見出し画像

夢を見つける難しさ


自分や大切な人の夢を見つけたいという話はよく聞くけれど、これ、すっごい難しいことなんじゃないでしょうか。
何が難しいって、「夢の知識」がないままに漠然と探すから見つからない。

小学生の頃から、ずっと夢探しをさせられます。
受験戦争でそれを少し忘れ、就職戦争でまた強いられます。

夢って一体なんでしょうか?

夢とは、将来の自分の生き方(イメージ的には、できれば希望に満ち、少しの困難と達成感を伴うもの)であると思います。

そして夢の例としては、たいてい職業名で語られ、テレビでよく取り上げられる職種は特に人気で、将来の夢ランキング上位を占めます。最近では会社員やYoutuber、e-sportsプレイヤーなど、世相を写したようなものがランクインしています。しかし、やはり、職種で語られています。

この現状が夢を見つけることを難しくしています。

◇◇◇◇◇

私にとって夢とは、自分が幸せに生きる方法です。「将来の夢は?」なんてキャッチーな言葉で聞かれるので、こちらも同じく端的にキャッチーに答えたくなりますが、答えはもっと複雑な時があります。本当は職業名など、短い名詞だけでは言い表せず、名詞の中だけを探していても、しっくりくるものが見つからなかったりします。

「将来の夢は?」
そう聞かれて何も思い浮かばない人は、夢のない人なわけではないかもしれません。
ただ名詞の中にはなかった、ただ今のところしっくりくる言葉が見つかっていないだけかもしれません。
これから見つかる、見えてくる可能性が十分あります。

私が言葉にこだわっている理由は、「言語化したら認知できる」と信じているからです。
そして「夢のない人はいない」ということも信じています。
二つが合わさって、言いたいことは、「みんな誰しも夢を持っているはず、言葉にして自分の気持ちに気づこう」です。

◇◇◇◇◇

先に、夢とは自分が幸せに生きる方法と言いました。自分が幸せだと感じられれば良いので、世界征服だって夢です。誰かへの復讐も悲しいですが夢で、何もしないことも夢です。周囲の反対や、経済面での現実問題などもあるかもしれませんが、一旦は素直な自分の気持ちに気づくことが重要であると思います。

「素直な自分の気持ちに気づく」、ということが冒頭に述べた、
「夢を見つける」と同じことです。

素直になることを阻むものの一つは、思い込みです。
現実問題を踏まえ無意識に切り捨ててしまっていた気持ちや、
職業名でなかったり、キャッチーでないからとスルーしていた気持ちがありませんか?

あなたの「〇〇したい」は、あなたの夢である可能性が高いです。
世間的に聞こえが良くなくても、自分が本当に大切だと思うならば、
言語化して、密かに胸の内で育てていくことができます。

◇◇◇◇◇

画像1

この記事を書こうと思ったきっかけは、私の弟が夢を見つけられず、それを母に責められていたことにあります。
夢を持っている人は、夢に向かって行動を始めることができるので輝いて見えます。
夢のない弟は、毎日ボケーっと過ごし、輝いていないように母からは見えたのでしょう。
心配する気持ちは彼女にとっての愛です。しかし弟には負担でストレスとなっていました。

でもある日、母と弟がボランティアに行った話を聞きました。
いつもはインドア派な弟が、大工の棟梁さんにクギの打ち方や、木材の運び方など「なんもなっとらん!こうだ!」とビシバシ鍛えられたそうです。
私だったら「もうつまんないや。やっぱ向いてないよ。」と思ってしまう気がしますが、
弟は、1日の終わりに「すごく楽しかった。ああいう厳しいけど実力ある大人の弟子になりたい」と言ったそうです。

弟は以前にも、厳しいけれど実力のある大人と過ごしていたことがあります。
それは塾の講師で、その時の弟の輝きっぷりを思い返すと、これは良い夢なのではないかと思いました。
数学者とか漁師とか、エンジニアとか、コロコロ夢を変えていた弟でしたが、彼にとって分野は特に重要ではなく、そこで尊敬できる人と出会えるかどうかが、幸せの鍵なのかもしれません。

◇◇◇◇◇

「尊敬できる人の元で生きること」のように、必ずしも分野にこだわる必要はないと思います。
もしそれでも見つからなく、今の生活に何も不満がないのだとしたら、「今を維持すること」が夢かもしれません。
自分が納得していればなんだっていいと思います。

思い込みや世間体に流されず、抽象的な気持ちを探す「夢を見つける」作業はやっぱり難しいでしょう。
この記事が、その難しい作業の一つのヒントやとっかかりになったら嬉しいです。

(2020/4/18)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?