見出し画像

自分の作ったものが、自分のものになる時

昨年度末、私が作った『こころのたからもの』という曲を、卒園する子どもたちが歌ってくれました。

※ この曲の楽譜はこちら↓↓

※ この曲の楽譜(音名・コード付き)はこちら↓↓

 ※ この曲の楽譜(簡単版・音名なし)はこちら↓↓

「心」

唯一無二
いつでもここに在る
宝になるもの

心って不思議だなぁと、思い浮かぶままにこんなメモを残していたのですが、曲に乗せて伝えたいものがあったとするなら、こんなことなのでしょう。

曲の成り立ちを辿っていきます。


〈ことば〉ができるまで

昨年の5月、新型コロナウイルスの拡大が懸念され、初めての緊急事態宣言が出た時、私の働く保育園も臨時休園となり、外出自粛で家にとどまる日が続いていました。

そんな時、こどものための歌をつくってみたいなぁと思ったのか、言葉を並べ始めました。

画像2
『なんど いっても へらないきもち』が最初のテーマだったようです。


そして、次第に卒園ソングの方に傾きだします。


画像1
ほぼ完成形。


ここから、発音のしやすさや、言葉の持つ意味合いやその強さを調整していきました。

歌う子ども一人一人のことばになるように、自分が子どもになった視点で書いていた気がします。


〈メロディ〉の成り立ち

ことばが大体まとまってくると、旋律を浮かべていきます。

実はこの歌、ことばもメロディも、イタリアで作った曲にヒントがあります。あのメロディを崩して、組み込んでいたりします。

大切な仲間や人とのつながりは、生きていく上で自分の宝物になる、そんな思いがどちらの曲にも共通しています。

画像3
① ほぼイタリアで作った曲のメロディ。ニ長調、2分の2拍子に書き換えた感じ。

画像4
②  ①から連想させて『こころのたからもの』のメロディが生まれる。ニ長調で書いている。


〈ピアノ〉をつける

画像5
① 最初は右手に旋律を埋めていたが、やめた。
画像7
② 前奏をつけたり、伴奏の形に書きかえる。


保育園の先生たちが弾くことを考え、また子どもたちの歌いやすさも考慮して作っていきました。

昨年の10月頃に形になりました。


アレンジしてみる

楽譜としてできても、実際に奏でる中で、省略したり、変更したりするところがありました。

自分が付けたリズムと違って子どもたちが記憶しているところがあったり、でもその方が歌いやすいのかな・・・と思ったり。

この曲を歌うことに決まった時点で、この曲には音源はなく、年長クラスの先生たちが練習して聴かせ、それを真似して子どもたちが歌っていました。

私はあえて音源は作らず、見守ることにしました。子どもたちがどのように歌を習得していくのか・・・個人的に興味深かったのです。

家に帰ると、YouTubeで音源を探してもらう子もいたようで、そんな話を聞いて、音源を作ってみようと思いました。

今までに何度かDTMで音楽を作っていたのは、この曲を作るための練習でした。

作った曲をもとに、パソコンを使って編曲していきます。思い浮かぶままにハモリや裏メロ的なものを音にしていきました。

いくつもある楽器の音を選んだり、どこにどの音を充てるかを考えるのは楽しかったです。

何声にも音が重なるので、所々手でパートごとの譜面を書きました。

画像6
大雑把な性格なので、パートによって小節がズレてしまったりしているが、自分がわかれば良いということにしている。(笑)


出来た音源に合わせて、自分で歌った歌を入れて、今年の7月にようやくアレンジした曲ができました。


動画にする

動画にするにあたって、絵を描きました。人が多くてやたら難しく、完成がなかなか見えず・・・😅

誰かに描いてもらおうかとも思ったけれど、少しずつ描くことに・・・。

途中のアルバムを思い返すシーンには、私の卒園文集から、自分が描いた絵を組み込みました。

そうして、ひとつの動画に仕上がりました🎵✨

振り返り

今振り返ると、一年前にできなかったことが、たくさんできるようになったなぁと感じます。

デジタルな技術とは無縁な生活を送ってきたけれど、表現の一手段として活用できるまでに成長したなぁと…😊

言葉を並べていた当初は、こういった形にまとめようとは思っていなかったけれど、作ったり、奏でてもらったり、聴いて頂いたり、という経緯を経て、自分の曲へのイメージが膨らんでいったように思います。

私自身の作品というよりは、周りのみんなと作ったもの、という感じがしています。

ここが一つの終点であり、また新たな気持ちで自分の未来へ一歩踏み出すような気持ちでいます。

だからこそ、自分の言葉と音楽が自分自身に返って来て、今日ある自分の心境にとても響きます。不思議な感覚です。

ようやく自分の曲が自分のものになったのかもしれません☺️

最後に

この曲を作り始めた当初は、いつまた保育園が通常に戻るのかという状況で、子どもたちを思い描きつつも、歌える時が来るのかすらわかりませんでした。

新型ウイルスで初めてのことが重なる中、私が作った曲を前向きに受け取り、子どもたちに繋げる機会を作って下さった先生方、温かいお言葉をかけて下さった全ての方に、この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。

そして、歌ってくれたみんな、ありがとう。「作ってくれてありがとう」と言ってくれたけれど、私の方こそ感謝の気持ちでいっぱいでした。

私にとって作詞も作曲も素人で、だからここまで「作詞」も「作曲」という語を使わず、〈ことば〉と〈メロディ〉という書き方をしたくらいなのですが、音楽の楽しみって、伝わったり繋がったりするところにあるのかなと思っています。

私には文学的にも音楽的にも大して優れたものは作れないとわかっているけれど、自分の作ったものが、人を通してまた人につながるということを経験出来て、とても勉強になりました。


大切なことを忘れずに、これからも私の音楽をしていきたいです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました😊

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?