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私が明日死ぬなら──2024年1月10日
・好きなクリエイターのフロクロさんが手掛けたキタニタツヤのMV。とても良かった。
・白と黒に塗り分けられた画面を数直線で刻むことで、『私』が生きてきた日々と、『私』不在で『あなた』が進み続ける世界の光景や心の感情がより鮮明に、実感をともなって想起される。「ポストに溜まった不在票」の表現が特に好きだ。
・かようにフロクロさんは記号や文字といったシンプルな道具立てで独特の世界観を表現するからスゴイ。
![](https://assets.st-note.com/img/1704902147384-OHF8jzHat2.jpg?width=1200)
・黒に塗られた日々は何を意味しているのだろう。最初は単純に、死後の『私』が『あなた』を見守っている期間を表しているのかと思った。だがそれだと、「あなたが明日も生きたら」から四十九日を待たずして白に変化するのが分からない。
・あるいは『私』の死に悲しむ『あなた』の感情だろうか。だとすれば、少し残酷な話だ。悲しみは長続きせず、時間が経つにつれて存在が薄れていく。
・でもそれは仕方ないことだし、『私』も望んでいることなのだろう。
・『私』の死とは、きっと自殺のことなのだと思う。この世界と己に絶望し、明日死ぬことを考えている。でも『あなた』を残して死ぬことだけが心残り。もしかしたら『私』の死で己を責めてしまうかもしれない。
・だから、「もしも自分を傷つけたくなってしまったら〜私に触れた時のやさしさを思い出してよ」と『あなた』のせいではないことを伝え、そして『あなた』がいつまでも悲しみに暮れないように、「私が明日死ぬなら、明々後日には日々に戻りましょう」と約束の指切りを結ぶ。そういった、決意と決別の歌なのかもしれない。
・自分自身、今日ほのかに希死念慮に襲われているからそういう解釈をしてしまったのかもしれないけれど。
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