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Agile SPICE解説 エンジニアリングプロセス

基本的にA-SPICEと同様だが、バックログ等についての記述がある。
全体を通して一貫性・双方向トレーサビリティはスプリントごとに維持する必要がある。

SYS
SYS1,2でプロダクトバックログを作成することが記述されている。
利害関係者要求リストがプロダクトバックログのベースになるイメージ。
システム要件のスプリントバックログの作成についても記述されている。これはSYS2でおこなう。

SYS3からはスプリントバックログに従って活動が進む。
SYS4,5にスプリントごとのテスト仕様が戦略に従って作成されていることと記述がある。
よって各スプリントごとの統合順序や統合テストの方法・範囲は事前に定義しておく必要がある。
SYS5のテストケース選択ではユーザストーリーに基づくことが記述されている。

SWE
SWE1でプロダクト/スプリントバックログについて言及がある。
システムレベルのバックログと同一とすべきか別個に扱うべきかは一考の余地がある。
例えば分業体制やプロダクトの規模に依存すると考えられる。
SWE2-3はスプリントごとに拡張・発展させていくことを意図していると思われる。
コミット前に詳細設計が利害関係者によって合意されていることと記述がある。
しかし、スプリントの最中に開発チーム外との意識合わせをすることは非現実的なので、チームごとのブランチ環境を用意するなどしてコミットを管理したほうが良いと考える。

SWE4はA-SPICEと同様。
ただし完成の定義に含めることができる。
SWE5-6はリリース計画との整合という表現がある。
リリースとリリース可能な状態を混同して記述していると思われる。
一般的なスプリント期間(1, 2週間)と車載ソフトウェアのリリース期間(3ヶ月)は大きく異なるので、一度のスプリントでリリースを考慮した統合が必要になると思えない。
スプリントごとの段階的な機能拡張と、リリースのためのスプリントが別にあると捉え、各期間に対して統合状態等を定義するということを言いたいのかもしれない。

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