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フェンリルは脳筋?

こいつ、どうやって倒せばいいんだ?あの穏やかな目を見ると、イラっとする。あの目は、慈悲の目じゃなくて、完全に舐め腐ってる目だ。殺して素材にしてやる!不滅太陽。虹色の炎が、フェンリルの体に巻き付くが、すぐにかき消された。氷で。フェンリルは、伝説の四獣の一角なだけある。氷で絶対に消せない炎を消すとか、脳筋のやることだと思うけど。
「獄葬焔球、破波水圧、凪斬楓、無限牢、無溶氷、餓舞雷、光霊模擬、闇霊模擬、毒霊模擬。魔王ゴッドデーモン召喚。」
というわけで、俺のアンハッピー特盛セットをぶちまかしてやった。中には、魔王戦で使ったものだけでなく、新たに開発した魔法もある。これでは死なないだろう。だって、四獣の一角、楓冰フェンリルという、立派な名を持っているんだから。失望させるな。案の定、フェンリルは、死んでいなかったが、ボロボロだった。実は、攻撃全てに、状態異常を「付与」したのだ。弱いな。結構弱目の状態異常にしといたのに。まあ、互角程度には、強いかな。スキルの一つ一つの強さでは、こちらの方が劣っている。正直、四獣の力を舐めていた。しかもこいつ、限界突破も持っているのか。なかなか厄介な相手になりそうだ。なら、新たに獲得したスキルの威力を試してみよう。
「銀河剣士:黒穴球付与。魔装術。」
眩しく光っていた剣が、だんだんと黒くなり始める。ついには、黒に染まってしまった。これは、どんな能力を持っているんだ?
「鑑定」

=====================名前 不滅剣デュランダル

闇属性ダメージ付与。ブラックホールを生み出せる。魂を斬れば斬るほどダメージが上がる。攻撃力は、相手の強さによって上昇する数値が変わる。絶対に壊れない。魔力上昇+9999。
経験値上昇+5000。
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なかなかに強い能力だな。魂を斬れば斬るほど強くなるなら、近くにいるモンスター達を、斬ろう。亜光速の速さで、不滅剣デュランダルを振り、モンスター達を斬る。斬る。            


不滅剣デュランダルを振り始め、何時間かがたった。不滅剣デュランダル・・・・面倒臭いので、デュランダルと呼ぼう。デュランダルは、ところどころに白色が残っていた時とは違い、全体が漆黒に染まっていた。さらに、もう一つ纏っていた「魔装術」の鎧だが。形はさまざまに想像できるらしく、今纏っているものは、プレートアーマーという、全身を覆う鎧である。元々俺は防御力が高いが、この防具は、完全に全身を覆える、隙のない防具である。さらに、勝手につけたが、このプレートアーマーには、衝撃を逃すという力をつけた。なかなかすごい能力ではないか?これでフェンリルとも優位に戦える。今ではドラゴンの鱗もスパッと斬れそうなデュランダルで、フェンリルを斬った。だが、一瞬で再生された。だけど、そこを狙っていたんだよ。
「無限斬撃。対象:フェンリル。」
言った通り無限にも等しい斬撃の雨が、全てフェンリルに襲い掛かる。そして、できた切り傷を、凍らせる。
「絶対零度。」
これで、再生できなくなった。でもこれ、制御ミスったら、ここ一帯が、凍って氷河期に突入しちゃうんだよ。だから、あんまり使えないんだよな。まあ、成功したから、結果オーライで。あっちは氷結を使用してこようとするけど、魔力を熾すのが遅い。たかだか、音速を超えた程度じゃ。余裕で避けられる。そして、フェンリルの苦手な土魔法で、攻撃を仕掛ける。無詠唱で。「泥沼」で、フェンリルの機動力を奪う。次は、泥を盛り上がらせ、泥を津波のように操作する。本物の津波は、30センチでさえ、ヘリコプターも、車も流されるほどの威力を持つ。その津波と同じくらいの威力を持った泥が、フェンリルに襲いかかった。フェンリルは「凪」を使うが、泥をすり抜けるだけで、斬れない。当たり前だ。泥は、液体の水と、固体の土、砂などが、交わったものだ。固体はともかく、液体は固体にしないと、斬ることなど不可能だ。フェンリルが、吹っ飛ばされる。その先には、土の針が。フェンリルに、針が刺さる。ギリギリ「凪」で針を斬ったらしいが、視覚が狭い。フェンリルは、上から巨大な土の塊が襲ってきているのに気づかず、安心している。バカだな。案の定、フェンリルは、土の塊に押しつぶされた。これで死んだら雑魚になる。フェンリルが。
(おめでとうございます!初四獣討伐報酬として、「神金貨」と、EXランクアイテム「無限剣インフェニティ」を獲得しました!)
マジ?フェンリル雑魚やん。ていうか、「神金貨」ってこんな感じで取得できるの?それなら、誰も持ったことがないのにも納得だな。でも、こんな大金、持ってても何も意味ないしな。そうだ。あそこのギルド長、いつもお世話になってるから、あげよっと。
「逆召喚」
よし。ギルドについたな。逆召喚、やっぱ便利だな。お?あそこで誰かとギルド長が揉めてるぞ。どうしたんだろう。
「あのー。どうしたんですか?」
その一言が、真の始まりとなった。

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