見出し画像

[6]大学院を休学して実家の八百屋を手伝うことにした建築学生の散文

どうも、大学院を休学して八百屋を手伝うことにした建築学生です
このnoteは、僕の1年間を「面白がってもらう」ために書き記しています

もう5月、春の陽気が薄れ、雨風の色が濃い日々に移りつつあります
風が強い日にはシャッターやら、屋根やら、隙間風やらでオーケストラ状態です

今回のnoteでは、
製材屋さんにいただいた木材を用いたベンチ作りの様子を書いていきます


一番初めに取り掛かったのは道具磨きでした
道具の持ち主だったおじいちゃんが数年前に他界、
そのままになっていた金槌とノコギリを耐水紙やすりで錆を落とし、磨きます

そのままでも使えないことはありませんが、この手間を加えることで
一つ、気持ちが乗っかるような気がしたのでここからはじめました

磨く前
磨いた後



もらった木材に必要な長さで墨を引き、綺麗になったノコギリで切っていきます始めは「割とうまくいってるじゃん」なんて思いながら切り進めますが
最終的に綺麗な断面はほとんど得られませんでした
何回も何回も「やっぱ大工さんってすごいな」って1人で呟いていました

すこやとボールペン
切り始め


ベンチに座る人たちは、どれくらいの長さや幅を求めているのか
切っていく過程で、常連さんたちと一緒に確認しました

「これくらいは無いと2人で座れんねぇ」
「幅はこれで大丈夫よ」

などなど、意見をもらうことができました

幅はこれぐらいいるろ


部材が切り終わったら、組み立てに入ります
ホームセンターで金具を選び、インパクトでねじ止め、真鍮釘で装飾兼補強をするなど、最終的に二台のベンチを完成させることができました

ベンチ1
ベンチ2

バルサ材を使って模型を作ったことはありますが
1/1で実用的なモノを組み上げること自体が初めての経験でした
インパクトの施工領域を想定せずに組み立てしまったり、しっかり失敗しましたが
やっぱりモノづくりは楽しい、そう思いました

そして作ったモノが使われている現場を見た時に感じる、
喜びのようなものも体感することができました
ベンチ、作ってよかったです

その後のある日

余談

近頃は、5軸加工機を用いた木材加工やCNCルーターによる切り出しが主流になっていますが、木材である以上、反りや節をなくすことはできなくて、
やはり生き物だなと知らされます

他方で、同じく建材に多用されるコンクリートは冷たい無機物のように捉えられがちですが、「自己治癒コンクリート」が登場し、もはや生き物のように再生します

また、鉄においても大学で材料の研究をする友人から聞いた話によると、
鉄を構成するイオンに干渉することで錆びる部分を意図的に操作できるようになる
といった類の研究も存在するようで、こちらもただの無機物とは言い切れなくなってくるような気がします。

こうして考えてみると、
建築は生き物によって生き物のために行う行為だ 
と言ってみるのも学生のコンセプトとしては面白いかもなと思いました


1ヶ月経過--------------------------
八百屋で働き始めて1ヶ月が経ちました
もう少しゆとりを持ちながら働く予定でしたが、
朝から働くと夜にはもう余力は無く、本を読むことも出来ない日が多くあります

インプット無しに良質なアウトプットは難しいと考えていますが、
父と母が睡眠時間を削りながら毎日働いている姿を真横で見て、
なかなかそんな時間は取れないんだぁと途方に暮れます

僕が休学した理由の中に「家族や地域の向上のため」というのもありますが、
何よりも「自分の向上のため」という意義を忘れずに5月も駆け抜けます

次回のnoteでは、上村青果がどのように変わって、
どのように移っていくのかを書ければと思います。

最近は眠くて眠くてnoteの更新も遅れ気味になり、読んでくださっている方々には大変心苦しいですが、まぁまぁまぁ僕はズボラなのでこんなもんでしかありません
4月が真面目過ぎました、今後も暖かい目で見守っていただけると幸いです

今後も「大学院を休学して実家の八百屋を手伝うことにした建築学生の散文」は
不定期で八百屋の状況や筆者の心情を更新していきます。

それではまた、次の散文で。
(2022/05/08)

八百屋instagram

八百屋LINE@

筆者instagram

建築学生の本棚紹介コーナー
「野菜の便利帳」


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?