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本当に魔王か?

今、こいつクリア報酬が世界の半分って言ったか?世界の半分って。でも、SSSランクダンジョンのクリア報酬だから、そんくらいあって普通かも。余計にやりたくなってきた。よし、このうざったいカラスを置いて、ボス部屋まで行くぞ。「加速」と「加速」の多重強化でボス部屋まで一気に駆け抜けようかと思った時、後ろからあのカラスに声をかけられた。
「お願い。もっと喋りたいの。たとえば、パーティーメンバーになるとか、ペットとか。君とじゃないと。君ほど面白いやつはいないよ。」なんかこのウルウルした目で言われると、ちょっと仲間にしたい気分にもなってくるな。強いし、暇な時は遊び相手になってもらおう。あとは戦いにも十分使えるかも。本当はやだけど。
「いいよ。(チッ)」
「なんか今舌打ちが聞こえたような気が」
「うるせえ」
ボス部屋まで、一気に駆け抜けた。音速をこえ、亜光速の速さで行く。亜光速というだけあって、5分程度でついた。ボス部屋の扉は、今にも壊れそうなほど嫌な音がしている。開けたら、ガラスを指の先で引っ掻いたのと同じくらい気味の悪い音がした。奥にいたのは、魔王だというのに、光属性のような光り輝くイケメンだった。えっ。人違いか?
「違うよ、そこの君。僕は正真正銘の魔王だ。」
思ってた魔王のイメージが、どんどん崩壊していく。魔王って、もっと冷酷無比で、強くて、闇魔法とか使うんじゃないの?
「それは世間の勝手な勘違いだ。誰が魔王が闇魔法使いだと言った。僕の得意な魔法は、光属性と聖属性だ。苦手な属性は闇属性さ。」
勇者じゃん。この人、勇者と魔王のどちらでしょうか?魔王が光属性と聖属性得意で、闇属性苦手なことってある?絶対残念な動物事典に載るぞ。
「とにかく、戦おうよ。最初から本気出してみな。」
あー、分かりました。OKOK。終滅太陽。どデカい焔の玉、ではなく、小さな、青色をした焔が放たれた。今のは、大きさを小さくして、代わりに温度を上げた。だいたい10000000℃くらいだろうか。もうこれで焼き尽くされただろ。と思いきや、魔王はわざとらしく、煙弾を投げて、煙を起こし、その中から現れた。これで死なねえのかよ。しかも無傷。当たったはずだぞ。ミスリルでも当たれば溶ける最強の技なのに。絶対アイツのステータスえぐいぞ。
「ステータス表示」

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名前 ゴッドデーモン
真名 パラディアデモン
権能 皎、魔
能力 光魔法 聖魔法 剣術:極 槍術:極
スキル ホーリーオーラ ホーリーブレイド ホーリーランス ホーリーバリア ホーリーニードル テレポート 魔王特権:因果切断 魔王特権:時間操作 魔王特権:魔物生成 魔王特権:魔物指揮 魔王特権:超再生 魔王特権:魔術解除

物理攻撃力 無限
物理防御力 無限
魔法攻撃力 無限
魔法防御力 無限
魔力    無限
経験値   無し
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やっぱそうだよな。さすが魔王だよ。だけど、最後の力を見せてやる。
「獄葬焔球、壊波水圧、凪斬楓、堅無地獄、餓狼稲妻、絶無融氷、聖流星、餓黒穴球。同時発動。」
太陽より大きい炎球、世界を呑むほどの津波、何よりも切れ味の鋭い風の刃、土でできた絶対に壊れない檻、無数の雷、溶けない氷、白い流星、ブラックホール。さまざまな厄災が魔王に襲いかかる。結果、魔王は、無傷だったが。こう言った。
「僕の負けだよ。痛いのは嫌だ。あれほど痛い目にあったことなんて一度もない。だから、君のいうことに従うよ。御主人様。」
はぁ。なら魔王の血肉を摂って。
「アゲゲッ⁉︎痛い‼︎」
よし、血は採取できたな。これをバリアグに飲ませよう。多分病気も治るはずだ。ていうか、痛すぎだろ。体中にジワジワと痛みが広がってくる。
「アワワッ!御主人様!『超再生』。これでどうですか!」
おお。痛みが完全になくなった。すごい。阿呆から馬鹿へ昇格したな。役に立つ。そういえば、俺のパーティー、回復役がいなかったから、魔王が仲間?になったことで、非常に強くなったと思う。魔王も役に立つんだな。とりあえず、うるさいカラスと魔王ををパーティーメンバーにするか。ていうか、このパーティーメンバー、全員狂ってるぞ。ステータスカンスト超えた俺、攻撃できる結界を持ったバリアグ、防御力と経験値が無限のカルハ、SSランクの巨大カラス、光属性と聖属性が得意で、闇魔法が苦手な魔王。結構強くなってきたんじゃないのか?今なら単独でSランク冒険者どころか、Sランクパーティーも倒せそう。なにせ、Sランクパーティーって、「龍」にさえ負けるような雑魚だぞ。まあ、SSランクパーティーでも、カルハには勝てないが。もう一度いうが、カルハは防御力と経験値が無限なのだ。そんなトチ狂ったやつに誰が勝てるか。あ、そうだ。早くバリアグのところにいかなければ。ここは魔王に任せた。魔王は確か、テレポートを使えるはずだ。
「テレポート。」
魔王が呪文を唱えた瞬間、目の前の景色が変わった。

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