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小説 むかしむかしの宇宙人

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時は昭和31年。家事と仕事に追われる19歳の水谷幸子の元に、宇宙人を名乗る奇妙なイケメン男性があらわれる。とびきりコミカルでキュートなノスタルジックSFラブストーリー。 毎日7時…
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#毎日更新

note連続小説『むかしむかしの宇宙人』第71話

→前回の話(第70話) →第1話 「星野、早く読ませてください!」 しばらく目に迷いの色…

新しい場に挑もう!

ウェブ小説系の記事で面白いものを見つけました。 今現在日本の文芸市場の半分はウェブ発の書…

note連続小説『むかしむかしの宇宙人』第70話

→前回の話(第69話) →第1話 14 掲示板に貼られたちらしに目がすいよせられる。製紙工…

note連続小説『むかしむかしの宇宙人』第69話

→前回の話(第68話) →第1話 わたしは涙をぬぐい、やわらかく語りかけた。 「百合子さ…

note連続小説『むかしむかしの宇宙人』第68話

→前回の話(第67話) →第1話 二人にはもちろんですが、幸子さん、私はあなたに申し訳が…

note連続小説『むかしむかしの宇宙人』第64話

→前回の話(第63話) →第1話 「幸子、お知り合いですか?」 「いいえ。知らない人だわ…

note連続小説『むかしむかしの宇宙人』第59話

→前回の話(第58話) →第1話 二人が話に没頭しはじめたので、わたしは周囲を散策することにした。あちこちで会員たちが双眼鏡で空を見上げている。 わたしも目を細めて空を眺めた。円盤の欠片すら見当たらない。あきらめて適当にぶらついていると、窮屈そうに身をかがめ、望遠鏡を覗き込んでいる星野さんを発見した。 「星野さん、見えますか?」 星野さんは望遠鏡から目を外し、自分の腰を軽くたたいた。 「いやあ、見えないな。幸子ちゃんはどうだい?」 小さく首をふる。「だろうな」と

note連続小説『むかしむかしの宇宙人』第58話

→前回の話(第57話) →第1話 本物の三鳥由起夫がいた。首に双眼鏡をかけ、周囲の人たち…

note連続小説『むかしむかしの宇宙人』第55話

→前回の話(第54話) →第1話 美加子さんがメジャーを片手に言った。 「じゃあそこに…

note連続小説『むかしむかしの宇宙人』第53話

→前回の話(第52話) →第1話 「はい。アナパシタリ星人は感情には敏感なのですが、な…

note連続小説『むかしむかしの宇宙人』第52話

前回までのあらすじ 時は昭和31年。家事に仕事に大忙しの水谷幸子は、宇宙人を自称する奇妙…

note連続小説『むかしむかしの宇宙人』第51話

→前回の話(第50話) →第1話 バシャリと二人で家路についた。ベタベタと壁に貼られた…

note連続小説『むかしむかしの宇宙人』第49話

→前回の話(第48話) →第1話 銀行の仕事を終え、わたしは急いで北品川に向かった。す…

note連続小説『むかしむかしの宇宙人』第47話

→前回の話(第46話) →第1話 バシャリがほっとした様子で言った。 「気がつきましたか? ずいぶんと深く入りましたね。ちょっと驚きました。やはり親子だと浸透率が違いますね」 まだ、頭がぼんやりとする。バシャリがあわてたように言った。 「幸子、深呼吸をしなさい。楽になりますから」 言われたまま、肺いっぱいに空気を入れる。何度か呼吸をくり返し、ようやく意識がしゃんとしてきた。泳ぎ疲れたように体がだるかった。 「……わたし、知らなかった。お父さんがあれほど傷ついてい