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「Matthew Bourne's SWAN LAKE」@Los Angeles

December 19,2019 at Ahmanson Theatre in Los Angeles

以前から、何人もの友人からオススメされていたMatthew BourneのSwan Lakeを初めて観てきました。ロンドンでも日本でもタイミング悪く、ロサンゼルス公演が発表されてすぐに予約しました。

劇場はロサンゼルスのダウンタウンにあるAhmanson Theatre。
席は前から4列目のど真ん中。

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Matthew Bourneの作品としては、今年「シンデレラ」に続いて2作目。
いろいろな舞台を観ますが、今までバレエにはあまり興味がなく機会もなく。セリフのない舞台って今でもちょっと慣れないです笑。

Matthew Bourneがバレエ界に革命を起こしたと言われるのは、クラシックバレエの古典である「白鳥の湖」を、Matthew版では男性ダンサーが力強くスワンを演じ、コンテンポラリーな振付、スタイリッシュな衣裳、斬新な舞台展開と、まったく新しい作品に生まれ変わらせたこと。そして、バレエ史上初、4ヶ月公演というロングラン世界記録を樹立したこと。初演以来、ずっと愛され続けている作品となっています。

こちらがキャスティングボード。

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The SWAN/The Stranger:  WILL BOZIER
The Prince:  James Lovell

具体的には、クラシックバレエ「白鳥の湖」では美しい女・白鳥のオデット姫と王子を翻弄する魔性の女・黒鳥のオディールの2役をひとりの女性ダンサーが踊り分けるところを、Matthew版ではThe Princeが憧れを抱く力強くどう猛なThe SWANと、セクシーで挑発的な黒のレザーパンツの男、The Strangerの2役を演じます。

4列目なので、息遣いから筋肉の動きから、表情の一つ一つがよく見えました。前の方にして良かった。セリフなし(くどい・・笑)なのに、悲しみや絶望や喜びや満たされた気持ちを表情とダンスだけ、ぐんぐん伝わってくる2時間、ずっと目が釘付けでした。あっという間に終わってしまった。

圧巻。猛々しさと繊細さ。
肉体だけでここまで表現できるのか。しかも美しい。

これが私の感想。
Will BozierのSWANのしなやかさ、野性味のある力強さ、四肢の伸びやかさ美しさ、Strangerになってからは、そこに色気と魅惑のフェロモンが溢れ出してました。手先から足の先までの繊細な動き、長い足での開脚の美しさ、躍動感、男性ダンサーならではの力強い美しさね。

以前、「SWAN LAKE」に何度も通っていると言う人たちがTwitterで口々に

SWANの肉体美が満喫できた。
肩甲骨から指先までの動きが美しいこと。
筋肉って色っぽい。
開脚がすごい!

みたいなことを書いてらしたのを思い出しました。その時は「うん?」と思っていましたが、今は激しく同感。

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Will Bozierは、踊っている時は伸びやかで本当に身体も大きく見えたんですが、カーテンコールでは、可愛い笑顔で小さく見えて別人のようでした。そんなに違って見えることがすごい。
The PrinceのJames Lovellは、なんと19歳だそうですよ。19歳にして、なんという完成度。驚き。

個人的には、衣裳の全部がとても好きでした。
女性たちの衣裳がどれも可愛かった。

途中から妄想に走ってしまった私の頭

途中、The PrinceがSWANたちに出会い力強く踊っているあたりで、わたくし、だんだん頭の中で妄想が始まってしまいました。
というのは、
Matthew Bourneは、いわゆる敷居の高いバレエの世界を、バレエを観に来る層だけでなく、演劇ファン、ダンスファン、芝居ファンにまで門を開き、バレエ界に革命を起こしたわけです。

あ、これって・・(市川)猿翁さんだ。
と思ってしまったんです。

そして、SWANの衣裳ですよ。
これって・・狐忠信だ。

さらにSWANの群舞を見ていたら、ふと、
これって・・幸四郎さんの日舞の会で見た圧巻の群舞だ。

こうなるともう舞台を見ながら、これを幸四郎さんならどう演出するだろう・・などと妄想が始まってしまいました。
このSWAN LAKEなら歌舞伎の新作にきっちり落とし込めそうな気がしてならない(笑)。幸四郎さん、いつの日かぜひ!

最後にMatthew BourneのSwan Lakeの動画を。
あぁ、動画じゃ魅力が全然伝わらないな。


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