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劣等感の塊だった私を救ってくれた「ことば」の話。

「何をしてもダメ。
 何もかも人より劣っている…
 私に取り柄なんて、一つもない。」

そんなことをずっと考えていました。


劣等感の塊だった私が
初めて、

私にも武器があるかもしれない!

と思えたのは

高校生の時に書いた文章が
全国規模のコンクールで「最優秀賞」を
頂いたことがきっかけでした。


私にとって「ことば」は
何もなかった自分にさした一筋の
「希望」です。


企画という職業を選んだ今も、
「ことば」は私の1番の味方であり
最大の武器だと思っています。

私の人生を変えた
高校時代に受賞した文章を
文字起こししてみました。

稚拙極まりない文章ですが
なんだか分からない熱量は相変わらずですw

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『心の授業』

「戦争はやってはいけない事だと思いますか。」

 中学生の頃、私の通っていた塾の先生は教室に入るなりそんな質問をした。突然の事に、教室内は少しどよめきながらも私たちは、


「もちろんだめだよ。」
「やってはいけない事です。」


と口々に答えた。先生はしばらく生徒の顔を見渡し、
「では何故、戦争をしてはいけないのですか。」
と問いかけた。少しの間沈黙が流れると、一人の生徒がそれを打ち消すように、


「たくさんの人が死んでしまうからです。」
と答えた。すると、


「家族がばらばらになるから。」
「みんな悲しむから。」

と、それぞれの意見を口にした。しかし、先生の言葉で教室は再び静まり返った。

「今日、この一日でどれ程の人が交通事故や病気、自殺などで命を落とすと思いますか。それによって、どれ程の人が悲しむでしょうか。多くの人が死んでしまうから戦争をしてはいけないと言うけれど、戦争の起こっていない日本でも、一日に多くの人が亡くなっていくのです。

確かに皆の答えはまちがっていません。
しかし、戦争をしてはいけない理由は、本当にそれだけですか。」

 その言葉で気づいたのだ。私は、戦争を憎み、平和を懇願していたつもりなのに、戦争をしてはいけない理由が曖昧で、説明できないことに。中学生だった私は、その事にとても強い衝撃を覚えた。呆然としている生徒たちに、

「戦争は人が人でなくなるから、やってはいけないんだよ。」

と、先生は優しく言った。その答えを、その時の私は理解することができなかった。


 先生の言った言葉の意味が分からないまま過ごしていたある日、テレビの画面には戦争で受けた傷口をおさえ、担架に乗せられる人々が写っていた。その姿は何故か、沖縄戦の被害者であり、今でも体と心に深い傷を残す祖母の姿に重なった。

「おばぁがケガして動けずに寝かされている時、傷だらけの日本兵が他の人のご飯を奪う所だって見たんだよ。」

 祖母が話してくれたその一言。私は、はっとした。これこそ、先生の言っていた「人が人でなくなる」瞬間ではないか。
人は、自分の考えやプライドを持ち、それを表現できる。しかし、戦争中は、だれもが生きる事だけを考え、モラルを捨てる。その時、人が人でなくなり、平気で人を殺し、暗い歴史を作ってしまう。だから、戦争をしてはいけないのだ。私は、戦争をしてはいけない理由を明確にできた気がした。

 あれから数年、私は今でもあの時の授業が忘れられない。あの日、塾の先生が一時間かけて教えてくれたことは、どの教科のテストにも出なかった。おそらく、これから先もテストには出ないだろう。しかし、あの授業はテストの点数なんかより、よっぽど大切で価値のある授業だった。

あの時はぴんとこなかった戦争をしてはいけない理由も、今では理解できる。

 戦争による死は、事故などによる死と明らかに違う。「人」として生まれた私たちが、道徳を忘れ、自分が生き残るために同じ「人」という仲間さえも傷つける。もはや「人」は考えることも、表現することも、感情を持つことも失った「動物」になってしまうのだ。
人が人でなくなる戦争を決して繰り返してはいけない。私は、そのことに気づかせてくれた恩師を心から尊敬している。

 高校生になった私には、勉強を教えるだけではなく、心を豊かにしてくれた恩師に恥じないような教師になる、という夢がある。私も将来、子どもたちにしてあげたい。人として大切なことを見つめ、考え、そして後世の人にも伝えていくきっかけを与える。そんな心の授業を。


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高校生の時は先生になりたかったけれど
奇しくもこの時に受賞の様子を

地元紙でも取り上げてもらったことを契機に、

新聞記者を目指し
就活でメディア系全部落ちてw

それでも「ことば」を扱う仕事がしたくて

広告や印刷の会社を志望し

無事に就職することができました!

その会社での経験があるから
今があるので、
ありがたい限りです!

あの時、受賞できたことも

先生の夢を秒で捨てて

新聞記者を目指したことも

印刷・広告の会社で働けたことも

その経験を活かして
「企画」の会社を立ち上げたことも
私の人生において最良の出来事だと思います♪


相変わらず自分に取り柄があるのか分からないけど

今はマイナスな感情に変換されることはありません。

「自分のままでいいんだ」と
思わせてくれた大切な転機でした(^ ^)


「心の授業」

私はまだまだできないけれど

人として大切なことを見つめ、考え、

行動できる人である努力を続けていきたいなと思います。

最後までご覧頂きありがとうございました♡

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