見出し画像

東京トランスマーチ2021 - 2021年11月20日(土)/東京都新宿区

2021年11月20日(土)、東京都新宿区で行われたプライドパレード『東京トランスマーチ2021』の記録

 「国際トランスジェンダー追悼の日」である11月20日にトランスジェンダーの人権・プライドを訴えるためのパレードが日本で初開催された。
 ライトブルー・ピンク・ホワイトの3色からなるトランスカラーの物を身に付けたり、トランスジェンダー旗を掲げたりしながら、約400人が新宿の街を行進した。

 トランスジェンダーとは、性的マイノリティを表す言葉の一つ「LGBT」の「T」で、生まれた時の性別と異なる性別を自認し、自ら自認する性で生きたいと望む人を指す。

【動画】

東京トランスマーチ2021 Tokyo Trans March - 2021.11.20(8分33秒)

【写真】

画像30

 11月20日午後、そびえ立つ東京都庁が目の前に迫る新宿中央公園・水の広場にパレード参加の人々が集まった。


画像16

 今回の東京トランスマーチ2021を開催するために新たに立ち上げられた団体「TGJP(TRANSGENDER JAPAN)」共同代表の浅沼智也さん、畑野とまとさんの話から出発前の集会は始まり、参加者7名がマイクを握った。

主催者挨拶:浅沼智也さん(TGJP 共同代表)
日本初のトランスマーチということで、ご参加いただき本当にありがとうございます。また、トランスマーチ開催に伴い協力していただいた方々、本当にありがとうございます。
本日は『トランスジェンダーの追悼の日』です。この1年で過去最悪となる年、375名のトランスジェンダーの人たちが亡くなりました。望まない形で亡くなったトランスジェンダーの人たちのご冥福をお祈りいたします。
そして、なんとか、生き延びていただいた方々、今日を一緒に迎えることができて本当に嬉しく思います。
マーチをすることを宣言しはじめて、たくさんのご連絡をいただきました。「東京までは行けないけども、開始同時刻にスタンディングをします」と言ってくれた方もいらっしゃいました。
ここにたどり着くまで、周囲のトランス仲間の自殺未遂、自死がありました。その度に僕の一部が失われてきました。
可視化をされれば、攻撃の対象になりやすいです。SNSを中心にトランスジェンダーをバッシングする言葉があふれています。様々な暴力によりトランスジェンダーの人たちは命を落とす危険性があるんです。
私たちは共に生きています。トランスジェンダーがより生きやすい社会になるように、少しでも多くの人たちがトランスジェンダーの味方になり、共に行動をしてくれることを願っています。
本日はみんなで一緒に楽しく歩きましょう。よろしくお願いします。

主催者挨拶:畑野とまとさん(TGJP 共同代表)
今、浅沼から報告があった通り、『トランスジェンダー追悼の日』という、世界中で多くのトランスジェンダーが、トランスジェンダーであるということで、殺されたりしています。
先ほども言った、375名という数字は、あくまでもインターネット上で、ニュースとかのカウントでわかるだけの数字です。現実はもっと多いと言われています。
日本でも多くの人たちが、人に殺されるということは少ないけども、自死を選ぶということが、現状とてもあるのが実態です。とてもじゃないけど、日本もまだまだトランスジェンダーが生きにくいというのが現実です。
今、ツイッターとかを見るとですね、トランスジェンダーに対するバッシング、まるで私たちが犯罪者であるかのような扱いを、すごく与えている人たちがとても多い、それが有名なフェミニズム系の大学教授だったりする人たちまでもが、トランスジェンダーのバッシングを行う、そういう状況があります。
是非ですね、今日は、トランスジェンダーの方、またアライの方々、いろんな多くの方、また、今回ですね、本当にお金がない中、手伝ってくれている多くのスタッフの方、また弁護士の方とか、いろいろいます。本当にみなさんありがとうございます。
是非、トランスジェンダーが、またトランスジェンダーと一緒に歩いてくれる人たちがこんだけいるんだよってこと、アピールできる一日になると嬉しいのでよろしくお願いします。


画像31

三橋順子さん(性社会・文化史研究者)
こういう形で、第一回パレードが行えるまで、実はいろいろ紆余曲折がありまして、本当は去年の3月川崎で開催予定の性同一性障害学会に合わせて、行う予定だったんですけど、それがコロナで開催延期になり、今年の3月もオンライン開催だったんで、やれずに。
ともかく、やりたいんだけど、タイミングがつかめないという状況で、ずっときたんですけども、今日こういう、非常に良いお天気、11月にしたら暖かい、良い状況で、開催できて本当になによりだと思います。
代表のとまとさんと浅沼さん、ありがとうございました。

