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娘のバレエ体験レッスン

私は根っからの運動音痴だ。
学生時代からも走るのは遅いし、体育でやったバレーボールではボールを受ける度に腕が内出血し、痛くて痛くて泣いた過去がある。
ダンスをしても絶妙にセンスがない。阿波おどりにしかみえないのはなぜだろう。
アメトークの運動神経悪い芸人の皆さんには親近感をおぼえる側の人間だ。


これまでの人生。文化系の部活動や習い事に所属することが多く、現在も体全身を動かす運動とは無縁。
万年、運動不足女である。

踊れない私は、昔から“踊れる人”に対していつも憧れを抱いて生きてきた。

世界に溢れる素晴らしい音楽たちと相互して、自分が表現したい感情や想いを自由に爆発させてみたい…!と実はずっと思っているけど、カチカチな身体はなんとも恥ずかしく、いつも近くのダンススクールをネットでひっそり調べるだけに留まっている。

YouTubeの動画で個人的にダンスを楽しむ程度が、今の私には丁度よい。


そんな私は来世生まれ変わることができたなら、バレエを習いたいと勝手に決意している。


そんな理由もあり1年程前。
よく行くショッピングモールにできたバレエ教室のチラシをもらい「通いたいな~」なんてなんとなく部屋に飾った。


そのチラシに娘は何も反応しなかったし、当分可愛くお洒落なデザインをただ楽しんでいたに過ぎなかったのだが、何の気なしに観たバレエ少女の成長物語ムービーが彼女に火をつけた。

映画で観たものが、いつも見るチラシに写る女の子たちなのか!と頭のなかで結び付いたようだ。
「ほんちゃん、バレエやってみよっかなー!!」
あっという間に、ヤル気満々ほんちゃんの完成だ。


習い事はまだまだ先かと思っていたので、予想以上に早いスタートに戸惑いつつ、当時2歳半くらいの娘に「3歳になったらにしようね~」となんとなく説得した。
その内に熱は冷めるかと思ってのことだった。


しかし彼女は、意思をもって口にしたことは絶対忘れない頑固ムスメ。
安易にした約束でこれまで何度も痛い目をみてきた。
例に漏れず、バレエにも強い意思をもっていた。

3歳の誕生日を迎えて数日。
「ほんちゃん、サンサイなったからバレエするのよ」
と唐突に宣言される。

(あ、たしかに約束したかも…)
夜な夜なネットで調べ、ついに先月。
夢にまでみたバレエスタジオへ親子ともども足を踏み入れた。


体験レッスンのくせに一致ょ前すぎるレッスン着とチュチュを着用させていただき、プリンセス大好き世代・代表は自分にうっとり。

わが子から溢れてくる喜びは、親もやっぱり顔がほころぶ。

身体の発達がまだ未熟な3歳児を相手にしても、講師の先生は大きく受け止めてくださるような方だったことも安心した。


先生に親子レッスンをしていただき、動物に変身しながら身体を動かしたり、鍛えるべき筋力を教えてもらった。
音楽に合わせてジャンプしたり、いつもの遊び+成長につながる挑戦がいい感じにミックスされて、レッスンを受けたあとは母子共々「楽しかった~」と声がそろう。


帰宅してから「もっとやりたいーー!」と言い続ける様子も見て、本当に習ってみたいんだなと感じた。

予々、着せかえ人形状態にならないよう(親の意見を押し付けることがないよう)気をつけて子育てをしているつもりだ。言わせてしまっているのでは…とはじめは少し心配していたが、それも無用。

本人の意思で始められるなら最高じゃないか。
好きなもの・興味のあるものが一緒なことも嬉しい。

更に、小さいうちの経験は何にも変えがたい財産だよね。って夫と話し決意は固まった。
今月からバレエを始めてみることにした。


習うのは親の自分ではないけれど、娘と同じ気持ちで“踊ること”を学んでみたい。
すぐに追い付けなくなるのが目に見えてるのも楽しみだ。

娘の可能性は無限大。
将来どんな女性になるのだろう。
あの経験があったからこういう自分になれた。
そんな風に思ってもらえる時間を少しでも与えてあげることができたらいい。

長年続けた習い事が今の私の仕事にも直結している。
そう思うと自分の親にも感謝の念がわいてきた。

明日は一時保育で、娘は保育園にお世話になる予定。
その間の少しの時間はのんびり両親に会いに行こうかな、とか思ってみたりね。

これから始まるストレッチや練習も、親子が更に仲良しになるコミュニケーションにしたい。

新しい決意ができた娘、おめでとう。
新しい挑戦、楽しみながら越えていこう。


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