桜の季節に又兵衛桜を見に行こう(前編)
大阪の陣という前代未聞の大きな戦争があった。
その戦争の後、戦国時代は終焉を迎えた。
豊臣秀吉が築いた天下は、徳川家に奪い取られるように引き継がれた。
豊臣家は根絶やしにされ、その象徴であった大坂城は焼け落ちた。
この戦争は最初から勝敗が決まっていた。
豊臣家に仕えていた家臣たちは、ほとんど徳川に寝返っていたからだ。
いつの時代もそんなものだ。
強く力のあるものに人はたかる。
生き延びるためには、やむを得ない。
みっともない生き方かもしれないが、その方が利口だ。
だからこの戦争はやるべきではなかった。
豊臣家は大人しく負けを認めるべきだった。
それはまるで第二次世界大戦を彷彿させる。
負けを認めていれば、何百万人もの人が亡くならなくて済んだものを・・・。
戦いたかった人はほんの一部の人だけ。
そんな一部の人のプライドを守りたいだけのために、なぜあり得ない数の人が死ななければならなかったのか。
この無謀な戦いに、時代の波に流されることなく戦った武将がいた。
豊臣家への従順な気持ちからかのか、一攫千金を狙ったのか、それは誰にもわからない。
しかし、勝ち目がないとわかっていながら、この戦争に自分の命をかけたことには変わりはない。
媚を売りながら生きながらえるより、死を選ぶ。
なんともロマンを感じる。
そんな武将の中に、後藤又兵衛という武将がいた。
"槍の又兵衛"と呼ばれたほどの槍の使い手だったらしい。
頭のいい戦略家、そして勇猛果敢な武将。
彼ならもっと大きな国の大名になっていてもよかったんじゃないだろうか。
でも又兵衛はそうはならなかった。
後編にぼくの勝手な想像を記してみる。
<後編へ続く>
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