2行目の奇跡

在宅ワーク10年目。

やり取りで使用するのは電子メールのみ。電話は、被認定者に対する登録に関する説明を行うときくらい。事前に予定を組んで、時間になれば相手からかかってくる。

そのため、予定外に着信音が鳴った時の案件は基本的にやばい。

10年前は、曜日時間関係なく、体調と体力が許す限り、延々と仕事をしていた。

今は、休むことも精度に影響することを学んだのでそんなことはしない。


かつては、電話の方が早いじゃんと思っていて、電子メールでのやり取りなんて面倒だと思っていた。しかし、電話だと、伝わったつもり、伝えたつもりが発生し、業務にきたすことがわかった。対面だと、それがさらに助長され、法務の仕事的には、電話を避けたいという事態に変化した。電子メールの方が、作成や理解は大変だが、会話のロスよりは問題を回避できる。また、問題になっても、対象となるやり取りを活用して、解決をはかることができる。


誤解されると、心身ともに疲弊するので、今は電話を避けるようになった。もちろん中には、言語化するのがもともと苦手な人々もおり、そういった人々は何かあれば電話しますといってくれるが、記録が必要な業務ゆえと、お気持ちだけいただくといった状況。


今の若い人?なんて表現も古いかもしれないが、20代の人たちは電話を取るのが苦手な人が多いというが、その心理はどんなものだろうか。こんなことを考えていると、令和の時代に、自分の中の昭和感を感じる。新しいものについていかないとという感覚もよぎるが、対人支援ビジネスの対象については、今のところ、昭和出生者がほとんど。平成はまだまだ少ない。自分は、気楽に気長にゆったりと令和と昭和を行き来すればいいのかもしれない。


そんな中、膨大で長文の重要メールですら、1行で返答する人物もいる。しかも、その1行で成立するような返答であるから、「お見事」というしかない。

先日、この人物に業務に関する報告を行ったところ、珍しく2行目があった。ちょっとした所感だったが、非常に嬉しく感じた。

2行目のありがたさに笑った。


こんなやり取りに、つかの間のほっこりを頂戴した次第。

ネガティブな内容も業務的にはよく取り扱うが、それも含めて、意思表示していただけることに感謝、感謝である。



在宅ワーク14年目の法務寄りの事務方さん。 元弁護士秘書でうたうひと。QOLを高めるサービスの会社に従事。永遠のテーマは共存共栄。価値観の多様性をそのままに一人残らず対応したい。