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なぜ前田鎌利ゼミは優勝出来たのか?

一生忘れないであろう瞬間に立ち会えたので記録に残したくて書きました。

私が運営をお手伝いしているNewsPicksアカデミアゼミでは学期終わりの卒業式でゼミごとに「卒業プレゼン」を行います。
プレゼンのテーマは「ゼミで何を学んだか」。そして卒業式に出席している全ゼミ生が「自分が受けてみたいな」と思ったゼミに投票し、優勝チームが決まります。

この秋学期の卒業式では前田鎌利ゼミチームが”プレゼンのゼミ”の名誉にかけて(?)見事に優勝を果たしました。

プレゼンのゼミなんだから、優勝して当たり前、そう考える方も多いかもしれません。でも、実際はその裏にはゼミ生の皆さんの努力と色々なドラマがありました。前田鎌利ゼミをチューター担当として最初から最後までずっと見守ってきた私がその軌跡をお伝えしたいと思います。

すべてはこの言葉から始まった

前田ゼミの卒業プレゼン準備はゼミ最終回から始まりました。
最終回はゼミ生一人一人が個人でプレゼンし、前田ゼミ内で投票、優勝者を決める回でした。その優勝者の方がそのまま個人で卒業式でもプレゼンしては?という意見もありましたが、優勝者河野さんは「みんなで未来を取りに行きたい」とおっしゃって、全員でやることになりました。

これは河野さんの「みんなで未来を取りに行きましょう!」という呼びかけにみんなが賛同した時の証拠写真(笑)by河野さん

そしてその日からゼミ生みんなが卒業プレゼンに向かって動き出しました。

最初のWeb会議が12/19に設定されました。

前田ゼミ優勝者の河野さんがリーダーとなり音頭をとること、プレゼンターは竹林さん、という役割分担は決まっていましたが、まだプレゼンの内容は決まってはなく、このWeb会議に向けてラフアイデアが出ている段階でした。

Web会議はいつでもどこでも出来るメリットがある一方で直接顔を合わせる会議よりはコミュニケーションをとるのが難しい一面もあります。また、鎌利ゼミは基本的にグループワークは特になかったので、ゼミ生同士でディスカッションしたこともありませんでした。

会議のファシリテーションはどうなるんだろうかなどと外野から内心ドキドキしながら私はWeb会議にROM専参加(つまり見守り)していました。

本格的にプレゼン制作開始!

でもそんな心配をよそに会議は順調に進みました。
実は最初は表のターゲットと裏ターゲットがあって2重のメッセージを込める案もあり、議論が割れる焦点となりました。そこはさすがの鎌利先生の門下生の皆さん、自分たちの伝えたい「念い」は何か?という原点に立ち返り、シンプルにターゲットを1つに絞りました。

そして最初のWeb会議では大枠のストーリーラインが決まりました。

第2回目のWeb会議はクリスマスイブの12/24に実施されました。
ここでは今回のプレゼンのメインコンテンツの1つである「before/after(ゼミ受講前後の変化)」についてFacebookグループで皆さんが事前に準備した中から誰のbefore/afterを採用するかをメインに議論が進みました。

ゼミを受講しながらドラマチックな変化があった方が多く、選ぶのにも一苦労でした。昇進、商談成立、転職、社内で自分のプレゼンがお手本になった等、本当に多くの方にポジティブな変化がありましたが、審査員である他のゼミ生の方にもわかりやすい変化が良いのでは?ということで分かりやすい3事例が選ばれました。

鎌利先生に教えてもらったテクニックも余すところなく反映させるべく、ほぼ全員が発言し、クリスマスイブにも関わらず1時間以上の白熱した議論が展開されました。

この日、ほぼ内容が決まったのであとはこれをドキュメントに反映させ、卒業式前日に最後の事前確認で26日夜に3回目のWeb会議をすることになりました。

運命の第3回Web会議

そして3回目のWeb会議、いつものように私は見守り役で参加・・・と思ったらなんと開始時間過ぎているにも関わらず全然人がおらず(笑)プレゼンターとの竹林さんとWeb会議初参加の奥さんのみという状況。
「あれ?大丈夫かな・・・?」なんて心配になったのですが、このあと優勝に大きく貢献したであろう出来事が起こりました。

プレゼンター役である竹林さんはプレゼン全体のストーリーの中で何かひっかかりを感じていました。でもそれが具体的に何なのかはわからず悩んでいるようでした。
そんな竹林さんに奥さんが言いました。
「僕、前回・前々回出ていないので、プレゼンを見る側の立場に立って言いますけど、どうしてプレゼンのゼミが未来を取りに行くことになるのかうまく結びつかない。僕は鎌利さんのゼミを受けているからわかるけどそうでない人はわからないと思う。

この発言は竹林さんにとても響いたようでした。それがまさに竹林さんもなんとなく引っかかっていた点だったからです!

