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永遠の自由、一瞬の自由

子供の頃は能天気だったなぁ。
将来のことなんて考えもしないで、毎日友達と遊んでいた。

勉強する意義なんて分からず、先生に言われるままに宿題をやっていた。

何から何まで両親が世話をしてれた。
そんなことは当たり前のことだと思ってた。

今のぼくと比べてみよう。

お金に追い回され続けている。
お金がなくて自分がひもじい思いをすることは気にしないが、家族をそんな目に遭わせる訳にいかない。
子供の頃はお金のことなんて、気にすることを知らなかった。

あくせくと毎日の仕事をしている。
お金のためだ。
仕事は嫌いじゃないが、毎日同じ時間に起きて、毎日同じ仕事をして、遊びに行くことなんてほとんどない。
子供の頃は毎日遊ぶことが当たり前だった。
風邪をひいて遊べない日は、何かの罰ゲームみたいに思っていた。

休日は家族サービスの日だった。
ぼくの息子たちの喜ぶ顔を見ることが、何よりの楽しみだった。
仕事の疲れなんて気にもしないで、息子たちの相手をしていた。
ぼくの子供の頃、両親に楽しい時間を作り出したもらっていた。
何不自由なく、楽しい時間が満ち足りていた。

いつも何かに縛られて、自由なんかない。
そんな生活を何十年も続けてきた。
確かに子供の頃は自由が溢れていた。
でも子供の頃に戻りたいとは思わない。

なぜかと聞かれると、答えはひとつだ。
縛られた自由の方が楽しいからだ。

お金、仕事、家族サービス、ぼくを縛るものはそれだけじゃない。
しかし必死に頑張って手に入れた自由は、その辺に転がっている自由と、その楽しさは比べ物にならない。

長い間待ち望んで、ほんの一瞬、自由を得られるのかもしれない。
しかし自分で作り出した、自分で勝ち取った自由だ。
これを味わってしまったらもうやめられない。

小説を読んでいただきありがとうございます。鈴々堂プロジェクトに興味を持ってサポートいただけましたらうれしいです。夫婦で夢をかなえる一歩にしたいです。よろしくお願いします。