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創価学会(SGI)元二世信者の箇条書き:前半

はじめに

このnoteを書いた経緯


これは実家および実家の宗教と縁を切り、選挙期間になると「まだ入れるところが決まっていないなら」とうっとうしいので親からの電話も着信拒否にしていた創価学会(SGI)元二世信者である私が、選挙期間中に思わぬ形「世界平和統一家庭連合(旧称:統一教会)」がホットワードになり、与党議員との関連が取りざたされ、「新興宗教」までトレンドに上がるわでどうにも落ち着かないため、心を鎮めるために実家にいたころに課されていた活動について箇条書きにしたものです。

ちなみに私には世界平和統一家庭連合の元二世の知人がおりまして、まだ事件が起こる前から「生まれて数か月で名簿に載せられて教えが合わなかった二世三世はほんと苦労するよね……」などと愚痴をこぼしあっておりました。
おそらく内部の方は良い事しか言わないでしょうし、脱会した場合は「二度と関わりたくない」「思い出したくない」という理由で活動内容についても語らない方が多いと思うので、これからもし入会を検討される方がいるならこんな感じだよというアナウンスも兼ねて、メモ的にnoteに残す次第です。

なお、これらは私の個人体験であり、脱会は十年ほど前で、うろ覚えなところも多々ありますので、あくまで参考程度にとどめてください。

自己紹介

  • ペンネーム:「朔楽鈴+(さくらりんた)」

  • 実家の宗教:創価学会(SGI)


  • 現在:脱会済み一人暮らし障害者雇用

趣味でほそぼそと創作活動を行っております。
障害について語る用アカウントも持っていますが、割愛します。オタク垢では「朔楽りんた」、障害オープン垢では「鈴+」と名乗っています。

実家の宗教の名誉会長が命名した名前は意地でも名乗りたくないという理由から、歴代ペンネームは好きな花や好きな妖怪から取っています。
両親が学会員だったため元二世と名乗っていますが、祖母も学会員でした。祖母が父を入れたのか父が祖母を入れたのか判然としないため、元二世を名乗らせていただきます。
蛇足かもしれませんが、私は発達障害を持っており、収入が不安定なため実家を出るのはだいぶ勇気がいりました。
が、親族ほぼほぼ学会員、幼馴染も数名学会員、過去に仕事の都合で引っ越しした際には実家からその地域の会員に通達が行って家まで訪ねてきたという経験があり、現在は家族や学生時代の友人、誰にも住所を明かさず一人暮らししています。

脱会方法

各項目について解説していたら長くなってしまったので、先に書きますね。現在二世三世で肌に合わないな~って思ってる人はまずこれを知りたいと思うから。
信濃町の学会本部に内容証明郵便で「脱会します。リストから名前を外してください。今後、一切私に関わらないでください。このように申し上げたにも関わらずつきまとうようであれば警察を呼びます」との旨を送れば良いです。
その後、家族親族その他学会員の友人知人をどう振り切るかは各自の手腕によります。「退転者」と罵られるかもしれませんし、笑顔で静かに圧をかけられるかもしれませんが、がんばってください。
あて名は現在の会長宛とかでいいと思います。

創価学会総本部
〒160-8583 東京都新宿区信濃町32番地

会員となった場合:

さて、逆に、あなたが仏縁により創価学会の会員になったとします。
その場合、まずやろう!と言われることを下記に挙げていきます。これらは基本項目であるため、解説を長めにつけました。

朝晩の祈祷「勤行(ごんぎょう)」


私の時代は畳に正座の上、仏壇に安置されている文字曼荼羅に向かって、後期大乗仏典である法華経全28章のうち2章と16章を音読の上、法華経の正式タイトル「妙法蓮華経(みょうほうれんげきょう)」に南無(なむ)をつけた「南無妙法蓮華経(なんみょうほうれんげきょう)」を最低100回詠唱します。
音読と詠唱を合わせて「勤行」と言い、南無妙法蓮華経のみ唱えるパートを「お題目」と言います。「題目」は現代語に直訳すると「表題」「タイトル」です。
慣れると2章16章音読+お題目100回程度であれば10分を切ります。朝は忙しいのでそんなちんたら唱えていられません。高速読経とか別に覚えたくなかったけど?
なお、法華経の正式タイトルは「正法蓮華経(しょうほうれんげきょう)」「妙法蓮華経」の2パターンがあり、どちらを正式なものとするかは宗派によって異なります。

