死んだらどうなるの?

「死んでも何にもならないと思うよ。」

これは私がこの前友達から聞いた言葉だ。
死んだらどうなるんだろうね、なんて会話の始めくらいの、おちゃらけて言ったつもりなのに、相手は真面目に返して来た。
私は真面目に返しやがって、なんてむっとしながらもでもうちらは死んでも一緒にいられるといいねと思っているような思ってもいないような曖昧な言葉を口にした。正直これは嘘だ、死んでもなおこんな奴と居たくない、それが本心。嘘を言った私は地獄に行くのだろうか、エンマ大王様に舌を抜かれるのだろうかと今では思っている。こいつが天国に行くなら地獄に行ってもいいかもな。そう思ったほどなら私はきっとこいつがよっぽど嫌いだったのだろう。
何もならない、とはどう言うことだろうか。ふと疑問に思った私は聞いた。私が死んでも世界は何も変わらないと、友達は言った。私はそうだねと返し歩みを進めた。友達はかこんと自販機で買った缶ジュースをゴミ箱に捨てて私の後を追いかけて来た。私が死んで、こいつが悲しむなら、少しでも心が変わるのなら、世界は変わるんだろうけどな。

そう思いながら話を聞いていた、太陽がギラつく夏の昼下がり