8/30(水)朝刊スクラップ〜BRICSと「恨み」〜
BRICS(ブラジル・ロシア・インド・中国・南アフリカ)によるサミット。新たにサウジアラビア、アルゼンチン、エジプト、エチオピア、イランが追加される予定だが、非西側諸国である彼らをまとめている理念を筆者は「恨み」であると指摘する。その「恨み」の内訳は、西側優位に対する怒りや、過去の屈辱に対する鬱憤だと主張している。
この「恨み」は西側諸国でも近年は政治の中心となっている。その最大の例がトランプ前大統領。ニューヨーク中心部から離れた地区出身の成り上がりで、上流階級からバカにされていた過去がある。フランスやイギリスでも似たような動きがあり、それらに共通しているのは右派ポピュリストである点。エリート(上流社会?)に対するコンプレックスが「恨み」を掻き立てるようだ。
「恨む」と「憎しみ」は同義ではなく、後者は対象に一切関わりを持ちたがらないが、前者は半ば興味を持っている。対象から承認されたいと思っているからだ。それがよく分かるのはBRICSという名前だ。西側諸国への”対抗”を主軸として議論が交わされるBRICSだが、その名付け親は皮肉にも英国人なのだ。
([FT]BRICS、「恨み」が共通軸 権威に憧れや承認欲求も.日本経済新聞.2023-08-30)
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