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【魔法少女】【感想】アニメ『ひろがるスカイ!プリキュア』~天高く広がる爽やかな名作~

こんにちは、唐梨です。
今日は『ひろがるスカイ!プリキュア』の感想について書こうと思います。
それでは早速いってみましょう。

※ネタバレを含むためご注意ください。




『ひろがるスカイ!プリキュア』とは

2023年2月〜2024年1月にかけて放送された、シリーズ第20作目。つまりプリキュア20周年作品でもあります。通称ひろプリ。

去年のデパプリの感想の時も同じこと言ってましたが、今年もなんとか次回作が始まる前に感想を書き終えられて良かった…!



音楽が超かっこいい

まず、ひろプリは音楽が最高にかっこいいなと思っていて。テーマがヒーローだからなのか、いい意味で女児向けアニメっぽくないのです。

まずオープニング曲の『ひろがるスカイ!プリキュア ~Hero Girls~』。初めて聴いた時に「全然ガーリーな曲調じゃない!大人向けの曲でもおかしくないカッコよさだ!」と感動したのを覚えています。

次に、キュアスカイとキュアプリズムの合同技アップドラフトシャイニングのBGM。これまた女児向けアニメ感がなく、おそらくエレキギターを使った疾走感があるサウンドで、特に冒頭がかっこよくて鳥肌が立ちます。

これを含む今作のサントラは深澤恵梨香さんという方がご担当されているそうで。このほかに変身BGMもすごく素敵なんですよ!

今作は主人公もピンクキュアじゃなくて青キュアですし、初の男子プリキュアも登場していますし、あえて中性的な演出にしているのかな、と感じられました。
なので、もし「プリキュアに興味はあるけれど、世界観がキュートすぎて、大人が見るには抵抗がある…」と遠慮してしまいがちな大人の皆様がいたら、初見の作品として特におすすめです!



登場人物語り

それではここからメインキャラであるプリキュア5人の感想に入ります。


ソラ・ハレワタール/キュアスカイ

史上初の青キュア主人公、史上初の異世界出身主人公と、20周年ということでいろいろ革新的な設定の、初めて尽くしの異例の主人公。

とはいえ蓋を開けてみたら、そんな異例だからという属性や設定は関係なく、一人のプリキュア主人公としてとても魅力的でした。これは毎年シリーズが変わるごとに思いますね!これだけたくさんのキャラクターを量産しておきながら、それぞれ違った個性のプリキュアを保ち続ける制作陣の方々って本当にすごいです。

放送開始前にキービジュアルだけ見た時は、いわゆるイケメン枠で冷静なクールキャラなのかな、と思っていました。ですが、放送が始まってみると意外に天然ボケで脳筋なところも。一本気でまっすぐで、ど真面目で馬鹿正直。時々それが行き過ぎると、壁にぶち当たった際に心が揺らでしまう、不器用な脆さもある。ヒーローがテーマの主人公だけれど、ヒーローはヒーローでも「完全無欠のヒーロー」ではなく「人間臭い努力型のヒーロー」でした。

そして逆説的ですが、だからこそかっこいい。正義の味方だって、いつでも正しくていつでも善人な毎日ばかりじゃない。未熟だし、いっぱい悩むし、諦めたくもなる。だけど、そのたびに現実を認めて立ち向かっていく。まさに立ち止まるなヒーローガール

ソラちゃん自身は「完全無欠のヒーロー」を目指していて、だからこそ現実の自分がそうではないことのギャップに悩みもがくわけです。けれど、「人間臭い努力型のヒーロー」が「完全無欠のヒーロー」になろうとする過程は、周囲の人たちや視聴者に勇気を与えているわけで、その意味では試行錯誤の過程も立派なヒーローと言えます。異世界から飛ばされ、プリキュアに覚醒し、仲間と出会い、敵と戦う中で、自分の中の「ヒーロー」の定義がより柔軟に広がっていくところが、ソラちゃんの成長であり魅力ですね。まさに知ることで広がる世界

特にオープニングの最後の、優しさとかっこよさが入り混じったような笑顔なんて、見る者を虜にしてしまうんじゃないでしょうか。あのなんともいえない表情は、ソラちゃんの泥臭い努力の積み重ねや、人間のしての厚みが感じられますもん。最終回のましろんのセリフと被りますが、やっぱり私の中でもソラちゃんは強くてかっこいいヒーローです。

あと、個人的にキュアスカイのキャラデザってすごいなと。ツインテールであんなにかっこよくデザインできるんだって思ったのです。真面目で体育会系のヒーロー気質と、ともすれば可愛さや甘さの象徴になりがちなツインテールの髪型を、絶妙に融合させているのです。その意味でも、キュアスカイのカラーリングは青キュアで正解だったのかも!


