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2021年7月の記事一覧

ブランケット症候群と戦わない

こういうのを、ブランケット症候群と呼ぶ。 スヌーピーの仲間、ライナスくんがブランケットを手放せないことから、ライナス症候群とも。 そしてこのブランケットのことを「安全毛布」という。 どれも、心理学用語だ。 私の記憶に残る絵本『ジェインのもうふ』もそんな感覚を思わせる。 私はジェインの持つ毛布に強い憧れを抱いたのを覚えている。 人は生まれてから、成長のどこかの段階で母親から離れる。 その過程で、何かにすがって安心を求める。 幼いころは、身近にあるタオルや毛布、ぬ

私は生まれなかったかもしれない命

姉と私の間には生まれるはずの命があった。 その命が生まれることがなかったから、私は生まれることができた。 このことを知ったのはいつだったか・・・ けっこう大きくなってからだった気がする。 母は私に言った。 「あんたは生まれてなかったかもしれないんだよ。」 その頃の私は、母の言葉の中に何一つ肯定的な意味合いを感じ取ることができずにいたから、自分が今ここにいることが申し訳ないように感じた。 その命の分までちゃんと生きなくちゃいけないんだと思った。 時々自分が情けな

私の心にいてくれるみんな、ありがとう。

私が1歳の頃、父は病気で度々入院していた。その父が通院生活からも解放されて、半年が経ったころ、弟が誕生した。私は2歳半になっていた。 母は3人目の子育てを楽しみにしていたようだ。 姉の時は育児ノイローゼになり、私の時は父の病気でバタバタ。 「3人目は楽しいよ」と周囲からも聞いていたようだ。 ところが、弟の誕生後、明らかに母の体は不調になった。 完全に腰が抜け落ちたような感覚だったらしい。歩くことも困難。 ひどい腰痛で産後も毎週病院通いとなる。 1か月後、病院の検