ケイゾク―2021年10月27日

明日も早いしあと1話だけ観ようと思って再生したが、その回が最終回のひとつ前の話で、ええいままよと最終回まで一気に観てしまった。

ドラマ『ケイゾク』、何とも後味の悪い終わり方だった。6〜7話ぐらいまでは一話完結の推理ドラマだったのが、途中から渡部篤郎演じる真山の壮絶な過去が次々に浮き彫りになり、その過去を己が手で清算する復讐劇へと変わっていった。

真山がかねてからマークしていて、殺そうと思っていた怨恨の相手が実は別人で、真犯人は真山のごく身近にいる人物だった、という事実が明らかになるが、その真犯人がどうやって真山にバレずに彼の近くに潜り込んだのかが結局のところよく分からない。顔を変えていたというが、整形でもしたのだろうか。いや映像をみる限り、何か超能力的なものを使って真山含む周囲の目を欺いていたように解釈できる。攻殻機動隊みたく、視界をジャックしていたのだろうか。だとしたらなかなかにトンデモなドラマだなと思う。

堤幸彦が総演出のような立場にあるので、随所に、というかほぼ全体的にトリックの雰囲気が醸し出されている。でも時にしつこくウケを狙おうとするトリックの悪いところがケイゾクにはあまりなく(小ネタは所々挟まれるが)、「ちょっとおふざけのある本格推理ドラマ」という様相が保たれていてとても良かった。


なんといっても柴田役の中谷美紀がとても美しい。東大卒の超エリートで、バスの乗客が頭を抱えながら読んでいる東大の赤本や司法試験の問題集の難問を一瞬で解いたり、ちょっとPCをいじっただけで国防総省のサーバーをクラッキングできちゃったりする天才だけど、それ以外はおっちょこちょいで世間知らずで脳天気という、そのギャップがいじらしい。萌えすら感じる。こういうアニメ的なキャラ造形が1999年当時のドラマにもあったのが意外だと思う。あんまり昔のドラマみないから分かりませんが。

前述したとおりドラマは後味の悪いバッドエンドだったが、そのあとも特別編・劇場版と続くらしい。特に劇場版の情報をみてみると主演・中谷美紀と平然と書いてあって、何だ生きてたんじゃんと安堵したような肩透かしを食らったような、何とも複雑な気持ちになった(最終回の後日談、という保証はないが)。

明日は出社だから帰りが遅くなるけど、帰ってきたら特別編の方も観てみようかな。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?