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雑記:小説のタイトルをつけるとき。

そういう日和なのだろうか。タイムラインに、小説のタイトルについての話が並んでいる。

みなさんどうやってタイトルつけますか?

とか、

自分の小説のこのタイトルが気に入っています

とか。

小説のタイトルってとても大切だと思う。タイトルってつまりは、その小説を一言で表すと? っていうことだから、なかなか大変。キャッチーで、わかりやすくて、惹かれるもの。小説の内容と乖離がなく、小説全体の雰囲気をしっかり伝えられるもの。

私はどうやってタイトルをつけているのだろう? と考えてみる。

私は、物語の本筋を象徴的に表したものをタイトルにつけるというより、その小説の鍵になってくるものをタイトルにすることが多い気がする。全体の象徴というより、ポイント。読み終わって初めて、ああ、だからこのタイトルなのか……と思ってもらえるのが、一番理想的な気がする。読み終えた余韻の中に、タイトルを噛みしめる時間みたいなものがあると、とても嬉しい。

自分で説明するのってめちゃめちゃダサいけど、自分で気に入っているタイトルをあげてみる。

宵闇よいやみの月
宵闇とは、宵のうちの月が出ていなくて暗い時間のことだから、宵闇の月、というのは言葉としては矛盾があるのかもしれない。でも、読み終えたときに、あぁ、そういうことか、と思ってもらえると嬉しい。


・セレナーデ
これは、響きも好きだし、この小説の一番のキーになってくる単語だと思うから、タイトルとしても気に入っている。この小説は、登場人物の名前「小夜さよ」とタイトル「セレナーデ」は、最初に決まった珍しいタイプ。


・傾いたテミスの天秤
テミスの天秤って、正義の女神が持っている天秤。それが傾くってどういうこと? という気持ちをこめてタイトルをつけた。正義の定義は難しい。


・砂浜の金魚
砂浜にいるはずのない金魚だから、これも言葉としては矛盾しているのかもしれない。けど、読み終えたときに、ほぉ……と思ってもらえたら嬉しいと思ってタイトルにした。

こうやって気に入っているタイトルをあげてみると、やはり、物語全体のイメージというより、鍵になる単語、ポイントとなる言葉を選んでいる気がする。読み終えたときに、タイトルに戻って、ほほぉ……と思って、もう一度その意味を吟味する。かみ締めてもらえる。そうしてもらえたら、とても嬉しい。これからも、そんなタイトルを目指したいと思う。


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