マダム ボンジュール・ジャンジ(ドラァッグクィーン/akta センター長)
みなさま、こんにちは。マダム ボンジュール・ジャンジと言います。
今日は良いお天気の中、みなさんと一緒に歩けるのすごく嬉しいです。
ご紹介いただいたように、普段HIVの活動をずっとしてきました。で、今日はですね、そのHIVの活動に長年関わってきた人とか、あと様々な立場で活動されてる方、また、この意義に賛同して今回集まってくださった方、いろんな人が一緒に歩けるというのがすごく良いことだなって思います。
トランスジェンダーの人権、尊厳を考える時に、やっぱり差別をこの日本で無くしていくということがすごく大事で、そのためにはここにいるみなさんと連帯して、今日は楽しく歩いていきたいなと思います。
ありがとうございます。


画像32

東海林毅(映画監督)
『片袖の魚』という日本ではじめてトランスジェンダー当事者の俳優を一般公募でオーディションして選んだ短編映画なんですけど、その映画の監督、脚本をやりました東海林毅と申します。
今日は、とまとさん、浅沼さん、みなさんと一緒に歩けて本当に嬉しいです。
映画のほうも今ちょうど、これから全国公開真っ最中という感じで、今日から横浜でも始まるんですけども、まだまだちっちゃな映画なので、みなさんの力で盛り上げていただけると、これからトランスジェンダーの当事者の俳優の人がどんどん表に出やすくなるんじゃないかなと思います。
みなさん、今日は楽しく歩きましょう。
トランスパワー!


画像24

藤原和希さん(label Xラベル・エックス 代表
みなさん、はじめまして。
Xジェンダーですとか、ノンバイナリーのためのコミニティを運営しております、藤原和希と申します。
今、ネットを中心でやってますコミニティで、大体300人くらいおります。
はじめは一参加者として参加させていただく予定だったんですけども、こんな挨拶させていただく時間をいただきましてありがとうございます。
トランスジェンダーとXジェンダーの関係性なんですけども、一説の中では、トランスジェンダーという大きなアンブレラの下にXジェンダー、ノンバイナリーもいるということで、今回、参加させていただくに至りました。
もう少し、少ないのかなと思ったんですけど、みなさん、たくさんいらっしゃってて嬉しいです。今日は楽しみにしております。
今日、みなさん、よろしくお願いいたします。


画像32

清水直子さん(プレカリアートユニオン 執行役員)
トランスマーチの後援をさせていただきました、プレカリアートユニオンという労働組合の執行委員長の清水と申します。
今日はたくさんの方にお集まりいただき、一緒に新宿を歩けることを本当に嬉しく思います。
私たちは労働組合です。みなさんも含めた私たちの生活の多くの方の生活を支えているのは雇用です。雇用が不安定になってしまったら、生活はすぐに脅かされてしまいます。
この間、私たちプレカリアートユニオンは、LGBT労働相談に取り組んできました。SOGIハラをはじめとする、職場の酷い、特にトランスジェンダーの働く仲間に対する問題に取り組んで共に解決をしてきました。
職場で酷いSOGIハラにあい、休職を余儀なくされてしまった労働者の件で交渉して、労災の申請を手伝い、職場復帰を支援し、これから安心して働く職場を一緒に作っていくというようなことにもできています。
働く仲間の中には、たくさんの差別があります。代表的なのは女性差別だと思います。女性であるというだけで、非正規雇用にしか就けないとか、安い賃金にされてしまうという、たくさんの差別を受けて悔しい思いを私も含めた女性はしています。
でも、そんな女性が自分たちが受けている悔しい差別を別のトランス女性の仲間にしてしまう場面があるのを本当に悲しく思っています。
私はすべての女性もトランス女性も、あらゆる働く仲間が安心して働いて、この社会で自分らしく生きていけるように、そんな社会を一緒に実現していきたいと思います。ありがとうございます。
で、そんな思いを込めて、12月12日に「LGBTQs労働相談応援ライブ」というのを開催しますので、チラシをお配りしていますので、もしよろしければ、ご参加ください。
ありがとうございます。


画像33

時枝穂さん(Rainboww Tokyo 北区 代表)
みなさん、こんにちは。時枝と申します。
トランスジェンダー女性で、プライドハウス東京レガシーから今日は来ました。
今日午前中、『追悼の日』ということでイベントがあって、これまでたくさんのトランスジェンダーが殺害されて、そういった人たちの気持ちを私たちも一緒に背負いながら、今日、みなさんと一緒にプライドを掲げて歩きたいと思っております。
今日、みなさん、一緒に、楽しみながらの人は楽しみながら、辛い人は無理せずに、一緒に歩けたらと思ってます。
今日はよろしくお願いします。

