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【通勤電車の詩@出張版】思いやりは永遠に・・・

おとなしそうな女性だった。
長椅子に座っていた。
彼女の目の前ではないが、近くにご老人が乗ってきた。
彼女はそのご老人に声をかけるでもなく、席を立った。
おとなしいから声をかけづらかったのかもしれないが、ご老人に席を譲ったのだろう。
ご老人は気付いていたのか気付いていないのか、なかなか座ろうとしない。
すると、近くに立っていた傲慢そうなおじさんが座ってしまった。

おじさんはすぐに目を閉じて眠り出した。
彼女は扉の近くに立っている。
思いやりが傲慢に台無しにされた瞬間だった。

こんなことって世の中でたくさん起きているのだろうなぁ。
思いやりや優しさは、傲慢や身勝手に勝てない。

思いやりのある人は常に控えめだから、自分の都合を最優先する傲慢な人はそれを押さえ込もうとする。
優しい人は人を傷つけたくないから、身勝手な人はそれにつけ込んで利用しようとする。
これはもう勝負になんかならない。

だからと言って消滅してしまったことなどないし、この先も無くならないだろう。
思いやりや優しさは、人を幸せにしたいと願う何にも怯まない信念を持っているから。



通勤電車の詩@出張版」として鈴々堂へ"出張"シリーズ。
休日の夜のひとときにそっと寄り添います。
通勤電車に揺られながらふと思ったこと・・・。
明日は連休最終日。英気を養って、また毎日を頑張ろう。

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