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時を越える・・・・少年

(⁇?視点)血濡れの神殿とは、神殿が堕ち、                                     ダンジョンになった「神殿系ダンジョン」の一つである。ダンジョンランクSS。それほどの力                                                                                                                                    を持つダンジョンである。中に巣食う魔物は、                    全てが、Aランク以上。ボスは、SSランク、攻                                          略不可能と言われている。しかも、厄介なトラップまでついているとのこと。そのダンジョン に、向かった。                   


「血濡れの神殿」の中は、絵に描いたような地獄絵図だった。死臭が漂い、殺意で溢れている。その時、何かが飛んできた。大きなコウモリだ。ただのコウモリではない。コイツは、Sランクで、エクストラバットという魔物で、本来の弱点を補うため、装甲している。IQは500で、素早さもカンストしているらしい。まあ、雑魚だけどね。恒星弾。久しぶりに使うな。かなり手加減して撃っても、一撃でやられる。なにが、防御力が高い、だ。そんなことを考えながら、次の階層に向かうのだった。


「血濡れの神殿」98階層。危険な場所だというのにも関わらず、1人の男が、呑気に歩いていた。いや、呑気にではない。周りに殺気を撒き散らし、魔物を寄せ付けないようにしていた。こんな芸当、Sランクでもできないことだ。もちろん分かるだろう。バリュートだ。できるだけ魔物との戦闘をせずに、最下層・・・・99階層まで行こうとしていたのだ。簡単だが。遠くから、「人型」の魔物が近づいてきた。どうやら、殺気を「斬った」ようだ。初めての強敵に、目が細まる。が、一閃。ただそれだけで、塵となってしまった。そのモンスターを倒したからだろうか。やっと、99階層へと続く扉が現れた。バリュートは、その扉に足を踏み入れた。                        

(バリュート視点)             
この扉、面白い。「異空間」へとつながっている。こんなもの、人類の技術では到底造れない。ダンジョンならではの仕組みだな。お、やっと終わるが見えてきた。ここは.........どこだ?
見たことのない風景だ。人類の人工物があって、自然がまだ残されている。その時、目の前に何かが見えた。ビナガさんのギルド「ガラウナ」だ。だが、一つ違う点があった。新しいのだ。失礼だが、「ガラウナ」は、カビが生えていたりして、汚かった。なのに、この「ガラウナ」は、カビ一つ生えず、清潔感満点である。まさかと思い、通りすがりのおじいさんに聞いた。                   
「年号を見せてください!」        
「あんさん、頭狂っとるのか?しかたない。見せてあげよう。今は、令和1年だ。」
やはり、俺は過去に来てしまったようだ。過去、といっても、6年前だが。6年前ということは。                      

「逃げろおおぉ!」
スタンビードが起きた時期であある。だが、助けの声が間に合わず、次々と死者が出てきた。      ダンジョンドラゴンか。殺す。ここまで殺意を持ったことは、初めてだった。         
「気配感知:ダンジョンドラゴン。いた!」
気配感知で、ダンジョンドラゴンを探した。すぐにダンジョンドラゴンを見つけ、ナイフを構えた。                                     
「久しぶりだな、ダンジョンドラゴン。といっ  ても、お前が倒されるのは未来のことだからわ                                          かんねぇか。一撃で殺してやる。不滅太陽。」
不滅太陽で、ダンジョンドラゴンを焼き尽く                                                                                す。死体も残らなかった。その神の技を見て、人々は言った。              
「英雄」「救世主」「慈悲深き勇者」と。そして、「伝説の英雄」とは、彼のことなのだが、バリュートはまだそのことを知らない。そもそも、知れなかったのだ。なにせ、ダンジョンドラゴンを倒した直後、未来ーーーいや、現代へと、戻ったのだから。          

                     ああ、楽しかった。過去は。経験値も貰えたし、アイテムもたくさん貰えた。このアイテムを売って、金にして。ふふふ、これでまた大金持ちになれるぞ。俺は、早歩きでギルドに向かうのであった。

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