ちなみに「南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)」は念仏(ねんぶつ)です。
浄土宗・浄土真宗といった念仏を唱える諸宗派と題目を唱える日蓮系諸宗派は伝統的に仲が悪いので、学会員の前で「南無妙法蓮華経」のことを念仏と言ったり、「お題目って『なんまいだー』って唱えるやつ?」と言ってしまうとだいたいの学会員は怒り出すか鼻でせせら笑ったのちに「違うよ、お題目はね……」と恰好の対話チャンスが始まってしまうので、覚えておくと良いと思います。

詳しい教義は省きますが、創価学会ではこの「妙法蓮華経」の文字そのものが仏をあらわしているのだとしており、お題目の詠唱時間は長いほど良いとされ、そのうち耐久10時間超ロング詠唱への参加を勧められるようになります。足が死ぬ。
今は外国人の信徒も増えた&会員の高齢化で、お祈りをする会場では椅子を用意してあるところも多くなりました。

布教目標「広宣流布(こうせんるふ)」

祈祷と並んでメインとなる項目です。広く宣(の)べ、流布させるということで「広宣流布」といいます。
新興宗教なので、人を増やしていかないことには立ちゆきません。し、教えを広めるのは良いこととされます。「まずは一人!」って言われます。
「食べたケーキが美味しかったら人にもオススメするでしょ?やろう!」って言われます。別に私は好きで食べてたわけでもないし、私が好きだと思ったからって人も好きだとは限らないと思いますが、それを言ったところで「でもまずは言ってみないとわかんないじゃん?」と言われます。
誰かが興味を示した場合は「ケーキは実際に食べてみないとわからないでしょう?」と言いながら題目を唱えることを全力で推してきて、唱えて何かちょっとでもいいことがあった場合「初心(しょしん)の功徳(くどく)だよ!」と全力で褒めちぎります。
いいことが特になかった場合は「そう簡単に結果が出るものではないよ、この仏法(ぶっぽう)は『誓願(せいがん)の祈り』だからね」などと言い、結果が出るまで唱えることを全力で推してきます。誓願の祈りについては各自調べてください。
なお、創価学会では仏教ではなく仏法といいます。理由を説明すると長いので割愛します。

広報活動「新聞啓蒙(しんぶんけいもう)」


広報用の新聞「聖教新聞(せいきょうしんぶん)」を取ってもらうことを目標とします。
まずは自分が新聞記事を読み込み、新聞を取ってもらいたいと思った人に刺さりそうな記事を切り抜いて「これ、こないだ言ってた悩みの参考になると思うんだけど」等の言葉とともにお渡しします。うちの両親は自分が読む用、家族が読む用、自分の切り抜き用、人への啓蒙のための切り抜き用に常時10部くらい取っていました。

選挙活動「F取り(えふどり)」


具体的な宗教団体名のついたタイトルで私の記事を読もうと思ってくださった方の多くはご存じかと思いますが、創価学会は2022年現在、与党の一角を担う公明党の支持母体です。
選挙の時期になると友人知人に「もし決まってないんだったら〇〇さんにお願いしたいんだけど……」と電話なり対面トークなりで持ち掛けます。
選挙区ごとに誰が立候補するかが正式発表された時点で、公明党議員名指しでお願いor連立与党を組んでいる自民党の議員名指しでお願い&比例は公明でとお願いが来ます。
選挙期間前から戦いは始まっておりますので、公職選挙法違反にならないよう「これはOK、これはNG」と、お願いする際にやって良いこといけないことの周知を徹底します。
なお、「政教分離(せいきょうぶんり)」について学会員に突っ込むのはやめておいたほうが良いです。選挙活動をする際の初歩的なQ&Aに、政教分離について問われた際の切り返しが掲載されています。