虹ヶ丘ましろ/キュアプリズム

通称ましろん。聖母。包容力の固まり。まるでマリア様のように「この人なら全てを受け容れてくれる、許してくれる」と相手に思わせる何かがある。本人は自分には取り柄も夢もないと悩んでいましたが、こういう目に見えないけど人として大事なこと系の力がずば抜けて高いのがましろんの魅力。だから登場人物の中で、最も多くの人物から重めの愛で溺愛されている。

実際、作中で23話と49話の二度に渡って、ソラちゃんをどん底のピンチから救っています。この事実だけ切り取ると、むしろソラちゃんがヒロインで、ましろんがヒーローなのではと思えてきます。この作品はヒーローがテーマなので、ましろんの包容力に特化した在り方もまた、ヒーローの一つの形なのかなと思います。力が強いだけがヒーローではない。まさに敵側のアンダーグ帝国が問題提起していた「力がすべてではないのだとしたら何を信じればいいのか」に対する答えを、ましろんが体現している

彼女が後半で会得した決め技プリズムシャインは、バッタモンダーもカイゼリンも浄化しており、癒し系で一番戦闘要員っぽくない本人とは裏腹に、何気に作中の戦闘で一番ファインプレーを連発しているのがましろんなのも、柔よく剛を制すで、なかなか示唆的で面白いですね。

とまぁこのように、ソラちゃんとましろんは、ヒーローとヒロインの役回りが持ちつ持たれつで、その時々の状況に応じて最適な役回りをそのつど選んで、お互いに助け合っています。
そして今作は、明確にプリキュアがヒロインではなくヒーローだと打ち出された作品で、「いわゆる変身ヒロインモノのシリーズなんだけれども、それだけに留まらない、枠を飛び出して挑戦し続ける20周年の一つの節目」として話題になりました。

ですが、これってある意味、初代プリキュアのコンセプトである「女の子だって暴れたい」にきちんと敬意を払ったのコンセプトなんだなと。
女の子は守られるだけじゃない、と初代は言ってきたけれど、守られる側こそ、実は守る側を救うヒーロー的役割を担っていることもあるし、そもそもする側/される側の関係は永遠じゃないし、TPOに応じて柔軟に変わるし、男女で役割が固定されているわけでもないし、持ちつ持たれつが人間社会なんだよ、と。

ソラましコンビは、初代なぎほのコンビへのオマージュが意図的にちりばめられていると、様々な方が指摘されていましたが、本当にその通りだなと思います。

とはいえ、やっぱりソラましはソラまし。互いを思いやるがゆえに空回りする初期から、固い絆で結ばれた終盤までの流れは、最高に熱い名コンビです。

余談ですが、ましろんって目の表現力が一番高いと思いませんか?目で感情を語るというか、目の表情が一番色っぽい(やらしい意味ではなくて、慈愛あふれる包み込まれるような色気という意味)。
ソラちゃんがピンチから帰ってきた時の待ち侘びた安心の表情とか、マジェスティックハレーションの決めポーズの伏し目とか、紋田がバッタモンダーと分かった時の泣きじゃくる顔とか。
温厚でおっとりしているけれど、人の心の機微に敏感な優しさがあって、ここぞの時はキメる芯の強いましろんは、私の憧れの女の子です。


夕凪ツバサ/キュアウィング

史上初の男子プリキュア。プリキュアの歴史が動いた瞬間。ですが、ソラちゃん同様ツバサくんもまた、初の男子プリキュアだからという属性や設定は関係なく、シンプルに一人のプリキュアとしてとっても魅力的。

ちょっぴり内気ではにかみ屋で、だけど年相応に背伸びしてふるまう可愛いところもあって、でも年不相応に精神的に大人びているとこもあって…。今は少年ですが、これが青年になったら一体どんなに立派に成長して大活躍していることかと、ワクワクしてしまいます。

キャラデザも天才的で、ツバサくんは困り眉なところが、少年らしい可愛さに拍車をかけてますよね。女子会に違和感なく混ざれるタイプの男子なのが伝わりますし、あげはさんがからかいたくなるのも分かる(笑)でもやっぱりヒーローとして、ナイトとして、かっこいい。村瀬歩さんの演技も相まって、12歳前後の年頃でしか見られない絶妙なカッコ可愛さが、全面に表現されています。

さてさて、ソラちゃんが「ヒーローの定義を柔軟に広げること」、ましろんが「自信がないところから自分の夢や強みを見つけること」をテーマに設定されているとしたら、ツバサくんが担ったテーマは「いざ夢が叶ってしまったら、次はどうすればいいのか」です。

彼の夢見ていた「空を飛ぶこと」は、皮肉にもプリキュアに覚醒することで、思わぬ形で叶ってしまった。じゃあ次は何を夢見て生きればいいのか?行き場を失った情熱の扱い方が、ツバサくんのストーリーの見どころです。

最終的には、ヨヨさんに次ぐ、スカイランドを代表する賢者への道を歩み始めるわけですが、そのために様々な本をたくさん読んで、見聞を広げる旅に出ます。これもまた、知ることで広がる世界ですね。

また、それに連動してツバサくんがもう一つ担っているテーマは「自分の適性を探して、芽が出るまで育てること」です。元々は空を飛べないプニバード族だったからこそ、航空力学の勉強をするようになり、それが転じてプリキュアの戦闘で彼の頭の良さを活かす機会につながり、回り回って賢者への道に至ったわけです。それは最初から綺麗に見つかった道ではなく、ツバサくんが分からないなりに行動し続けたからこそ。知ることで世界は広がるけれど、知るためには行動することが大事。そんな現代の私たちにも大切なことを、彼は教えてくれています。