松中権さん(特定非営利活動法人グッド・エイジング・エールズ 代表)
みなさん、こんにちは。
今、新宿御苑の駅の近くで、プライドハウス東京レガシーという場所をみんなで運営しています。その団体の一人、代表してます松中権と申します。こんにちは。
本当にこんなに晴れた、こんな日に、みなさんと一緒に、ここの場所を歩けるってこと、すごく楽しみにしております。
僕自身、今、LGBTQ+の活動ってものをやってはいるんですが、でも実は僕自身が自分でゲイだっていうふうに気付いた時とかには、自分以外のマイノリティのこととか、あんまり考えたことなくて、やっぱりそういう機会ってのは、自分がそこの中に飛び込むだけでなくて、いろんな方々から教えていただいたなと思っています。
今日、この場でたくさんの方々に知り合うことができると思いますので、みなさんと一緒に、なにかひとつ、自分にはこれまで知らなかったとか、こういう視点があるんだってことに気付くような、そんな時間にしたいなと思っております。
是非みんなで旗を振って歩きましょう。
よろしくお願いします。ありがとうございます。


画像23


画像14
画像17

 新宿中央公園を出発したパレード一行は、公園通りを北上し、成子天神下交差点を右折、そのまま青梅街道を直進し、大ガードを抜け、新宿五丁目東交差点を南進し、花園通りに入り、新宿2丁目の新宿公園まで約1時間の行進を行った。


画像15
画像22


画像34

パレード警備のため、成子天神下交差点で信号操作をしていた新宿警察署の交通警察官は、交通乗車服に制帽を合わせた少し珍しいスタイルだった。
 パッと見でわかるかもしれないが、この警察官は白バイ乗務員である。TVの駅伝中継や普段道路で目にすることも多いので、青色の制服はお馴染みかもしれない。
 この乗車服という乗車用の服を着用していながらヘルメットを被らない場合、あごひもが白色のものに帽子覆いを付けた制帽を着用することが服制として定められている。このような作業服とも言えるような服にカッチリした帽子という組み合わせはルールに基づいているのだが、どことなくワイシャツの上にジャージを着ちゃっている学校の教師のような雰囲気を感じるのは私だけだろうか。
 通常、白バイ乗務員が白バイによる警察活動に従事しない場合は、制服に着替えて業務を行うのだが、警察署から徒歩ですぐの場所で業務も信号操作だけなので着替えずに白バイ制服のままデモ警備に従事していたものと思われる。


画像6
画像12
画像18
画像19
画像20
画像7
画像11
画像10
画像28
画像5
画像25
画像29


画像26

【東京トランスマーチ 呼びかけ文】
トランスマーチとは
東京レインボープライドなど、現在では日本各地でLGBTQ+のプライドを掲げるパレードが実施されていますが、トランスマーチはトランスジェンダーの人権・プライド訴えるために世界中で行われているパレードです。

LGBTQ+の人権が本格的にうたわれるようになり、50年以上の月日がたちました。現在では国連に提出されたジョグジャカルタ原則を元に、世界中でLGBTQ+の人権について真剣に取り組まれています。しかし、とくにトランスジェンダーに対する風当たりが強く、その存在を否定し社会から排除しようとする人達が少なからず存在しているのが現在の状況です。世界中で毎年数百人のトランスジェンダーが殺され、日本においてもその人権否定の言説により自ら命を奪ってしまう人達が後を絶ちません。11月20日は望まぬ形で命を失ってしまった多くのトランスジェンダーを忘れない様にするために制定された『国際トランスジェンダー追悼の日』です。

私たちの存在を否定させないため、トランスジェンダーがこの街にいることをアピールするトランスマーチを11月20日、新宿で開催します。トランスジェンダー当事者はもちろん、私たちの人権のために共にあろうとしてくれる人も、ぜひ一緒に新宿の街を歩いてみませんか?

東京トランスマーチ
https://to3824.wixsite.com/transmarch


画像21


画像4

「職場・学校で、性別移行途上で、髪を切らされる伸ばせない現状を知ってください! 男性出生者にも女性と同等に髪を伸ばす・染める権利を! 髪の自由に性差なき平等を! 髪の自由に性差なき平等を求める…」


画像8
画像27
画像9


画像1

「もうひとりも欠けてはならない 怒りと誇りの糸をより わたしたちの針は 正義と平等をもとめぬいあげる 政治的な手芸部」


画像2


画像3

浅沼智也さん(TGJP 共同代表) パレード到着後の挨拶
みなさん、本日は本当にありがとうございました。そして、なんとか生き延びてくれて本当にありがとうございます。
僕たちと出会ってくれて、ありがとうございます。本当にマーチをするのは遅すぎたと思います。
本当に、今まで、僕の友達も亡くなってしまって、なんか本当に遅すぎたなと思いつつ、みなさん本当に歩いていただいて、もう涙が出てきちゃいます。また来年も、なんとかみんなで生き延びて一緒に歩きましょう。
トランスジェンダーとして、ノンバイナリーの連携を大事にしていきましょう。
本当にありがとうございました。


TRANS RIGHTS ARE HUMAN RIGHTS !!

全国各地のデモや抗議などを自腹で記録しています。サポート頂けますと活動資金になります。よろしくお願いします。