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「ハロー、バネー」アリス

「アリス」

初公開日┊1989年 公開時間┊1時間25分 監督┊ヤン・シュヴァンクマイエル 主演女優┊クリスティーナ・コホウトヴァー

ルイスキャロル作の「不思議の国のアリス」を題材に制作されたのがこの「アリス」です。ディズニー映画の「不思議の国のアリス」とはまた一味違った独特な世界観で描かれています。

〇感想(多少ネタバレ)○

これは……ヤバイ。不思議の国のアリスに関してはディズニーの映画しか知らなかったんですけど、これは、ヤバイですね。

なにがヤバイのかというと、まずは世界観。出てくるものが全て身近にあるもので表現されています。
例えばそれは土だったり、空き瓶だったり、靴下だったり。小学校の理科の教室にありそうなものだったり、玩具のケーキだったり。エトセトラエトセトラ。
しっとりと少女の声で紡がれるナレーション。静かに、けれど着実に進んでいく物語はぐいぐいと引き込まれるものがありました。私自身があまり映画を見ないということもあるんだと思うんですけど、この映画はなかなかに独特だなぁと思った次第です。少女の視点が伸びたり縮んだり、カチャカチャと小さな音がいきなりズームアップして聞こえたりと、映像から音楽から不思議な世界観に引きずり込まれていきました。

そして、なんと言っても耳に残るのはアリスがウサギに話しかける『ハロー、バネー』(こんにちは、ウサギさん)
バネーは、『バニー』がやや訛った形なのでしょうか(間違ってたら申し訳ありません💦)
アリスの何度も何度も呼びかける声にウサギは耳も傾けない。視聴者である私たちの耳には永遠にこびりつく。なんだかおかしな話だと思ってしまったのは私だけではないはず!

○ちょっとした考察(大いにネタバレ)○

不思議のアリス症候群という言葉をご存知でしょうか?
これは知覚された外界のものの大きさや、自分の体の大きさが通常とは異なって感じられることと、様々な主観的なイメージの変容を引き起こす症候群みたいです。(引用¦ウィキペディア)

つまり、自分の見ているものが現実のものとすこし違う風に見えるわけですけど、これをこの映画では体験させてもらってるように思えて仕方がないんです。
身近な物でセットされた小道具、奇怪な動物やトランプの人間達に動じないアリス。もしかして今見ているものは全部錯覚なのでは無いのか……?少しだけ、ほんの少しだけそう思ってしまいました。

○まとめ○

本当に不思議な世界に引きずり込まれる「アリス」
ディズニーのアリスしか知らない!そんなあなたは1度この映画を見てみてはいかがでしょうか?
必ず、原作の本が読みたくなってくること間違いなし!!私もそうです!!
本当の「不思議の国のアリス」をぜひぜひ体験してください。

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