聖あげは/キュアバタフライ

史上初の成人プリキュア。といっても、2022年に成人年齢は20歳から18歳に引き下げられているので、保育士をめざす専門学校1年生です。

自分の実体験だと18歳の時なんて超絶お子様でしたが(いや今でもお子様ですが)、あげはさんはとっても大人。最終回でツバサくんも言っていましたが「かっこいい大人」なのです。別にギャルではないのですが、ギャルマインドを持ち合わせており、華やかで、サバサバしていて、面倒見がよくて、努力家。

個人の推測ですが、私が思うに、あげはさんが18歳の年齢の割に既に完成された人格者なのは、以下が理由なのかなと。

①初の成人プリキュアとして違和感なくストーリーに馴染みやすくするには、できるだけ若いほうがよく、その最年少が18歳であること
②メイン視聴者層である女児からすれば18歳は立派なお姉さんであり、立派な大人であること
③お子様だけでなく親御さんも感情移入できる、橋渡し的なキャラクター造形にしたかったこと

ですが。
いや、だからこそと言うべきか。

そんな完成されたあげはさんにも弱点はあります。それは「すべて自分でしょいこんで周りを頼らないこと」です。これは珍しいことではなく、過去のプリキュアでも似た悩みがテーマだったプリキュアはいます。それだけ人間が壁にぶち当たりやすい普遍的な悩みといえましょう。

しかし、そんな過去のプリキュア達は、どちらかというと生真面目な性格だったり、中学生でまだまだ未熟で、同世代の仲間と手を取り合う形に落ち着くことが多かったです。

ですが、あげはさんの特筆すべきは、フランクで陽キャな性格である点です。一見すると、そつなくこなしているように見えるわけですが、これって裏を返せば、心配させまいと明るくラフなテンションを装っている、かつ、周囲にそれを無理していると思わせない能力の高さがあるだけで、実は切羽詰まっている可能性もありうるんですよね。

そしてもう一つ特筆すべきは、頼れるようになった後に、作中で最も頼る相手が12歳のツバサくんな点です。なんと6歳年下。これって年齢ではなく、一人の個人としてツバサくんのことを尊重している証拠なんですよね。変に「大人だから」とか「子供のくせに」とかがない大人としての監督責任はしっかり果たしつつも、立場や肩書に固執しすぎず、柔軟に周りを頼っている。特にストーリー終盤のツバあげコンビの掛け合いシーンは、名シーンばかりなので、ぜひご覧いただきたいです!

それと、あげはさんは、変身シーンや決め技シーンで一瞬だけ垣間見れる、小悪魔っぽい表情も蠱惑的ですよね!「大人かわいい」がぎゅっと詰め込まれたキャラクターデザインなのです。
それはカラーリングにも同じことが言えて。
今作は主人公ソラちゃんが青キュアということで、代わりにあげはさんがピンクキュアを継承しているのですが、ピンクはピンクでも、淡い桜色よりは、ぱきっと鮮やかなショッキングピンク寄りのピンクなのです。
健康的なセクシーさとキュートさが両立された、新しいピンクキュア像、とっても素敵でした!


エルちゃん/キュアマジェスティ

スカイランドのプリンセス。エルちゃんは赤ちゃんですが、特別な力にまつわる出自というせいもあるのか、特にストーリー後半で少女に急成長して話せるようになってからは、他の4人のプリキュアに対して背中押しする役割がちょこちょこある印象を受けました。

赤ちゃんながら空気を読んでいて、大人な言葉がけで4人を気遣っている。きっと赤ちゃんの時に4人の個性をいっぱい感じとってきて、それだけ4人にたくさん可愛がってもらったんだろうな、というのが想像に難くない。

特にましろんに対してかな~。5人の合体技マジェスティックハレーション習得シーン、アンダーグ帝国潜入時に一人でバリアを張って食い止めるシーン、最終回のお別れシーンなどなど。聖母のような優しさで周囲を救ってきたましろんを救うのが、赤ちゃんポジションのエルちゃんというのがまた、なんとも興味深い関係性ですよね。

プリキュアチームの末っ子らしく天真爛漫な部分と、プリンセスらしく気品ある部分の塩梅が絶妙で、これはなかなか人たらしなお姫様にご成長あそばされるぞ、と勝手に思っています。きっとスカイランドの国民はメロメロになっちゃいますよね。あと個人的に、少女に急成長した時の身長が、しっかりツバサくんより高いのもツボです(笑)



最後に

『ひろがるスカイ!プリキュア』のタイトルを体現した、抜けるように青い空の爽やかさと、どこまでも高く広がるスケールの大きさが魅力の作品でした。

改めて、制作に携わってくださったすべての方々、本当にお疲れさまでした!一年間、最高に楽しい朝の30分をありがとうございます!
この5人の活躍をいつまでも見ていたい、と思わせる最高のチームワークのひろプリ。大人でも折に触れて見返したい名作でした。

この感謝をもって、感想の結びとさせていただきます。

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