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作家・歌人など

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作家、歌人などを、本人視点の再現ドラマや仮想のインタビュー記事で紹介しています。
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記事一覧

エドガー・アラン・ポー〜探偵はいまだ来ず〜

寮の廊下にベッと唾を吐くと、盛大に血が混ざっていた。 さっきの取っ組み合いで、2、3発も殴…

ふでねこ
1年前
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ルイス・キャロル〜ワンダーランドは嘲笑する〜

イギリス、オックスフォード。 ガバードマーケットを抜けた先の細い路地を左に折れると、表通…

ふでねこ
2年前
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金子みすゞ~月に響く雲雀のうた~

浜に立つとびょおと風が吹き、髪がなびいた。 サンダル履きの足を砂にめり込ませ、グッと力を…

ふでねこ
2年前
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夏目漱石〜月の形を問えば儚き〜

風も吹かぬのに、灯明が揺れた。 漱石は額に滲んだ汗を拭うと、棺の前から立ち上がった。 蚊帳…

ふでねこ
2年前
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樋口一葉〜書けなかったものたち全てへ〜

【この記事を読むために抑えておくとよい流れ】 ・半井桃水(なからい とうすい)との出会いと…

ふでねこ
2年前
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トーベ・ヤンソン〜ひとりぼっちの物語が世界が照らす〜

いつだって一人ぼっちだ。 絵を描いたって何もならない。 でも、だからこそ描くのだ。 トーベ…

ふでねこ
2年前
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水木しげる〜ゲゲゲの漫画道〜

1961年3月、東京、調布。 房枝※1が玄関の引き戸を開けると、音を聞きつけた茂が飛び出してきた。口にGペンを咥えている。 ※1 布枝。水木(武良)茂の妻。本記事では「房枝」の表記にしています。 「どうだった!?金はもらえたか!?」 咥えていたGペンが吹っ飛びわたしの顔に当たる。 「それがあの、払ってもらえませんでした…」 「何でだー!!」 みるみる茂の顔が赤くなる。頭から湯気が出そうだ。 「殺す気か!ふざけるな!」 「わたしも言ったんです。払ってもらわなきゃ、生活してけませ

宮沢賢治〜さよなら銀河鉄道の夜〜

駅の待合室の木のベンチに腰掛けたら、タイツ越しに冷気が腰あたりまでのぼってきた。 伸びを…

ふでねこ
2年前
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正岡子規〜血吐けど 書くは止めざり ホトトギス〜

正直、自分でも無責任な男だと思う。 けれど正直、困惑していた。 それが彼女から子供が出来た…

ふでねこ
2年前
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【1人の男と2人の女】与謝野鉄幹・晶子・山川登美子を巡る物語1/3(山川登美子篇)

山川登美子篇→与謝野晶子篇→鉄幹篇の順でお読み頂くと、内容が分かりやすくなっております。…

ふでねこ
2年前
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【1人の男と2人の女】与謝野鉄幹・晶子・山川登美子を巡る物語2/3(与謝野晶子篇)

山川登美子篇→与謝野晶子篇→鉄幹篇の順でお読み頂くと、内容が分かりやすくなっております。…

ふでねこ
2年前
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【1人の男と2人の女】与謝野鉄幹・晶子・山川登美子を巡る物語3/3(与謝野鉄幹篇)

山川登美子篇→与謝野晶子篇→鉄幹篇の順でお読み頂くと、内容が分かりやすくなっております。…

ふでねこ
2年前
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