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【ネタバレ注意】MAMA『最凶のメリバ』

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MAMA

劇場公開日:2014年5月17日 公開時間:1時間40分 スペイン、カナダ合作

監督:アンディ・ムスキエティ 主演女優:ジェシカ・チャステイン

※この文章はほとんどがネタバレ&考察で構成されています。ご注意ください!

ざっくりしたあらすじ

妻を殺害した夫は捕まりたくないがために娘二人をつれて逃げようとする。娘を連れて逃げている最中に怪しげな家に迷い込んでしまい、そこに住み着いていたモノ(MAMA)に父親は殺されてしまう。残された娘たちはそのモノと共に五年の月日を過ごすのであった。

五年後、父親の弟が娘たちを発見する。精神が不安定な状態のため引き取るのは難しい。なんとかして引き取るために心理研究家の提供した家で彼と、彼の恋人、そして娘たちと共同生活を始めることになるが、そこであの家に住みついていたモノもついてきてしまい、モノの正体が明かされることになるのだった。


MAMAのここがヤバイ

映像美、生々しさはホラー映画特有のおどろおどろしさがあってずっと引き込まれていました。個人的にはじわじわくるホラーだと思っていたので終盤にたたみかけてくる勢いのある痛みを伴うシーンやら急に亡霊が近づいてくるシーンは本当に心臓が止まるかと思いました。びっくり系なら最初にそう言ってくれよ……。

まあ、さておき。それよりもそれよりも考えさせられるのはラストシーンです。ホラー映画では王道の悪役の除霊シーンですね。長女はもうMAMAに帰ってほしい(成仏してほしい)のに対して妹の方はMAMAとずっと一緒にいたいと思ってしまうんですね。まあ幼少期に五年間も自分をお世話してくれた人ですもん。たとえ異形でも親は親ってことなんでしょうね。MAMAはかつて執着していた赤ん坊の亡骸よりも妹の方を選びます。姉も連れて行こうとするが、彼女は今の家族と暮らしたいと思ったため、MAMAと別れを告げます。妹はMAMAと一緒にいたいと、MAMAに抱きしめられて一緒に崖から落ちてしまいます。

そのときの幸せそうな二人といったら!!

安らかで、愛情にあふれていて、もう、なんというか親子の愛が全面に伝わってくるとでもいうのでしょうか。妹は命を落としてしまったわけですが、死ぬ間際は心の底から幸せそうでした。これはなんでもかんでも生きてればハッピーエンド、助かれば(逃げ切れば)ハッピーエンドではないということを暗にいっているのではないのでしょうか。

タイトルにも書いたメリバというのはメリーバッドエンドの略称で、捉え方によって結末がハッピーエンドかバッドエンドに分かれるエンディングのことを指すのですけど、まさにこのMAMAはそれ!!

妹はなくなってしまったということ自体は残された側としては不幸なことかもしれませんが、妹側としては最愛のMAMAと一緒にいるという意味ではハッピーエンドになるのではないかと。そう思うんですよ。

これはかなり考えさせられるというか、一方の見方に固執するのではないんだぞというのを教えてもらったのではないかなと思います。

それでは!




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