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エゴイストは必要ですか?

突然、ある少年に質問された。

エゴイストは必要か?だとー!こ、こいつ⁈、自他共に認めるエゴイストのオレ様にその質問をするのかっ⁈とも思ったが詳しく話を聞いてみた。

「ある本を読んでいて、勝ちたいと願うチーム内に一人のエゴイストが必要だと書いてあったけど、本当に必要なんでしょうか?」

んー、とひと息考える…

彼は役割としてのエゴイストが必要なのか聞きたいように感じた。
少し声のトーンを落とし悟すようにこう言った。

「オレ様のように確固たる信念と基準を持ち、周りの凡人に惑わされることない理論とメンタルを持っているなら君がエゴイストになりなさい。」

すると少年は「何言ってんだ?この人?」って冷やかな視線と失笑をくれた。
すまん、少年よ!私は素直に謝り話を元に、いや最初に戻した。

「【エゴイスト】って利己主義って意味だけど、チームスポーツにおいてチーム状態が良い時はリーダーシップがあるとか言ってもらえるけど、チームが悪い状態では自分勝手とか言われるぜ?オレぐらいのストレス耐性があればいいけどお前じゃ無理じゃね?
お前の考えてる【エゴイスト】は役割としてイメージしてるみたいやけど、オレはメンタル状態としての【エゴイスト】を尊重したいね。
君たちは試合中、プレイを成功させた時には自分のプレイを更に可能性高くイメージしてその後のプレイに望み、反対に失敗した時には消極的なイメージを次回も連想して控え目且つ無難なプレイをしてるんよ。当然、良い時も悪い時もあるんやけど、大切なことはそんな不安定な時にボールを呼び込めるかどうかって事。
例えば、GKが指示を飛ばしDFが必死にボールを奪い、MFがスピーディーに運んでくれたボールをゴール前の自分に届けてくれた。そんな大事なボール。チームメイトの必死な気持ちを踏まえてシュートできる心持ちが大事なんよ。大事なボールだから無難にパスしとこじゃ話にならん。外しても止められても【エゴイスト】は何度でもボールを呼び込みシュートする。だから結果を出せる。まあ、簡単に言えば数撃ちゃ当たるってやつ。その「当たる」時まで【エゴイスト】は要求できる図太さを持っている。利己主義者ってのはやらない奴が皮肉って言ってんじゃねーの?」

ってとこで時間終了。納得できたのか絶望したのか分からないけど…

彼がその【エゴイスト】になろうとしているのかどうか知らないけど「とりあえず論語を読め。」と締め括った。至極真っ当なことを理解した上で自分の役割を演じればいい。

あの夏の暑さと、若い頃使っていたCHANELのEGOISTの香りを思い出しながら、まだ青い少年の背中を見送った…

少年と言うには大きな背中…

コロナ自粛で背中大きくなり過ぎやで…あんた…
まあ、それもあんたの武器なんやで。

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