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「願立剣術物語」を読んでみました。

原文

我に我を滅ぼす悪あり。
善あり。
悪は善に負けやすし。
この負けやすき悪をたのみ我が大将とするゆえに
我が善我が悪を亡ぼすなり。
敵の善に亡ぼされるる物ならばその隠れ家もあらん。
善悪我にあるゆえに山の奥水のそこまでも悪を亡ぼす
敵の来ずという事なし。
恐るべし恐るべし。

解釈 

自分の中には自分を亡ぼす悪もあれば善もある。
悪は善に負けやすい。
この負けやすい悪をたのみにして物事を行うがゆえに
自分の善が悪にブレーキをかけるのである。
敵の善が我が悪を亡ぼそうとするならば、逃げて隠れることもできよう。
しかし、自分の善は、自分の中にある悪がどこに逃げようとも、
山の奥にひっそりと流れる水の底までも追いかけてきて亡ぼそうとするだろう。
恐るべきことだ。

コメント

自分の技ができたかできないか。
相手やまわりは騙せても自分は騙せない。
無理にできたと思い込もうとするならば、武術を捨てたと言わざるを得ない。

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