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「案ずるより産むが易し」&「備えあれば憂いなし」精神でストレス軽減


今学期に移ってくる子ども達の中に、1人本当に繊細で人見知りの激しい子がいました。

元クラスの担当の保育士達も私たちも親御さんも本当に心配していて、慣らし保育でどんな感じかを見てみよう、と思っていたら、ちょうどその期間に体調を崩してしまって慣らし保育が全く出来ませんでした。

これにはみんなして「どうしよう…。」となりました。

慣らし保育の時なら元のクラスに戻る事が出来るけれど、クラスが変わってしまえばそれはもう出来ないからです。

泣こうが喚こうがうちのクラスにいるしかない。

色々な事を考え、話し合いをしつつ、他の保育士達も心配していました。

でも私は最終的にこう思っていました。

「大変だろうけれど、私たちより子どもの方が対応力はあるから1か月もすれば慣れる。だからまずは最初の1か月は気合を入れて頑張ろう」と。

大変な事になる、という事を受け入れた上でその対処法を考えたんです。

そう思ったら「何とかなる」という気持ちで臨むことが出来ました。


そうして迎えた第一日目。

私はオープニングのシフトだったので、その子を朝迎え入れました。

案の定お母さんにしがみつき、泣きながら元のクラスの方へと行こうとしていました。

それでも何とかその子を受け取って、窓から一緒にお母さんが行くのをお見送りをしたら、ピタッと泣き止み、私の手を引いて一緒に遊び始めたんです。

その日は食事もお昼寝も全く問題なく、その朝の一時だけ泣いていましたがそれ以外は終始笑顔。

みんなして目を丸くしてしまいました。

案ずるより産むが易し」とはまさにこの事。


ただ、これと逆の事も起こったりします。

この子は大丈夫!と思っていたら、誰も予想していなかった大泣き。

普通の情報交換や慣らし保育もしていたのですが、その期間にはその片鱗に気づくことが出来ず、しかもそれが最初の1~2日だけじゃなくて1か月続いたので、これには全員「試してみるまで分からない」という事を改めて痛感しました。


つまり良い意味でも悪い意味でも、予想なんて外れて当たり前、当たったらラッキーって事ですよね。



私たち保育士の間では「そうなって欲しい事は言葉にしない」という暗黙のルールがあったりします。

お昼寝の時などに「この子は今日疲れているからすぐに寝そうだよね」なんて言いようものなら、案の定いつも以上に時間がかかったりするからです。

でも「この子はいつも時間がかかるからなぁ」なんて言っているとその日に限ってすぐに寝てくれたりする。


これって何なんですかね。


言葉にする事で、その本人の意識が変わって、それが行動に出ているのでしょうか?


日本に昔からある「言霊」的な感じでは、叶って欲しい事は口に出して言うのが良い、みたいなのありますよね?

でも逆説的に「言った事は叶わない」という考え方もあったりします。


私たちは、そうなって欲しい事はあえて口にせず、なって欲しくない事をわざと言ってみたりします。(勿論毎回常にではありませんが)

敢えて言う事で「予想した事は叶わない、そして例えそうなったとしても想定範囲内」という風に持っていく為に。

もしうっかり言ってしまった時は、ジンクスとして机や壁を叩いたりします。(「Knock on wood」:悪い事が起きないように、言った事をなかった事にするおまじないー他説あり)

一見すると少し後ろ向きな考え方にも見えますが、何気にハードルを下げてくれる考え方でもあると思います。

そうする事で前もって最悪の事態を想定しての心構えも出来るから。

そうなってしまった時に「自分はどうすれば良いのか」「どの様に対処すれば良いのか」という事を考えておく事で、気持ちに余裕が生まれます。

だって何事も「備えあれば憂いなし」ではないでしょうか。


特に子どもに関しては予想外の行動をする事がまさに想定範囲内だし、その対応をする事が私たちの仕事です。

その為にもある程度の予想はしつつも、それは当たらないのも当たり前、と考えられる範囲の事に対しては準備をしておく、というのが私には一番ストレスが少ない方法でした。


「案ずるより産むが易し」&「備えあれば憂いなし」精神


皆さんは予想外の事が起こって時にはどうやって対応されていますか?





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