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バレンタインデー粉砕デモ - 2019年2月9日(土)/東京都渋谷区

2019年2月9日(土)、東京都渋谷区で行なわれた「革命的非モテ同盟」主催『バレンタインデー粉砕デモ2019 in 渋谷』の記録


【動画】

バレンタインデー粉砕デモ2019 in 渋谷(7分6秒)


【写真】

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 この日の気温は0度、直前まで雪が降っていて開催も危ぶまれたが、渋谷の街に非モテの叫び声が轟いた。
「バレンタインデー粉砕!」「お菓子メーカーの陰謀に踊らされるな!」「もらったチョコの数で人間の価値を決めるな!」「非モテの人権蹂躙を許さないぞ!」「リア充は爆発しろ!」などのシュプレヒコールをあげながら9名がデモを挙行。
 行進中は降雪もなく、無事にバレンタインデーを粉砕することができた。(デモが終わった後、東京には再び雪が降り出した。)

 この一風変わったデモを主催しているのは、「恋愛資本主義粉砕」を叫び日本社会に抗い続けている「革命的非モテ同盟」(略称「革非同」)だ。
 主な活動は、2月の『バレンタインデー粉砕デモ』、3月の『ホワイトデー粉砕デモ』、12月の『クリスマス粉砕デモ』という年3回の渋谷デモ、そして最近は10月にも『ハロウィン粉砕』イベントを開催して人々を啓蒙している。
 諸事情あって、昨年の3月と12月のデモは行うことができず、今回は1年ぶりのデモ行進となった。

 一見すると、この街頭行動はふざけているだけに思えてしまうかもしれないが、「非革同」のサイトの呼びかけ文にはこうある。

恋愛資本主義、粉砕!
 モテない人の明るい未来を築き上げるべく、非モテ同志の連帯を呼び掛けてきた革命的非モテ同盟が、今年もバレンタインデー粉砕デモを開催いたします。
 お菓子メーカーをはじめとしたチョコレート資本が、餓えた野良犬の如き下品なうめき声をあげながらバレンタインデー商戦を仕掛けてくる季節がやって参りました。かくの如き恋愛至上主義に立脚した金儲け行為は、我々非モテの尊厳に対する無謀ながらも重大な挑戦であり、その根源であるバレンタインデーという旧習は完膚なきまでに叩きのめさなければなりません!

 実は、このデモはもう10年以上も歴史がある「恋愛資本主義反対」という趣旨の世直しなのだ。
 『バレンタインデー粉砕デモ』の意義について、秋元貴之代表は

恋愛できる/できない、モテる/モテないというのが非常に露骨に現れてしまうイベントなので、そこにモテない人に対する蔑視というものが非常に生まれてきやすい余地があるので粉砕していかなければならない

と説明した。
 恋愛をするのが普通というのは社会に存在しているバイアスで、恋愛ができない人あるいはしない人がいることを忘れてはいけない。
 これはダイバーシティへの取り組み、多様性推進運動の一環ではないだろうか。(いやしかし、「革非同」はリア充は認めないので、この発言をもってダイバーシティ…というのは間違っているかもしれない。)


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[出発前に行われた集会でのアジテーションの文字おこし]

バレンタインデー粉砕デモを開始して、早10年以上が過ぎようとしている。我々の活動というものは間違いなく、成果を上げてきた。
その証拠は何か? 今やチョコレート産業は異性に対してチョコレートを贈るというビジネスモデルから友チョコであるとか自分に対するチョコであるとか、そのような全くもってたわけた戦略ビジネスモデルにシフトをしている。正しく恋愛資本主義という思想そのものが、我々の活動によって粉砕されたからに他ならない。
しかしながら、その事実は我々が闘いの足を止めて良いことには全くならないのである。
なぜか? 今でもまだ恋愛資本主義に基づく、非モテ・モテない人に対する蔑視・軽蔑の視線に対し、苦しんでいる人達が多く存在するからに他ならない。
聖書マタイ7章1節に曰く、「求めよ、さらば与えられん」。我々の戦いは正にこのように、勝利を求め常に闘い続けなければならないのである。我々の行動を見て神が何を思うか、それは私にはわからないが、少なくとも同じ境遇に苦しんでいる非モテの同志、このような同志がこの世に一人でもいる限り、我々は決して闘いの道・歩みを止めてはならない。そうではありませんか、みなさん。
そして、このデモ行進というものが正しく我々の闘いの根幹をなすもの。このデモ行進こそが我々における主戦場なのであります。
以上の覚悟を持って本日のバレンタインデー粉砕デモに、みなさま、命がけで臨んでいこうではありませんか。

