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【ショートエッセイ】とうとうハンディファンを買いました

やっと、やっとのことでハンディファンを購入した。

夏はもう20年近く扇子を愛用してきた。
扇子の良いところは、かさばらなくて場所を取らないところだ。

しかし最大の欠点がある。
扇子を振る腕が長く持たない。

右腕で扇子を振るが1〜2分もすれば疲れてしまう。
左腕も持ち変えて振るが、またすぐに疲れてしまう。
何度も何度も腕を変えながら扇子を振り続けなければならない。

涼しくなっているのか、かえって汗をかいているのか・・・。

ハンディファンはいろいろな場所で見かけるようになった。
コンパクトだし使っている人は涼しそうだ。
でもぼくはなぜか購入する気になれなかった。

その要因の一つは、若い人たちが使っていることだ。
おじさんがそんなアイテムを使って、変な目で見られないだろうかと恐怖心がつきまとう。

二つ目は風力。
果たして扇子の風力に勝てるのだろうか。
使ってみたけど、やっぱり扇子の方が良かったってならないだろうか。

三つ目は充電切れ。
充電を忘れてマシンが動かなくなったら、電車待ちの駅のホームは修羅場と化す。

四つ目は持ち運び。
おじさんが首からふわら下げて歩くには抵抗があるし、カバンの中に入れるには少し大きい。

そんなこんなで購入について10年?近く躊躇していた。
やはり使い慣れた扇子でいいとずっと思っていた。

しかし歳には勝てない。
扇子を振ることが辛くなってきた。
それに反比例して年々暑さが厳しくなってきた。

思い切って買ってみよう。
そして使ってみた。

なんと便利なマシンだ。
少し持ち運びに不自由するが苦痛には至らない。

価格も決して高いとは言えない。

風力は最大にすれば扇子に全く劣らない。

途中で充電がもし切れたら、扇子をカバンの中に忍ばせておいて、いざという時に使えばいい。

この便利さは、恥も外聞も言ってられない。

なんで今まで使わなかったんだろう。
おじさんの了見の狭いこだわりは、得することなんて何もない。

反省します。

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