見たら書く「バッファロー'66」

うす。とりあえずあらすじをまとめてもらおうと思ってウィキペディアをみたらストーリー全部書いてあるから、見るの禁止な。や、見ても良いけど。
とりあえず、Yahoo!映画から引っ張ってきたあらすじ

「5年の刑期を経て出所してきたビリー。仕事で家を離れ、両親に結婚したと偽っていた彼は、実家に戻るため通りすがりの女・レイラを拉致する……。」

えーっとですね、ボニー&クライドやシド&ナンシー、はてはヘドウィグ&アングリーインチなんかのロードムービーや、悪い男とそれに付き従っちゃうちょっと馬鹿な女の子、レオンとかああいう人間の心との触れ合いとか、そう言うのを期待して、このタイトルとジャケットを見ておしゃれそうじゃん、とか、「最悪の俺に天使が舞い降りた」というキャッチコピーをみて、濱マイク的な感じを想像した人々に次ぐ。というか、俺がそうだったわけなんだけれども。ぶっちゃけ誘拐から始まる物語からすると邦画「ドライブ!」に近い様な(アレは傑作でしたよね。松雪泰子にアレではまるんですよね。)物をワシは想像していたんじゃけど。
声を大にして言いますね。

「童貞じゃねぇか!」

はい、その一言につきます。ジャケットに映っている、映画監督にしてモデル、そしてプログレを愛するミュージシャンのヴィンセントギャロ。
彼のこの爬虫類的、かつ、ちょっとしたヤク中見たいな危なげな顔に騙され、コーティングされて恋愛映画とかラブストーリーとか言ってますが、この映画は童貞映画です。しかも「童貞が童貞として苦悩する」的な「アイデン&ティティ」「グミチョコレートパイン」的な童貞映画ではございません。「俺、夏休みにすごい可愛い子とつきあう事になってさ。その子は外国からホームステイできたんだけどさ、でも俺の事がすごい好きでさ」的な「童貞が語る夢」を映画にした奴です。顔面が良いからってお前童貞には童貞バレるんだからな!世界の男は童貞か元童貞しかいねぇんだからな!わかってんのかギャロ!「お前は俺を褒めれば良いんだよ!持ち上げて、いい気分にするんだ!」とか言ってる場合か!童貞め!

ちょっと興奮しすぎました。
映像表現的には回想シーンへの入り方とか、基本的なカラーコレクティングとか、衣装とか、クリスティーナリッチムッチムチで超エロいんですけどお前アダムスファミリーのウェンズデーってえ!まじで!そう言う方向に育つの!?的な驚きとか、お前小津安二郎好きそうだなと思ったら本当に好きだったりとか、映画としてはボヘッと見る分には、むしろぬるっと見るには肩肘張らなくて入り込みやすい映画なんですけど、いかんせんこの顔面詐欺童貞のオシャレ感に勝手な期待を抱いていた僕としてはズコーッとなってしまったわけです。だってこいつオートマ限定を「高級車だからオートなんだ!」って言い張るんだぜ。ボーリングがひたすら得意なところもオタクっぽくていいよね。「スポーツが得意なんだ。ボーリングとか。」ズコーッ
でも、だんだんとこの見栄っ張りのかんしゃく持ちのヴィンセントギャロこと顔面偏差値童貞詐欺が愛しく見えてくるあたり説得力のある映画なんじゃない?

ラストシーン付近でなんかがふっきれてドーナツショップで人におごっちゃうところとか絶対童貞じゃなきゃできないと思うんだけど、どうよ?


今回僕、童貞って言い過ぎなんじゃないかしら。
ぜひギャロには高円寺で無限に餃子でハイボールとか飲んでてほしいと。
で、それをクリスティーナリッチにたしなめられて、うるせぇ!って怒鳴ってから二人で純情通り商店街を歩いて自販機でココアとかかってほしくなる、そういう「ああ、あいつらまだつきあってんの?」みたいなカップル映画ですよ。オシャレか?しらねぇ!だって童貞だもん!

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