 東京都渋谷区にある代々木公園(ケヤキ並木南端)に集合した人々は、短い集会を行い渋谷の街へと繰り出した。
 コースは、代々木公園ケヤキ並木南端(NHK隣)〜渋谷区役所前交差点〜渋谷駅前交差点〜宮益坂下交差点〜明治通り〜神宮通公園という約1.3kmで、約30分かけて歩いた。


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 ゴール地点に着くと全員で勝どきを上げ、記念撮影を行い解散となった。
次のデモは3月の『ホワイトデー粉砕デモ』なのだが、3月14日近くの土日は3.11の反原発デモが盛んに行われるため、デモの許可が取れるかどうか不明とのことだ。
 もし来月、『ホワイトデー粉砕デモ』が行われなくても、各自お返しをしないなどの許可の必要ないパーソナルな粉砕デモを行えばOKだ。
 そもそも、今年のバレンタインデーは既に粉砕されているので、そのお返しイベントであるホワイトデーを粉砕する必要はないとも言えるのか。


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 「革命的非モテ同盟」のデモをかれこれ5年以上撮影してきて、複数のテレビ番組や雑誌、Web、海外メディアへ映像や写真の提供を何度もしてきた。
 今年の『バレンタインデー粉砕デモ』の映像もCNNや台湾自由時報の記者から問い合わせがあってニュースになった。
 これ以外にもネット上で勝手に使われたりしているケースは多数あり、ここまで問い合わせが多いデモは他になく、かなりの話題になっていることは間違いない。
 馬鹿馬鹿しいと言われるようなデモでも、このように一般の人にうけている以上、彼らのやり方なり何なりがある程度の力を持っているのだろう。

 自分の意見の主張ができる世の中、あるいはデモが起こり続ける世の中の継続を私は切に願い、その実現の為にも私はデモの記録を続けてきた。
 デモを記録し多くの人々に観てもらうことで、「こんなことやっていいんだ」「ぜんぜん怖くないんだ」「デモって意外と奥が深い」など、何かしらの興味を持ってもらえたら嬉しいし、とにかくデモ参加へのハードルを下げることを目的に撮影をしてきた。
 そういった意味で、粉砕デモは非常に重要なデモだと私は考えている。もちろん、感じ方は人それぞれなので、マイナスになっている可能性もあるはずだが、堅苦しかったりするデモのイメージを払拭するには十分なインパクトがあっただろう。
 まぁ、難しいことを抜きに、撮っていて笑えるというのも「非革同」のデモを撮り続けている大きな理由だ。

 以下、私が過去に記録してきた「革命的非モテ同盟」主催の粉砕デモの動画のリンクを貼っておくので、興味があったら観ていただきたい。

クリスマス粉砕デモ 2013
https://www.youtube.com/watch?v=Up3zlXW7UFI

バレンタインデー粉砕デモ 2014
https://www.youtube.com/watch?v=Px_zwk-Fx4M

ホワイトデー粉砕デモ 2014
https://www.youtube.com/watch?v=Rj66r-IkaGg

クリスマス粉砕デモ 2014
https://www.youtube.com/watch?v=jojmkn0bGtY

バレンタインデー粉砕デモ 2015
https://www.youtube.com/watch?v=Y3MchdmrR2g

バレンタインデー粉砕デモ 2016
https://www.youtube.com/watch?v=FJvUBs1gOT8

ホワイトデー粉砕デモ 2016
https://www.youtube.com/watch?v=8XICYorB8ZY

クリスマス粉砕デモ 2016
https://www.youtube.com/watch?v=068Sbr7gCAY

バレンタインデー粉砕デモ 2017
https://www.youtube.com/watch?v=I_RHChgW_w0&t=1s

クリスマス粉砕デモ 2017
https://www.youtube.com/watch?v=ZYslBQmTNxI

バレンタインデー粉砕デモ 2018
https://www.youtube.com/watch?v=t49kc5SYpec

全国各地のデモや抗議などを自腹で記録しています。サポート頂けますと活動資金になります。よろしくお願いします。