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トルコ伝統のスパ"Hamam"に行ったらオッサンに胸を揉みしだかれた日本人男

イスタンブール旅行四日目の出来事

イスタンブールは広範囲に歴史的な建造物がぎちぎちに詰め込まれているため、サクサク名所をかいつまんで観光するよりも、実際に足で歩き回った方が楽しい。
僕は毎日20km近く歩き回り、とうとう4日目に疲れのピークに達してしまったため、"Hamam"という公衆浴場に行くことにしました。

Hamam(ハマム)とは

ハマムを一言で言えば「スパ」。
その起源は古代ローマ時代に遡り、イスラーム世界に引き継がれて現在の形になっているようです。
一般的なハマムでは以下のような体験ができます。

ハマムの室内は蒸気100%、温度が50度に近いムシムシした空間になっています。その中で温められた大理石の上に寝そべって身体を温めていきます。お風呂というより日本でいうところの岩盤浴といったほうが伝わりやすいかもしれません。ハマムでは、ケセジあるいはナトゥル(男性はテッラック)と呼ばれる垢すり師に身体を洗ってもらいます。ハマムは男女別になっているのが一般的で、客と同性の垢すり師がつきます。

Turkish Air and Travel "トルコの風呂(ハマム)事情とは?旅行者に人気のハマム入浴方法&おすすめグッズ
"

現在のイスタンブールには「観光客向け」サービスを提供しているハマムと、地元民がゴリゴリ押し寄せるタイプのものがあります。
前者は最低でも一万円ほどしますが、僕が行ったところは1500円程度でした。
含まれているサービスは基本同じで、トルコ式風呂(サウナ)とマッサージがたのしめます。

金欠旅行者なら地元のハマムに行くしかないだろう。

トルコの物価はうなぎのぼりで地元の人も苦労しているよう。
僕のような金欠旅行者には「観光客用ハマム」は手が届かず、当然ローカル激安ハマムを探す。

宿泊先の部屋にはシャワーしかないので、サウナとマッサージで旅の疲れを全快したいのである。

しかしながら、庶民向けのハマムは「危険そう」なエリアに位置しているものも多く、衛生面も不安。
半ば諦めながら旅行者のブログを検索していると。

350TL(1500円ちょい)でやってくれる、googlemapで高評価のハマムがあった。

ここです。トラムのFenerという駅(旧市街の中心地のEminonuから数分の駅)から徒歩で着きます。
非常にアクセスも良く、近隣はBalat と呼ばれる美しい街並みが広がるエリアです。

入口

意を決して入場

値段は安いし、嫌な体験をしても旅の思い出にしようと前向きな気持ちで入店。
すると番台のおじさま(多分65歳以上)がトルコ語でお出迎え。
観光客相手は慣れているのか身振り手振りで料金の説明や、指示を出してくれました。親切。

個室に案内される

Hamamではまず最初に個室に案内される。
この個室は更衣室と休憩スペースを兼ねており、扉には鍵付きで3畳くらい。

陰部を隠す用のガシガシの布を渡され、全裸になるように言われました。
そして支度を済ませてその旨を伝えます。

個室

いざトルコ式サウナへ!

番台のおじさんに「全裸になったよー」と伝えると、別室に案内されました。
そこはいわゆる「トルコ式サウナ」で、高さ5mはあろうかという大きなドーム状の建物です。
大理石でできた床と、同じく大理石の小上がり(横になってリラックスできる)があり、なかなかゴージャスではないですか。
サウナはスーパー銭湯のミストサウナよろしく、湿度が非常に高くいい汗がかけます。
ちょっとカビ臭い気もしますが、とても気持ちいい。

サウナの隅を横切る黒い影を確認。

気持ちよく小上がりで横になっていると、何やら素早く動く小さな黒い影が視界に飛び込んできました。

これは間違いなくゴキブリ。

トルコのゴキブリと一口に言っても色々な種類があるようですが、僕が見たのは日本の格式高いクロゴキブリが2度ほど脱皮した姿と酷似していました。
成虫になる前なので羽は発達しておらず、お湯を流して排水口に退治しましたが、一気に気持ちが悪くなりました。最悪です。

そして同時に、ゴキブリ一匹でここまで気分が変わってしまう自分のヘタレ具合にもうんざりしました。

番台おじさん、上裸になって再登場

ゴキブリの再来に怯えながらサウナで15分ほど待機していると、先ほどの番台おじさんがサウナにやってきました。手には垢すりタオルらしきものや、マットを持っています。
そしておもむろにマットを小上がりの上におくと、うつ伏せで寝るように指示を出してきました。
マットの衛生面に不安を抱きながらも指示に従うと、「マッサージ兼洗体タイム」がスタートしました。
サウナの中での施術のため番台おじさんは激しく汗をかいています。
石鹸で泡だらけの僕の体を、汗まみれのおじさんがマッサージしてくれているのです。この状態だけでも潔癖の人にはかなわんでしょう。
その上、おじさんのマッサージのクオリティはとても低く、皮膚をこねくり回しているだけで、筋肉に全く効いていません。
ちなみにお尻は触られませんでした。

そして伝説へ

僕の背中の背面を十分洗い終わると、次は仰向けです。
とても嫌な予感がしました。あの調子で表皮をこねくり回すマッサージを腹や胸部にやられたら、耐えられる気がしないからです。
想像通り番台おじさんは「皮膚こねこねマッサージ」を継続し、僕はあまりのくすぐったさに吹き出してしまいました。
すると途端に表情が綻ぶおじさん。調子に乗っています。
孫が来てくれたような気持ちになったのか、
さらにヒートアップし、必要以上に胸を揉みしだかれました。
気持ち悪さとくすぐったさで大変疲れる。

シャンプータイム

そして変態マッサージが終わり、シャンプーの時間です。
とは言っても実際にはシャンプーは使われず、洗体に使用した石鹸の泡がそのまま頭髪に使いまわされました。髪の毛はガシガシです。
そして調子に乗った番台おじさんはシャンプーの時間にすら胸を触ってくる始末。最悪な気持ちです。

施術終わり

ずっとサウナにいて汗をかいて、さらに気持ちの悪い施術をされたため、水シャワーでも浴びてスッキリしたかったのですが、それは許されずそのまま個室に戻されました。
個室に入る前に清潔なタオルで体をぐるぐる巻きにされ、休憩。しばらくすると紅茶を差し出されました。

ランドリーエリア

ホスピタリティーは高いが

おじさんも、その息子と思わしき人物もとてもフレンドリーで、嫌な気持ちは一切しなかった。

ただひたすら気持ち悪かっただけである。

サウナ室のカビ臭さ、ゴキブリ、下手なマッサージ、オッサンによる胸揉み。
安全で美しい街イスタンブールでの5日間で唯一、不快な出来事を味わえました。

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