OKがもらえた数を「F」と言い、選挙活動そのものをF取りと言います。

友好活動「友との対話」


布教、新聞啓蒙、選挙活動、どれを成立させるにも日ごろからの地道なコミュニケーションがものを言います。営業と基本は同じです。
ので、ママ友のお茶会に出たり、会社の飲み会に出たり、友人知人がやってるお店に顔を出したり、同窓会に出たり、地域行事に参加したりをまめに行います。その際の雑談で、相手が興味関心を持っていること、相手にわかる単語を使って仏法トークを繰り広げます。
そうですね。
相手がガチのカトリック教徒であれば「芸術と信仰ってすごく関連があるんだよね、サグラダファミリアとか、ノートルダム寺院のステンドグラスとか、信仰の力ってすごいよね~」といい、
熱心なルター派であれば「やっぱり偶像崇拝じゃなくテキストを根本にすべきだよね!」といいますし、
共産主義者であれば「資本論読んだんだけど、すごいわかる。一番偉いのは働く人たち、いわば民衆だよね」等と、

私が学会員の立場であればそういった切り口で話しかけます。
なお、無宗教(日本の場合)であれば「神様じゃないんだよ、どこまでいっても人間」とか言うと思います。
地域行事に関しては、私が幼いころはまだ日蓮正宗の僧侶側とくっついていたので他宗の祭りへの参加全面禁止でしたが、在家(お坊さんではない、出家していない信徒の集まり)オンリーになってからはその辺が緩和されました。子供のころは神輿を担ぐと罰が当たると言われました。

寄付「財務(ざいむ)」


寄付は年イチの他、会館を新しく建てる際、改築する際などにもお願いが来ます。これにどれだけ突っ込むかは各世帯によって違うと思います。
我が家では目安として年イチの寄付が各自の年収の1/10でした。また、年イチの他、自宅を座談会会場にするためのリフォーム費用、仏壇費用、二階にあった座談会会場を一階にしたいからという理由で買った隣家の買取費用、隣家リフォーム費用、学会本部の改修費用などが上乗せでかかっています。
私自身も両親がどれだけ突っ込んでいるかの具体的な金額は教えてもらえていないので、人によりますとだけ。

理解度テスト「教学試験(きょうがくしけん)」


「教学(きょうがく)」とは、キリスト教でいう神学のようなものです。教学試験は、簡単に言うと教えをどれだけ理解しているかのテストです。初歩の初歩「任用試験」合格から、教える資格を有したことになる「教授」まであります。
参考までに2022年の「任用試験」の試験概要を見てみましょう。下記三タイトルから出題されます。

 ・「一生成仏抄」
 ・「妙一尼御前御消息」
 ・「開目抄」

2022年教学部任用試験(仏法入門)概要 出題範囲より

……はい!難読漢字!!
外部の方で、何も調べず全部読めた人は素晴らしいです。古文専攻、もしくは仏教学専攻の方ですか?寺生まれのTさんですか?
それぞれ「いっしょうじょうぶつしょう」「みょうにちあまごぜんごしょうそく」「かいもくしょう」と読みます。
みょうにちとか読めないよね。

創価学会はもともと初代(校長先生)と二代(校長先生)が「創価教育学会」として立ち上げたものであり、名誉会長である三代目(教員)が拡大した宗教であるため、全般的にガッチガチの理詰めです。
ふわっとした奇跡を見せるより、世界の終わりを予言するより、論破するほうが得意です。得意になります。ならざるを得ません。初歩からこれだもん。
基本テキストは日蓮上人と弟子との書簡集をまとめた「御書(ごしょ)」となります。背表紙3センチくらいある。鎌倉時代の古文です。
そしてこれはあくまで原文とその訳なので、解釈については別途テキストがあります。
教学試験では、原文、現代語訳、創価学会版の解釈をセットで学び、テストは選択式となります。ただし、原文を暗記していないと答えられない設問があります。
私の両親の時代は原文をすべて暗記した上で試験官との一問一答対話形式試験があり、さらに論文提出必須だったそうです。

前半終了


権利の関係で挿絵がほぼ無い中、ここまでお読みくださってありがとうございました。
後半は、参加推奨イベントおよび、熱心な活動家の場合に追加でお声がけされる役職と庶務についてお話します。
あとは何か質問がございましたら、コメントでくださればと思います。


投げ銭をもらえるとたいそうやる気が出ます。お菓子はスコーンとチョコレートとクッキーが好きです。