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雑記:主人公の魅力と弱点

小説のハウツー本みたいなものは、基本的にあまり読まないのだけれど、公募に挑戦するようになってから、少し気にすることが増えた気がする。傾向と対策は考えるほうではなくて、自分の書きたいことを書きたいように書こう、と思ってはいるけど「その賞に受かるためにどうしたらいいか」ではなくて「おもしろい小説を書くにはどうしたらいいか」は知っておいてもいいな、と最近思う。

これは、うろ覚えで出典がないのだけれど、主人公が完璧ではおもしろくない、とどこかの何かで読んだ(曖昧)。主人公は魅力的なほうがいい。良い奴でも悪い奴でも、キャラ立ちしているほうがいいし、主人公になりうるだけの魅力は必要だと思う。と同時に、弱点も必要なのだ。完璧じゃ共感できない。弱みがないと話に強弱がつかない。なんでもできるスーパーマンじゃ、話が単調になってしまう。

最近、AmazonプライムでアニメONE PIECEをおさらいしているんだけれど、ルフィは実に魅力と弱点を兼ね備えた主人公だと思う。強くて、仲間思いで、優しい。最高の海賊だ。同時に、アホで、向こう見ずで、能力者ゆえにカナヅチだ。海が舞台で弱点がカナヅチというのは、海賊を描く上で実におもしろい設定を考えたものだ、と思う(私なんかが言うことじゃないですが、すみません尾田栄一郎先生……)。弱点があるから、仲間が増えて、話が盛り上がる。ひとりで全部できちゃったら仲間は必要なくなってしまう。ONE PIECEを見ながら、実にうまいことできている、と感心しながら見てしまう(だから、私なんかが言わずもがなですけど)。

ちなみに、おさらいはようやくシーズン3の中盤くらい。エニエス・ロビーが終わったあたりだ。けっこう話忘れてるから、その先のこと、ネタバレしないでね笑。

私は、自分の書く小説の主人公が平凡なことが多い。自分で気づいているのだけれど、一人称で書くから、主人公の視点でまわりにいる登場人物像を書くことになる。すると、主人公をとりまくまわりの人物たちのほうがキャラが濃いのだ。平凡な主人公をとりまくキャラの濃いサブキャラたち。その構図が多くなっている。主人公に自分のキャラを言葉で語らせずに、魅力と弱点を同時に表現するのは、今の私にはまだ難しい。

しかし、一人称じゃなくするほうが、難しい。これは出典がちゃんとあるのだけれど、最近の新人賞は神様視点は一次選考で落とすのが暗黙のルールとなっていることが多いらしい。(公募ガイド、作家デビューの裏技、教えます! より)https://www.koubo.co.jp/reading/rensai/article/wakasaki/wakasaki_2207_01.html
それくらい、新人にとって神様視点は難しいということなのだろう。そもそも一人称のほうが好きなのでそれは助かるのだけれど、一人称だからっておもしろいとは限らない(当たり前)。

今長編に挑戦しているのだけれど、やはり主人公のキャラが薄い気がする。そして、周囲の登場人物たちが濃いめ。魅力的で、そして弱点もあり、この物語の主人公はこの人だ、としっかり表現できるような長編にしたいと思っている。難しくて筆が止まっているので雑記なんて書いているのだけれど笑。小説を書くのって、楽しくて難しいね。


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