【ショートエッセイ】騙されて悪いことなんかない
例えばすごい高金利が得られると話を持ちかけて、大金を騙し取るような詐欺まがいな犯罪が後を経たない。
当然のことだが、人を騙してお金を騙し取るなど、許されない犯罪行為だ。
なぜか騙された方も、後ろ指を指されるような扱いを受けることがある。
騙されただけなのに、なぜそんなことになるのだろうか。
騙された人を責める人は、きっと欲ボケて一獲千金なんか狙おうとするからダメなんだって言うのだろう。
では欲ボケることがなぜ悪いのだろうか。
いや、決してボケていた訳じゃない。
誰だってお金は欲しい。
もし騙された人に難病な子供がいて、高額の治療費を払わなければならないという事情があったなら、それでも責められなければならないのだろうか。
有り余るお金を持っているわけではない老人が、年老いた奥様に老後の資金を残そうとして騙されたとしても、責められなければならないのだろうか。
事業に失敗して再起を賭けようとして、資金を確保しようとした実業家のなけなしの貯金を騙し取られたとしても、責められなければならないのだろうか。
きっと事情を知れば、だれも責めたりしないだろう。
責める人にも責める理由がある。
人生に行き詰まっている人、お金の苦労をずっと強いられた人、病を引きずって思い通りの人生を歩めない人・・・。
みんな、辛くて悲しい事情を抱えている。
だから理解し合えばいいじゃないか
だからせめて労り合えばいいじゃないか。
小説を読んでいただきありがとうございます。鈴々堂プロジェクトに興味を持ってサポートいただけましたらうれしいです。夫婦で夢をかなえる一歩にしたいです。よろしくお願いします。