【連続note小説】日向食堂 小日向真司16歳
公立高校に合格した真司は、晴れて高校生になった。
野球はしたかったが、文枝に気兼ねして部活には入らなかった。
少しでも学費の足しにしようと、新聞配達のアルバイトをした。だから友達と遊びに行くようなことはなかった。
真司は気のいい性格だったから友達は多かった。
「真司、たまには遊びに行こうぜ」
ある冬のこと、同じクラスの友達にスケートに誘われた。
文枝にそのことを打ち明けると、文枝はなけなしの財布から小遣いをくれた。
真司はクラスの友達と出掛けることになった。
みすぼらしい服装だったが、誰もそんなこと気にもしなかった。
真司は生まれて初めてのスケートだった。
歩いては転び、歩いては転び、よちよち歩きに赤ん坊に逆戻りした気分だった。
そんな真司に一人の女子生徒がコーチをしてくれた。
やがて少しは滑ることに慣れてきた真司は、二人で話をしながら滑った。
何時間も足が痛くなるまで滑った。
こんな楽しい時間があるのか、できればこのまま終わらないでほしい。
真司は願うように思った。
そして真司は立花あおいに恋をした。
<続く…>
<前回のお話はこちら>
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小説を読んでいただきありがとうございます。鈴々堂プロジェクトに興味を持ってサポートいただけましたらうれしいです。夫婦で夢をかなえる一歩にしたいです。よろしくお願いします。