仲間うちだけで考えているとそのメンバー内での暗黙の了解事項が常識のようになります。でもそれは他の人から見たら常識ではありません

そう、今回のテーマ「プレゼンで未来を取りに行く」なんて鎌利ゼミ以外の人はにわかに信じられないでしょう。

でもそれこそが今回のプレゼンのテーマで一番伝えたいことそこをいかに聞いている人に理解してもらえるかどうかで勝負が決まるポイントだったのです。

そのポイント部分がクリアになって竹林さんは見の前の霧が晴れたような表情に変わりました。

「ターゲットは誰ですか?」「ターゲットに合わせてください」鎌利さんがゼミで毎回おっしゃってた言葉。それを忠実に守った形になりました。

いよいよ本番、卒業式当日

そして、いよいよプレゼン当日。

このプレゼンのリーダーの河野さんを筆頭にみなさん、開始前に集まって最後のリハーサルをし、最後の最後まで余念がありませんでした。

前田ゼミのプレゼンの順番は5番目。順番が回ってくるのがこんなに長く感じたことはありませんでした。

いよいよ、出番。

竹林さんの白熱のプレゼンはぴったり5分!その場の出席者をくぎ付けにする素晴らしいプレゼンでした。

でも、他のゼミのプレゼンもみんなそれぞれに工夫があり、個性があって面白く私は結果発表まで気が気ではありませんでした。(なんとこの日、他のプレゼンターにも鎌利先生のかつての教え子の方がいらっしゃいました!)

結果発表!

緊張の発表の瞬間。この瞬間を迎えるのはもう3度目でしたが今までで一番緊張しました。

「1位は前田ゼミ!」そういった司会の最所さんの言葉を聞いた瞬間のことはたぶん一生忘れないと思います。

なんといってもみんなで参加しみんなで議論しみんなで素材や資料を作り上げたプレゼンです。1人だけで担当していたらきっとここまでのクオリティではなかったでしょう。

プレゼン制作が始まってからの2週間、Web会議以外の時でもFacebookグループで活発にやり取りしながら、プレゼンのストーリー、スライドの順番、掲載する写真、キャッチコピー、事例の見せ方、図の見せ方etc...端々にいろんな方の知恵と工夫がちりばめられていました。その結果、今まで見た中で最高のプレゼンになっていました。

なぜ前田鎌利ゼミは優勝出来たのか?

卒業プレゼンの制作過程において、ターゲットは誰か、そのターゲットの立場に立って自分たちが伝えたいことをどう伝えるかを常に徹底し続けたみなさん。

「誰に何を伝えたいのか」当たり前のようで実際にそれを徹底するのは難しかったりします。それを実践に移しチームワークで見事に実現した鎌利ゼミ。それこそが優勝の理由だったのではないか、私はそう考えています。

終わりに

ちなみに卒業式当日先生ご自身もおっしゃってましたが、プレゼンのプロフェッショナルである鎌利先生は、この卒業プレゼンには一切関わりませんでした。それはきっと門下生の皆さんを信頼されていたのだろうと思います。

その信頼に答えるべく、ゼミの総仕上げの場でみんなで約束したとおり本当に全員で未来をつかんだ鎌利ゼミ。それは偶然でも奇跡でもなくただひたすら全員の努力と自分たちに起こった変化を伝えたい「念い」があったから実現しました。

そしてそれこそが鎌利先生の教えの神髄。それを最後に体現した鎌利ゼミのみなさん。私は本当に誇りに思っています。たぶんこの先もずっと忘れないでしょう。

始めてチューターとして運営を任せていただき、当初は不安もありましたが、本当に素晴らしい過程と結果に立ち会えて最高の形で終えることが出来ました。関わらせていただきましたすべての皆さんに感謝の気持ちを込めて、ありがとうございました!


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