素